こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今回は、公務員試験の専門試験の対策方法・勉強方法について詳しくまとめていきます。
なお、この記事を書いている僕は、独学で公務員試験に挑み…
- 県庁:受験者約1000人中3位合格・首席入庁
- 国家一般職:最終合格(受験者13,000人中500位程度)
- 特別区Ⅰ類:最終合格(受験者12,000人中100位程度)
という結果を残しました。
「公務員試験を突破したい」「公務員試験の専門試験はどう対策すれば良いのか悩んでいる」といった方の参考になれば幸いです。
公務員試験における「専門試験」の出題科目・出題数
まず、公務員試験の専門試験において、科目ごとの主題数を見ていきましょう。
効率よく勉強を進めるためには、重要な科目(=出題数が多い科目)を重点的に対策することが必要なので、自分が受験する予定の試験の出題科目・出題数を知ることは不可欠です。
なお、試験区分がたくさんある国家公務員総合職と、専門試験が記述式の東京都Ⅰ類の試験の対策については今回は除きます。
国家一般職の専門試験の出題科目・出題数
法律系科目 | 憲法⑤、民法Ⅰ⑤、民法Ⅱ⑤、行政法⑤ |
行政系科目 | 政治学⑤、行政学⑤、社会学⑤、国際関係⑤ |
経済系科目 | ミクロ経済学⑤、マクロ経済学⑤、財政学・経済事情⑤ |
その他 | 経営学⑤、英語基礎⑤、英語一般⑤、心理学⑤、教育学⑤ |
※16科目80問から8科目40問選択解答
国家一般職試験においては、専門試験の配点が教養試験の2倍となっているので、専門試験の対策が非常に重要です。
特別区Ⅰ類の専門試験の出題科目・出題数
法律系科目 | 憲法⑤、民法Ⅰ⑤、民法Ⅱ⑤、行政法⑤ |
行政系科目 | 政治学⑤、行政学⑤、社会学⑤、 |
経済系科目 | ミクロ経済学⑤、マクロ経済学⑤、財政学⑤ |
その他 | 経営学⑤ |
※合計55問から45問選択解答
地方上級の専門試験の出題科目・出題数
地方上級は各地域によって出題科目や出題数が異なります。
今回は全国型・関東型・中部北陸型の3つを取り上げます。
地方上級全国型
法律系科目 | 憲法⑤、民法④、行政法⑤、刑法②、労働法② |
行政系科目 | 政治学②、行政学②、社会政策③、国際関係② |
経済系科目 | ミクロ経済学④、マクロ経済学⑤、財政学③ |
その他 | 経営学② |
※全40問必須解答
地方上級関東型
法律系科目 | 憲法④、民法⑥、行政法⑤、刑法②、労働法② |
行政系科目 | 政治学②、行政学②、社会政策③、国際関係③ |
経済系科目 | ミクロ経済学⑤、マクロ経済学⑦、財政学④、経済政策②、経済史① |
その他 | 経営学② |
※全50問中40問選択解答
地方上級中部・北陸型
法律系科目 | 憲法⑤、民法⑧、行政法⑦、刑法②、労働法② |
行政系科目 | 政治学②、行政学②、社会政策②、社会学②、国際関係② |
経済系科目 | ミクロ経済学④、マクロ経済学④、財政学④、経済政策②、経済事情② |
※全50問中40問選択解答
公務員試験の専門試験において重点的に勉強・対策すべき科目は?
