こんにちは!元公務員のHiroshiです。
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今回は「若手が公務員を辞めること」について取り上げます。
終身雇用・年功序列の色が濃く、安定職の代名詞的な職業である「公務員」。
定年まで勤め上げる人が多い一方で、最近では公務員を早期退職する若手が増えているとのこと。
公務員でも、若手の退職者・退職希望者が最近多くなっているみたいですが、それって自然なことだと思うんですよね。
若手が公務員を辞めるのはごく自然なこと【退職は防げない】
最近では、「新卒の3分の1が、入社した会社を3年以内に辞める」と言われていますよね。
その理由は、「入社前のイメージ」と「入社後の現実」のギャップだったりします。
「公務員だけがそれに当てはまらない」と考える方が変かと。
むしろ、公務員はインターン等がかなりショボく、実際の業務のイメージを掴みづらい職業です。
(説明会やインターンでは、さも素晴らしい仕事のように言われますし笑)
となると、入庁前のイメージと、入庁後の業務に大きな隔たりが生まれて、若手が辞めるきっかけになることも十分考えられますよね。
ギャップの例をあげると、以下の通りです。
- 人の役に立つ仕事がしたくて公務員になった
→実際には、意味があるのかすら不明な書類作りばかり。 - 地元の観光を盛り上げたくて、県庁に入った
→人事異動の希望が通らず、全く関係のない部署での仕事 - 県の企業を育てる政策を作りたいと思って入庁
→政策立案という大変な仕事をやっても給料は変わらない。やる気ゼロ - 公務員は毎日定時で帰れると思ったから、市役所に入った
→ブラック部署に配属され、サービス残業が多くて疲弊
(ちなみに③は僕の例です笑)
公務員の仕事は、外からは実態が見えづらいので、どうしてもギャップが生まれやすいと感じますね。
そして上で書いた「現実」は、公務員の仕事の仕組み上変えることが非常に難しいです。
となると、このミスマッチを事前に防ぐことは不可能に近いと言わざるを得ません。
(→行政側が受験者に、前もってネガティブなことを伝えることはしないので)
今は情報が溢れ、稼ぎ方・価値観が多様化している
上記の「ギャップ」は昔も同じだと思います。
しかし最近になって若手の退職者が増えているのは、「情報」と「時代の潮流」の影響が大きいかと。
今の時代は情報が溢れているので、様々な稼ぎ方や考え方に触れることができます。
価値観も多様化してくるので、「公務員になって安定する」よりも「好きに楽しく生きる」方が魅力的に感じる人も出てくるわけです。
特に公務員は、安定を求めて仕事を選んだ人が圧倒的多数。
しかし、入庁して実際に仕事をしたり、さまざまな情報に触れていく中で、働いてみて価値観が変わるケースも容易に考えられます。
しかし、仕事をしていく中で価値観が変わり、「嫌なことをなるべく排除して楽しく生きること」の優先順位が、安定よりも上がった感じです。
また、時代の潮流に関しても、いまは安定の考え方が変わりつつあります。
- 従来の安定
→大企業や公務員など、組織に身分を保証してもらうことで安定を得る - 現在の安定
→自分のスキル等をもとに収入源を複数作る
上記のとおり。
今は大企業も普通にリストラをしますし、今後は少子高齢化やAIの普及で、公務員もどうなるか分からない時代です。
となると、「公務員は辞めて新しい道に行こう」という若手が増えるのは自然ですよね。
昔であれば、多少ギャップがあっても、公務員でいることのメリットが大きかったのかもしれません。
また、今のように情報が得ることができなかったために、辞めるという選択がなかったのでしょう。
しかし、今ではそれらの障害が非常に小さくなっており、また公務員を続けるのも1つのリスクになっています。
未来ある若手の退職者が増えるのは、当然といえば当然あり、離職を防ぐのは不可能かと。
公務員は優秀な若手ほど辞める?
