こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員試験の対策方法は、大きく「予備校」と「独学」の2つ。
ただ独学は、勉強方法・スケジュール・使う教材等があまり体系化されていません。
そこで今回は「独学での公務員試験対策」について、経験からまとめました。
本記事の内容
- 公務員試験に独学で受かるのは無理?←可能です
- 独学での勉強の流れ・いつから始めるべきか
- 独学受験者におすすめの参考書
- 筆記・論文・面接の独学対策方法
- 独学に際してのよくある質問
上記のとおり、独学での勉強のポイントは押さえられるようになっています。
ちなみに、この記事を書いている僕は独学で公務員試験に挑みました。
- 県庁:3位合格・首席入庁(受験者約1,000人)※上が辞退したため
- 特別区:上位合格
- 国家一般職:上位合格
→特別区・国家一般職ともに合格者の上位10%以内
自分で言うのも何ですが、かなり良い成績を残した自負があります。
また、僕のYouTubeの視聴者さんも多数合格しており、信頼性担保につながるかなと。
本記事を参考に、公務員試験対策を始めていただけたら嬉しいです。
5分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
独学での公務員試験合格は無理?←普通に可能です
「独学では無理」との声もありますが、公務員試験は独学で合格できます。
なぜなら、独学でも予備校でもやるべきことは同じだから。
- 問題集を決める
- できるようになるまで問題集を何周も解く
勉強法はシンプルにこれだけです。
予備校に行かないと理解できない類のものではありません。
重要なのは「問題を解き、間違いを直しながら解説を読みこむ」をひたすら繰り返すこと。
そして、1冊の問題集を仕上げることができればOKです。
つまり、独学か予備校は本質ではなく、あくまで「ツール」の話でしかありません。
勉強の本質的な部分は独学と変わりません。
【要注意】独学で受かるには条件がある
ただ、独学で合格するには条件があると考えています。
- 一人でも粘り強く勉強ができること
→独学は孤独。環境も自分で用意する - 主体的に動けること
→戦略面・情報収集・面接対策も自分で行う必要性がある
上記の2つです。
予備校に行けば「勉強に集中できる環境」が用意されます。
- 一緒に勉強する友人
- 自習室
- 参考書・テキスト類
- チューターや講師による相談対応・模擬面接・論文添削など
勉強も続けやすく、かつサポートが充実しているので、あまり困らないはず。
しかし、独学では当然「環境」は与えられません。
自分で自分を律するのが必須である上、勉強以外で必要なこと(戦略・参考書・面接対策)も増えてきます
粘り強さ・主体性がないと、正直合格は厳しいと思いますね。
独学を選ぶ前には自己分析をすべき
したがって、独学を選ぶ際にはしっかりと自己分析をすべきです。
独学も予備校も「ツール」であり、目的=合格は同じ。
お金をケチって自分に合っていない独学を選ぶ→結果的に全落ちしたら本末転倒です。
大きな時間的損失を生み、確実に後悔します。
自分に合う方法で勉強することが、合格のためには必須。
ツールにこだわることには、あまり意味はありません。
ちなみに僕は以下のように自己分析をしました。
- 大学受験も予備校や塾に行かずに合格したので、勉強を続けることには自信があった
- 自治体の情報や面接・集団討論は、色々ググったり、大学の就職課に相談しようと思った
- 予備校で講義を受けるのではなく、自分のペースで勉強したかった
独学の方が自分に合っている&独学に自信があったと思い、独学をチョイス。
予備校の代金=30万円ほども、公務員になれば余裕で回収できる金額です。
独学にこだわりすぎず、自己分析した上で「合格に近づける方法」を選んでください。
関連記事【決定版】公務員予備校の徹底比較。あなたのおすすめはココ!