上に書いた「国家一般職」「特別区Ⅰ類」「地方上級」は大多数の公務員志望者が受験する試験だと思われます。
各試験ごとに出題科目や出題数もまちまちなのですが、どの試験にも共通しているのが、憲法・行政法・民法・ミクロ経済学・マクロ経済学のウェイトが大きいということ。
この5科目の出題数を試験ごとに見てみると…
- 国家一般職:30問(40問解答)
- 特別区Ⅰ類:30問(45問解答)
- 地方上級全国型:23問(40問解答)
- 地方上級関東型:27問(40問解答)
- 地方上級中部・北陸型:28問(40問解答)
となっています。
地方上級全国型以外は選択解答式ではあるものの、この5科目の重要度が高いのは言うまでもありません。
逆に言うと、この5科目の対策をきちんとしておけば併願をする際も有利に進められるので、 憲法・行政法・民法・ミクロ経済学・マクロ経済学の対策を重点的に行いましょう。
公務員試験における専門科目の対策・勉強法まとめ
それでは、大きく「法律系科目」「行政系科目」「経済系科目」に分けて、対策・勉強法を書いていきます。
なお、どの科目においても基本的な対策は同じで、
- スーパー過去問ゼミを何周も繰り返し解く
- 直前期には、「過去問500」や模試で総復習
という感じです。
公務員試験の「法律系科目」の勉強法
法律系科目は「憲法」「民法」「行政法」「刑法」「労働法」の5つがあります。
勉強順としては、まず始めに憲法の勉強をし、その後に民法・行政法の勉強をしましょう。
刑法と労働法は後回しでOKです。
憲法の対策・勉強法
憲法は、公務員試験の勉強を始めるにあたって最初に手をつける科目です。
中学校の公民、高校の政治経済と重複する部分が多いので、いきなり「スーパー過去問ゼミ」を使った演習から始めてOKです。
詳しい勉強法は以下の記事をご覧ください。
民法の対策・勉強法
民法は、民法Ⅰ(総論・物権・担保物権)と民法Ⅱ(債権総論・債権各論・家族法)に分かれている科目です。
民法は理解が難しい部分も多いので、民法に触れたことのない方(法学部以外の方)は入門書を読んで「民法がどういう法律か」を理解してから勉強するのがおすすめ。
逆に民法に触れてきた法学部出身者は、問題演習から始めてOKです。
民法の対策方法については、以下の記事で詳しく書いていますので、ぜひご覧ください。
行政法の対策・勉強法
行政法は非常にイメージしづらく、理解が難しい法律なのですが、上で見た通り専門試験においては配点が大きな科目です。
そのため、まずは入門書を読んで、行政法がどのような法律なのかをなんとなく理解してから問題演習に移ると効果的です。
行政法の具体的な対策法については、以下の記事を参照してください。
刑法・労働法の対策・勉強法
刑法と労働法は、地方上級試験でのみ出題されるマイナーな科目。
地方上級試験の受験者はできた方が良いのですが、重要度はかなり低めです。
直前期にチョロっとやる程度でOKかと思います。
また、労働法は割と簡単なので対策する価値は十分にありますが、刑法は難しい割に配点が低いので捨てるのがおすすめ。
詳しくは以下の記事に書いているので、読んでみてください。
公務員試験の「行政系科目」の勉強法
行政系科目は「政治学」「行政学」「社会学」「国際関係」「社会政策」の5科目があります。
これらの行政系科目は、各試験における配点がそこまで大きいわけではないので、逆にどれくらい勉強すべきかが悩ましいところですね。
政治学の対策・勉強法
行政系科目の中では「政治学」の勉強を重点的に行うのがおすすめ。
というのも、行政系科目の中では配点が大きいですし、教養試験の「社会科学」の分野でも出題されることがあるから。
選挙制度や政治思想、政治史などは、中学や高校の勉強でも触れてきた部分なので、勉強もしやすいでしょう。
具体的には、いきなり「スーパー過去問ゼミ」を解いてOKです。
その他の具体的な勉強法については、以下の記事を参照してください。
その他の行政系科目の対策・勉強法
その他の行政系科目に関しては、スーパー過去問ゼミを繰り返し解く等のガッツリした対策をしなくても大丈夫です。
そこまでやっているとどうしても時間が足りなくなるので。
行政系科目の勉強については、「まるごとパスワード」と「速攻の時事」・「速攻の時事 実践トレーニング編」を繰り返し読んでおきましょう。
というのも、「まるごとパスワード」で行政系科目の重要事項はカバーしていますし、行政系科目は時事を絡めた問題が出題されるから。
この2冊を使うことで、行政系科目を効率よくマスターしましょう。
なお、具体的な対策・勉強方法は以下の記事をご覧ください。
公務員試験の「経済系科目」の勉強法
経済系科目は「経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)」と「財政学」「経済政策」「経済事情」の科目があります。
基本的には、配点の大きな経済原論の勉強が最優先。
財政学などの科目については、年明け〜2月くらいに勉強を始めれば十分です。
経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)の対策・学習法
