こんにちは!元公務員のHiroshiです。
ホワイトなところに就職したい。
どっちなのか本当のところを知りたいし、何の公務員がホワイトかも気になる。
公務員はホワイトのイメージが強い一方、ネット等ではブラックと言われることも。
多くの大学生や社会人は、ホワイトな企業や省庁で働きたいと思うはず。
そこで今回は「公務員はホワイトか」について取り上げます。
本記事の内容
- 公務員はホワイトなのか?
- 公務員のホワイトな部分
- 公務員のブラックな部分
この記事を書いている僕は、県庁に勤めた経験を持つ元公務員。
本記事は僕自身の実体験をふまえつつ、本音を書いていきます。
この記事を読むことで、将来的な職業選択をする際の1つの参考になるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員はホワイトなのか?
まずは単刀直入に「公務員はホワイトなのか」から。
これは「ホワイト」をどう定義するかによって異なります。
基本的に公務員はホワイト
一般的な「ホワイト」のイメージで考えると、公務員は十分ホワイトです。
- 安定した給料がもらえる
- しっかり休める
- 職員・社員を守る制度が整っている
- ゆとりを持って働ける
上記はいずれも「ホワイト企業」をイメージした時に出る要素かと。
詳しくは後述しますが、この全てを公務員は満たしています。
給料は年功序列で上がり、ボーナスも1年に給料の4ヶ月分ほどが支給されます。
また、土日祝日が休みなのに加えて、有給休暇の取得数も民間よりも多いです。
職員を守る体制も整っている上、公務員の仕事は数字に追われることもありません。
私生活の充実と精神的なゆとりを考えると、公務員は確実にホワイトです。
公務員をブラックだと感じる人もいる
頑張ったら頑張った分だけ給料に反映してくれるのがホワイトだと思う!
しかし、ホワイト=適正な評価と考える人には、公務員はブラックだと感じるはず。
前述のとおり、公務員は給料が年功序列で上がっていきます。
つまり、頑張っても頑張らなくても給料は横並びです。
出世や給料に差がつき始めるのは40代頃から。
しかし、それでも特筆するほど大きな差にはなりません。
部長まで出世しても最終的に年収1,000万円程度。
対してまったりして出世しない人も、最終的に年収700〜800万円はもらえます
数字として実績が残るような仕事も少なく、評価の仕方も曖昧です。
結局は「上司に気に入られるかどうか」が出世の基準。
つまり「仕事を適正に評価し、給料に反映してもらう」意味では、公務員はブラックと言えます。
公務員のホワイトな部分
公務員のホワイトな部分を深掘りして説明していきます。
①:安定した収入
言うまでもなく、公務員は収入面で安定しています。
- 平均以上の水準の、生活に困らない給料が毎月振り込まれる
- ボーナスは年2回・給料の4ヶ月分ほど支給される
加えて、公務員は年功序列ゆえに毎年昇給していきます。
基本的に、下がることはあり得ません。
間違いなく、給与面の安定性は抜群と言えます。
②:リストラ・クビがない
公務員は法律(国家公務員法・地方公務員法)で守られている身分です。
法を犯すような不祥事(薬物とか横領)を起こさない限り、クビにはなりません。
極端な話、全く仕事をしないでダラダラと定時まで過ごしていてもいいんです。
加えて、前述のように給料も上がっていくので、雇用の安定性は抜群かと。
③:充実した福利厚生
- 各種手当(地域手当・扶養手当など)
- 土日祝日が休み
- 5日間の夏季休暇
- 結婚休暇
- 産休・育休
- 男性の育児参加休暇
- 介護休暇
- 90日間の病気休暇(療養休暇)
- 最大3年間も休職できる
公務員の福利厚生を思いつく感じでザッと挙げてみました。
特に休暇面・子育て面・休職に関しては抜群に整っています。
私生活を充実させられる上、育児も非常にしやすいです。