独学での公務員試験対策の流れ・いつから始めるべきか
独学で公務員試験の勉強を行う際の流れに移ります。
①:受験先の決定・情報収集
まず行うべきが「受験先の決定」および「情報収集」です。
なぜなら、この2つを行わないと必要な勉強が分からないから。
無駄な勉強をしても、全く合格には近づきません
試験の全体像やスケジュールの把握・出題される科目を知ることはマスト。
勉強をスタートさせる前に、受験先を決めて情報収集をしてください。
併願先は第一志望の勉強範囲を考慮しながら後々決めても問題ありません。
必要な情報収集について
- 受験候補となる試験・自治体を調べる
- 試験の全体像:日程・合格までの流れ
- 出題される科目:専門試験の有無
- どんな問題が出るのか
知るべき情報は、主に上記ですね。
情報収集をして初めて「いつまでに何の勉強が必要か」が分かります。
なお、情報収集は以下の冊子で行うのがおすすめ。
- 公務員試験入門ハンドブック(無料)
→公務員試験に必要な情報を網羅。大学生におすすめ - 社会人のための公務員転職ハンドブック(無料)
→社会人に特化した情報収集ができる - 受験ジャーナル
→情報収集をする上での定番書籍
全体像の把握や必要な勉強を知ることができるので、サクッと手に入れてください。
※便宜上、本記事は受験者が多い「地方上級・国家一般レベル」を念頭に書いていきます。
②:勉強開始
情報収集をして必要な勉強がわかったら、いよいよ勉強開始。
その際のポイントが「科目に優先順位をつける」ことです。
公務員試験は科目数が多いものの、配点にはかなりバラつきがあります。
配点の大きな科目を優先的に勉強することは、効率的に点数を伸ばす上でマストです。
配点の小さな科目に時間をかけても、伸びる点なんて微々たるものです。
配点の大きな科目を重点的に勉強することで、全体の点数も伸びる→合格に近づきます。
時間も限られており、すべてを完璧にするのはまず不可能ですし。
なお、どの試験でも配点の大きな科目はだいたい決まっています。
記事の後半ではそれを踏まえた勉強方法・スケジュールを詳しく解説していますよ。
いつから勉強を始めるべき?
公務員試験に合格するには、合計で1,000〜1,500時間の勉強が必要と言われています。
独学でも予備校でも同じですが、試験の1年前から勉強を始めるのがおすすめです。
- ①:長い期間勉強した方が、しっかりと定着する
- ②:他のことと並行して勉強ができる
- ③:勉強がうまくいっていないときに、軌道修正がしやすい
その理由は上記の3点です。
独学で勉強する人には、特に③が重要です。
予備校なら、勉強がうまくいかない時には担当講師が相談に乗ってくれるはず。
しかし、独学受験者はすべて自分で解決する必要があります。
勉強法の試行錯誤・軌道修正には時間が必要です。
独学の人は1年くらいの勉強時間を見ておき、余裕を持って勉強に取り組みましょう。
なお、1年を切っている場合も合格は不可能ではありません。
しかし、勉強がかなり大変になるのを覚悟してください。
- 1年間:1日3時間を毎日継続
- 半年:1日6時間を毎日継続
- 3ヶ月:1日10時間以上を毎日継続
勉強期間が短くなるほど、1日あたりの負担が重くなります。
いきなり10時間も勉強するのは、普通に考えて無理だと思いますね…
具体的な学習スケジュールは、【大学生・社会人】公務員試験の勉強はいつから始めるべき?で書いています。
【公務員試験対策】独学の人におすすめの参考書
続いて買うべき参考書の話です。
後述する勉強・対策方法のところでも触れますが、ここでは選び方の基本を書きます。
基本的に「1つの科目につき1冊」でOK
公務員試験の参考書・問題集は、基本的に「1つの科目につき1冊」で十分です。
というより、買いすぎるのは絶対やめてください。
- どの参考書・問題集もそこまで大差ない
- たくさん買ってもやり切れない
- お金と選ぶ時間が無駄になる
つまり、たくさん購入しても意味がない、場合によってはマイナスなんです。
当然ですが、参考書を買ったからといって点数が上がるわけではありません。
何周もやり込んでこそ、初めて実力として身に付きます。
いろいろ手を出しても、確実に中途半端に終わります。
1つを何周も解いて、問題を見た瞬間に答えが浮かぶレベルで完璧にすべき
知識が定着しない=落ちるので、まずは1冊を何周も解いて完成させてください。
ただ、同じ科目でも役割が違う場合などは例外です。
その都度臨機応変に考えて、その参考書が本当に必要かを見極めましょう。
関連:【公務員試験の参考書】各科目一冊で十分。買いすぎると落ちる!?