経済原論は上で見た通り、各公務員試験における配点が大きな重要科目です。
勉強方法としては、「スー過去」をフル活用します。
経済原論はグラフや表を自分の手で書きながら勉強すると、かなり頭に入りやすくなるので、スー過去のレジュメ部分を熟読しながら自分で書いてまとめていきましょう。
その後に問題演習という流れを繰り返せばOKです。
経済原論はどうしても理解するのに時間がかかってしまう科目ですし、公務員試験は文系の受験生が多いので、苦手意識を持っている方も多いです。
しかし出題のパターンが決まっているので、着実にやっていけば必ずできるようになる科目でもあります。
経済原論の勉強法については、以下の記事で詳しく書いていますので、あわせてご覧ください。
財政学・経済対策・経済事情の対策・勉強法
財政学・経済対策・経済事情については、経済原論(ミクロ経済学・マクロ経済学)をきちんと理解してから始めましょう。
というのも、経済原論と重複する部分や、経済原論の知識があれば理解しやすくなるテーマも多いから。
また、財政学は試験年度の予算に関する問題が出題されるため、スー過去が毎年改定されます。
そのような事情も考慮すると、この3つの科目の対策は年明け〜2月くらいに始めればOKです。
なお、スー過去の財政学と「速攻の時事」で、経済対策と経済事情の範囲も抑えられるので、経済対策と経済事情については個別の対策は不要かと。
財政学の勉強法については以下の記事に詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。
【公務員試験】専門科目の勉強順は?
以上の通り、専門試験で出題される科目について対策・勉強法をまとめましたが、
と気になる方も多いはず。
専門試験の各科目の勉強順は以下のようにしていくのがおすすめです。
- 法律系科目:憲法→民法→行政法→労働法(刑法)
- 行政系科目:政治学→その他(法律・経済がひと段落してからでOK)
- 経済系科目:ミクロ経済学→マクロ経済学→財政学
基本的には、前述のように憲法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学を勉強します。
その他の勉強については、これらの勉強が進んでからでOKでしょう。
具体的にいうと、上の5科目のスーパー過去問ゼミをそれぞれ2周終えるまでは他の科目には手を出さなくてよいかと。
スー過去を2周くらい終えると、基礎的な力はだいぶ身についているはずなので、満を持して他の科目に手を出しましょう。
なお、さらに踏み込んで具体的な勉強順(目安)を書くならば…
憲法→民法・ミクロ経済学→行政法・マクロ経済学
という流れですね。
とりあえずの導入として憲法の勉強を行い、そこからより踏み込んだ勉強に入っていくという感じです。
このサイクルを2回ほど(余裕があれば3回)繰り返してから、専門科目の他の勉強に入ると、効率的に勉強を進めることができると思います!
まとめ
今回書いた、公務員試験の専門試験の対策・勉強法についてまとめていきます。
- 専門試験の勉強は、配点の大きい「憲法」「民法」「行政法」「ミクロ経済学」「マクロ経済学」を重点的に行う
- 基本的な勉強方法は、「スーパー過去問ゼミ」を解いて解説を理解することの繰り返し。1冊の問題集をやり込むことで定着する
- 重要な5科目の勉強がひと段落してから、サブ的な科目の勉強にうつる
県庁の専門試験で、独学ながら満点を叩き出した僕のノウハウを詰め込みましたので、これから公務員試験を受験する方の参考になれば幸いです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
独学で公務員試験の勉強をする方へ【学習ロードマップ公開中】
独学で勉強をしていると、
「いつ何をすれば良いのかわからない」
「具体的な学習スケジュールの立て方に迷う」
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でも、いざネットで情報を得ようと思っても、ぶっちゃけ参考になりそうな情報って全然ない…
このような、過去の僕と境遇にある方を救うべく、noteにて「独学で公務員試験に合格するためのロードマップ」を作成しました。
- 合格のために必要なマインド【公務員試験の事実から】
- 独学での試験対策における全体の基本方針・戦略
- 1日の勉強のスケジュールの立て方
- 試験対策として使うべき参考書・問題集
- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
価格は500円。コーヒー1杯分ですね。
独学者が悩みがちな学習の指針となるものですし、「自分が受験生の頃に欲しかった教材」をテーマに2万5,000字以上の特大ボリュームでお送りしているので、ぶっちゃけかなりお手頃かと。
あわせて読みたい記事
有料noteのほか、公務員試験に関する情報については当ブログでも発信しています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(こっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。