休職中もお金をもらいながら休めるので、本当に守られています。
正直給料はそこまで高くはないですが、それを補って余りあるレベルの福利厚生かと。
「本当に守られているな…」と感じましたね。
福利厚生の手厚さは、公務員がホワイトと言われる大きな要因かと思われます。
④:社会的な信頼が高い
公務員は社会的な信頼が高いため、高額なローンでもすぐに通ります。
住宅や車を購入するときには、非常にありがたいはず。
また、公務員は世間のイメージが本当に良いです。
(少なくても悪い印象は持たれることはないはず)
公務員は社会的な地位がかなり高い職業。
普段の生活の中でもメリットがあり、それもホワイト要素の1つです。
⑤:仕事の中でのプレッシャーが少ない
公務員は、仕事をする上での心理的プレッシャーが少ない職業です。
なぜなら、数字に追われるような職業ではないから。
公務員の業務はそもそも数字で測れない類のものが多いです。
また正直、仕事ができない・結果を出さなくても勝手に給料が上がっていきます。
一方、特に民間の営業系の仕事だと、結果が給料にも反映されやすいはず。
確実に公務員よりシビアですし、数字に対するプレッシャーも大きいでしょう
必然的に、公務員の方が精神的にゆとりを持って働けると思われます。
もちろん、公務員の仕事も決して楽なわけではありません。
残業もありますし、大変な業務を担当になると帰る時間も遅くなります。
しかし、それでも数字に追われないので、心理的には確実に余裕を持てるはず。
実際、民間で消耗して公務員に転職する人は結構多いです。
給料は下がっても、休暇面・数字に追われない面で満足されている方が非常に多かった印象ですね。
関連記事:【要注意】民間から公務員に転職!後悔する人の特徴は?
公務員のブラックな部分
次に、公務員のブラックな部分を深掘りしていきます。
①:人事評価が曖昧
公務員は人事評価が曖昧で、頑張ってもそれが評価に反映されない場合が多いです。
なぜなら、公務員にはノルマのような客観的に評価できる基準がないから。
一応「業務目標」は立てますが、目標はあくまで自分で設定するもの。
そして、公務員は「数字」で評価できる仕事が非常に少ないです。
必然的に、業務目標・業績評価自体が形骸化します。
結局のところ「上司に気に入られるかどうか」が出世の基準になります。
評価基準が属人的かつ非常に曖昧なので、頑張った分が適正に評価されません。
その意味で「公務員はブラック」だと考えられます。
②:頑張っても給料が横並び
公務員の給与体系は年功序列。
ある一定の時期までは、同期みんなが横並びで上がっていきます。
頑張っている人も頑張っていない人も、給料に大きな差はつきません。
もちろん頑張れば出世できる可能性は広がるものの、差がつくのは40代に入ってから。
また、年齢・勤務年数が給料を決める最大の要因である以上、仕事と給料の水準が全然見合っていません。
特に何もしない50代の職員が、圧倒的にがんばって成果を出している20代の倍以上の給料をもらっているのも普通です。
「頑張りを給料に反映させてほしい」と考える方には、公務員はブラックですね…
③:残業が多い&残業代が出ない
「公務員=定時帰り」のイメージはまだまだ根強いです。
しかし、部署や個人によっては残業が非常に多い場合もあります。
また予算や管理体制の関係で、残業代は満額出ないことが多いです。
残業した分のお金がもらえない意味で、公務員はブラックだとも言えます。
関連記事:【経験談】公務員はサービス残業が当たり前。残業代は満額出ない
仕事はできる人のところに集まるもの。
できない人・やる気がない人は定時帰りの場合も少なくありません。
仕事の負担が重いのに、定時に帰っている人ともらえる給料は大差なし(残業代が出ない場合もあるので)。
正直やってられないと思う方もいるでしょう…
【よくある質問】公務員のホワイトランキング
「公務員はどこがホワイトなのか」が気になる方は多いはず。