「過去問+レジュメ」がセットになった参考書を選ぶべし
問題集・参考書を選ぶ際には、過去問とレジュメがセットのものを選んでください。
- 公務員試験は過去問を解くことがすべて
- インプットとアウトプットが同時にできる
この類の問題集を何周も解いて完成させれば、自ずと実力がつきます。
過去問+レジュメがあればどんな参考書でもOK。
ちなみに僕は定番の「スーパー過去問ゼミ」を使っていました。
ただ、スー過去はボリュームが大きいので、配点の大きな科目以外は不要です。
僕が使った参考書は、公務員試験勉強のおすすめ参考書28選にて全て紹介しています。
【独学で公務員試験対策】筆記試験の勉強法とスケジュール
独学で公務員試験対策について、まずは筆記から書きます。
専門試験・教養試験に分けて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
専門試験の独学勉強法・スケジュール
どの公務員試験でも、憲法・民法・行政法・ミクロ経済学・マクロ経済学」の5科目が配点が大きいです。
当然重要度も高いので、この5科目を中心に勉強していきましょう。
専門試験の具体的な勉強スケジュール
- 6月〜12月:憲法・民法・行政法・ミクロ・マクロ
- 12月〜3月:その他の科目の勉強をスタート
- 3月〜6月:各科目の総仕上げ
最初の半年ほどはボリュームの多い5科目だけに集中し、基礎を固めるのが何より重要です。
試験の年が明けたら、他の科目にも徐々に手を出していきましょう。
専門試験の勉強方法
- スーパー過去問ゼミのレジュメを読み込み、問題を解く
- 何周もする(間違えたところは重点的に)
上記のとおり、いたってシンプルです。
スー過去はどの科目でもレジュメが分かりやすい上、過去問から厳選された良問が多数載っています。
これを完璧にすれば専門試験は問題ありませんので、どんどん解きましょう。
また直前期には、総仕上げとして「過去問500」を解きましょう。
「過去問500」は、各科目の過去問が網羅的に載っている問題集です。
スー過去に載っていない問題も多数あるので、試験直前の確認にぴったり。
僕は「スー過去」と「過去問500」をしっかり解いたので、県庁の専門試験で満点が取れました。
以下の記事にて、専門試験の対策法・科目ごとの勉強法について詳しく書いています。
教養試験の独学勉強法
教養試験は「数的処理」と言われる「数的推理」と「判断推理」が最も重要。
この2つの科目は配点が大きく、また差がつきやすい科目です。
勉強をはじめた日から試験の当日まで勉強をしてください。
数学が苦手でも大丈夫です。
なぜなら、数的処理は「暗記」だから。
数的処理は、出る問題のパターンがかなり決まっています。
- 「畑中敦子シリーズ」で問題の解法を暗記
- 「スー過去」で問題演習を繰り返し、解法を使えるようにする
上記のように勉強すれば、自ずと点数が伸びていくはず。
教養試験の具体的な勉強スケジュール
- 6月〜2月:数的処理(数的推理・判断推理)
- 2月〜6月:数的処理+その他の科目+全体の仕上げ
とにかく数的処理が大事なので、重点的に勉強してください。
逆に言うと、数的処理以外の科目は後回しにしたり捨てたりしても大丈夫です。
以下の記事にて、教養試験の配点をふまえた対策法・科目ごとの勉強法を網羅的に書いています。
捨てても良い科目・しっかり勉強すべき科目にも触れているので、ぜひご覧ください。
独学で公務員試験に合格するための論文対策
論文の学習法に悩む独学者は多いです。
しかし、独学でも論文対策は難しくありません。
なぜなら、公務員試験の論文は論理的におかしくないことを書くだけでOKだから。
- テーマに関する背景の説明
- テーマに関する問題提起
- 問題に対する解決策の提示(根拠・理由を含める)
- まとめ
筋の通った文章構成で、なおかつ正しい知識を使って書くだけで十分及第点です。
論文試験の対策方法
- 論文の基礎や考え方を学ぶ
- 頻出テーマの知識をインプット
- 実際に自分で書いてみて、文章の筋が通っているか・知識が間違っていないか確認する
もちろん添削してもらうに越したことはありません。
しかし、③の確認をしっかり行えば、添削なしでも大丈夫かなと。
試験本番の3ヶ月くらい前から論文の勉強をはじめましょう。
文章の基本・知識のインプットには「無敵の論文メソッド」と「頻出テーマのまとめ方」を使いました。