よく言われるのが、「公務員の若手は優秀な人ほど辞める」ということ。
これについては、正直なんとも言えないですね…
むしろ、かなり平凡な職員でした…
まぁ若手の公務員が辞めると言っても、退職する理由は本当に様々ですからね。
- 人間関係がうまくいかない
- 長時間残業が嫌になった
- 公務員という仕事が合わない
- やりたいことがある
(例えば上記のとおりです)
とはいえ、優秀な人が辞める傾向にあるのは現実としてあると思います。
理由としては、優秀な人は将来を見通しているからです。
前述のように、公務員は将来的には間違いなくジリ貧です。
日本の人口減少・経済衰退と運命を共にすることになりますからね。
人口が減ると経済が衰退します。
そして、経済が衰退すると民間の平均給与も下がります。
公務員の給料は、民間の平均にならって決定されるので、給与水準は将来的に間違いなく下がるでしょう。
また、公務員は仕事の中で、市場で評価されるスキルが身につきません。
副業も禁止なので、スキルアップするモチベーションも湧きづらく、結果として年を重ねるごとに市場価値も下がります。
関連:公務員が行うべきスキルアップとは【将来が明るくなる/転職・独立も視野】
優秀な人は、上記の「公務員の現状や将来性」を踏まえて行動するので、「退職する」という判断をする方も当然出てきます。
→若手であれば転職もしやすいですし、スキルを身につければ公務員の何倍も稼げるので。
とはいえ、将来的な見通し等はすべて分かっていると思いますよ。
関連:若手の官僚(国家公務員)の退職者が増えている話
「優秀な人が辞める傾向にある」ことに関連しますが、実際に若手の官僚に退職者が増えているとのこと。
やはり、官僚になるような優秀な人は、将来的なことまで見通しているのでしょう。
経産省の官僚であれば、自分のキャリアアップにもつながるので、官僚以上の待遇でも転職先がたくさんあるでしょうからね。
また、最近は政治主導の流れが強く、官僚の方々が「国を動かせなくなっている」のもあると思います。
官僚の方は、「国の未来を担いたい」と思って入省するわけですから、当然ギャップも生まれますよね。
優秀な官僚の方々が、自分の裁量で力を発揮できる環境を求めて退職するのも当然と言えます。
【まとめ】若手が公務員をすぐ辞めるのはおかしなことではない
総じて、公務員といっても若手がすぐ辞める・早期退職するのは全くおかしなことではないですよ。
- 入庁前と入庁後のギャップ
- 時代による価値観の変化
主だった理由としてはこのあたりですね。
別に公務員以外でも安定を手にすることはできますし、公務員だからと言って安定とも限らなくなっています。
となると、公務員だからといって「辞めてはいけない」という考えに縛られる方が、よほど非合理的です。
公務員を辞めたい若手の方へ
この記事は、「仕事を辞めたい」と思っている若手公務員の方も読んでいると思います。
色々と悩んでいるかもしれませんが、辞めても別に大丈夫ですよ。
「辞めたらもったいない」と思うかもですが、嫌々続けている方が人生もったいないですからね。
また、「辞めてはいけない」等と周りから言われることも想定されますが、前述のとおり続けるのも1つのリスクです。
【注意点あり】公務員を辞めてはいけない、なんて嘘です【退職した経験から】
「公務員なんて辞めた方がいい」とまでは思いませんが、一度きりの人生です。
どの選択をすれば自分が幸せか、をもとに決断するのがベターかと思われます。
まぁ何も考えずに突然退職すると、「辞めなければよかった」と後悔するかもしれません。
しかし、退職を見据えつつ、転職活動をしたり、スキルアップの勉強をしてみると、いろいろな可能性に出会えますよ。
→やりたいことが見えてくることも十分あり得ます。
辞めたいと悩んでいる方は、とにかく行動してみてください。
いまは毎日が暗いかもしれませんが、アクションを起こした瞬間から、少しずつ未来が明るくなりますよ。