経験をもとに回答していきます。
ホワイト度ランキング
- ホワイト度高め:出先機関全般・統計課など
- 普通レベル:産業振興・農業・環境・広報など
- 激務:財政課・人事課・秘書課など
自治体にもよりますが、ホワイト度で並べると上記の傾向かなと。
(残業が多いほどブラックと定義しています)
公務員は、基本的に「中枢に近いほどブラックになる傾向」があります。
- 出先より本庁(本省)が忙しい
- 本庁でも中枢の財政・人事・企画・秘書は特に忙しい
上記はどの役所でも共通しているかなと思います。
(優秀な人ほど中枢に近いところで働くことが多い)
出先より本庁が忙しいのは、議会対応と予算編成が大きいですね。
議会も予算も、通常の業務にプラスαで行う仕事です。
特に本省の国家公務員は、年中国会対応があるので超忙しいですね…
一方で出先は現場部隊で、ある種ルーチンワークです。
トラブル対応等も本庁が行うことが多いので、よりホワイト度は上がります。
ホワイトランキングは気にしても仕方ない
この気持ちはめちゃくちゃ分かります。
でも正直、入る前からホワイト度を気にしても意味がないと思います。
理由は以下の3点。
- どの自治体・省庁も、ホワイトな部署とブラックな部署がある
→「この自治体はブラック」等とは一概に言えない - 異動が多いためにブラック部署は避けられない
→ホワイト部署ももちろん経験するはず - 公務員の時点で、一定のホワイト度は担保される
→超繁忙期以外は土日祝日は休める
残業の面で見ると、ホワイトorブラックは本当に運次第なんですよね…
どの部署がブラックかも、自治体による部分が大きいです。
必然的に、入る前にどれだけ気にしても意味がないと思います。
なので、自分が「その自治体に行きたいか」で選ぶのが最も賢明です。
「ホワイトだと思ったのに実はブラックだった」可能性もあります。
ホワイト・ブラックの両方の側面があると理解して、行きたい自治体・省庁を選ぶのが良いです。
(例:地元が好き・省庁の仕事内容に興味がある等)
ホワイトさだけで決めると後悔するので、覚えておいてください。
【まとめ】公務員をブラックだと感じる人もいる。しかし、総じて間違いなくホワイト
「公務員はホワイトかブラックか」を書きました。
適正な評価・結果に見合った給料を重視する人には、公務員はブラックだと思います。
しかし客観的に考えれば、公務員は間違いなくホワイトです。
とにかく守られていますし、私生活の充実も叶えられます。
給料は高くはありませんが、決して悪くない水準です。
休日はほぼ確実に自由に過ごせるので、趣味や家族との時間を楽しめます。
転職してきた人の多くは「それなりのお金と時間があるのが最高」と言っていましたね。
残業面は確かにブラック要素ですが、それを超えるメリットがあると思います。
(どの業界・職種でも多少の残業はあるので、残業=ブラックは短絡的です)
また残業に関しても、近年はかなり改善傾向にあります。
残業時間の制限もできた上、残業代をしっかり支給する流れ・動きが活発化しています
残業面のブラックさは解消に向かっている印象です。
公務員はホワイト・ブラックの両方の意見がある職業。
しかし、すべてあなたの価値観次第なので、冷静な視点で考えることをおすすめします。
公務員になりたい方へ
ここまで読んで「公務員になりたい」と思った方もいるはず。
ぜひ以下の記事を参考に、公務員になるための準備をしましょう。
勉強を始める前に行うべきこと
「最初に必ず行うべきこと」を詳しく解説しています。
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まずは情報収集から始めることがマストです。
公務員試験の予備校比較
大手の予備校について、元県庁職員の視点からまとめています。
公務員試験の独学対策
独学で県庁に首席入庁した僕の勉強法などを以下の記事でまとめています。