例題も豊富で実践的な演習もできるので、かなりおすすめです。
論文試験の勉強法は以下の記事で詳しく書いているので、あわせてご覧ください。
独学で公務員試験に合格するための面接対策
独学者が最も不安に感じるのは「面接対策」ですよね。
でもご安心を。
独学でも工夫次第で何とでもなります。
独学での面接対策方法
- 徹底的な自己分析および自己分析をもとにした面接カードの記入
- 本を読んで面接の基本を抑える
- 想定問答集を作る
- 模擬面接(面接練習)をする
中でも大事なのが、「模擬面接」です。
いくら本を読んだり、想定問答集を作っても、実践で活かせないと意味はありません。
本番を想定して模擬面接を行う以外に、面接力を高める方法はないです。
ちなみに僕は大学の就職課にアポを取り、面接練習を3回ほどやってもらいました。
その他、ハローワーク・ジョブカフェ等の国の機関でも面接練習を行ってくれるとのこと。
ぜひ自分で動いてください。
以下の記事では、公務員の面接試験のヒミツや具体的な対策法などを詳しく書いていますので、あわせてご覧ください。
公務員試験・集団討論の独学対策法
集団討論は、通常の面接以上に独学の対策が難しいと感じる方も多いはず。
最もシンプルで、かつ効果的な対策法は「模擬集団討論」です。
自分で実際にやってみることで、討論の流れがつかめます。
またフィードバックをもらうことで、自分の力も高まりますよ。
大学の就職課等では模擬集団討論を実施している場合も多いので、ぜひ参加しましょう。
情報を逃さないためにも、しっかりウォッチしてください!
事前に集団討論の練習ができない場合は、マイナス評価を避ける振る舞いがベスト。
以下の記事にて、対策のポイント等も含めて触れているので、あわせてご覧ください。
独学での公務員試験対策に関してよくある質問
独学で公務員試験対策をする方が気になる点・よくある質問に回答します。
①:独学の人の割合は?
はっきりした数字は分からないのですが、完全独学の人は少なかったですね。
- 大手の公務員予備校
- 大学内の公務員講座
- 公務員試験の通信講座
多くの方が、上記のいずれかを受講していた印象です。
ただ、独学でも合格していた人は普通にいました。
正しい方法で適切な量の勉強をすれば、独学での合格も十分に可能ですよ。
②:独学での公務員試験対策にかかる費用は?
僕の場合は、だいたい8万円ほどでした。
- 参考書・問題集:5万円
- 模擬試験:約1.5万円
- 勉強場所のカフェ代:約2万円
内訳としては上記のとおり。
もちろん個人差はありますが、10万円前後を見込んでおけば良いかなと思います。
③:独学の人も模試は受けるべき?
独学の人も必ず模試を受けてください。
- 自分の現在地を知ることができる
- 自分の苦手が分かり、今後の学習に生かせる
- 直前期に復習をする際のテキストになる
- 実際に会場で受けることで、試験の緊張感を味わえる
上記のメリットが超大きいので、費用以上の効果を得られます。
受ける模試としては、LECやTACといった大手予備校が実施しているものがおすすめ。
予備校生も多数受ける=自分の現在地が分かる上、本番さながらの雰囲気を味わえるので。
ちなみに僕は、TACとLECの校舎で1回ずつ受けました(地方上級レベル)。
自分の第一志望に対応した模試を、最低でも1回受けておくことをおすすめします。
独学での公務員試験対策・まとめ
独学での公務員試験対策方法について書きました。
確かに独学は辛いです。
1,000時間以上もひとりで勉強しないといけませんからね。
辛くないわけがありません。
僕も不安に襲われたり、勉強がもう嫌になったことは何度もありました。
でも、本記事に紹介した方法で諦めずに勉強を続けていけば、必ず合格に近づくはず。
この記事では僕自身の経験から、独学勉強法を網羅的&なるべく体系的にまとめました。
ぜひブックマークして頂いて、何度も読み返してもらえると嬉しく思います。
ぜひ諦めずにがんばってください。
独学で公務員試験に挑む社会人の方へ
公務員に転職を考えている社会人の方は、以下の記事で紹介している無料ガイドブックをぜひ読んでみてください。
忙しい社会人が知っておくべき情報が網羅的に扱われており、かなり役立つはずです。
(ぶっちゃけ大学生にとっても超有益です)
独学で公務員試験の勉強をする方へ【学習ロードマップ】
「独学で公務員試験に合格するためのロードマップ」では、公務員試験合格を目指す上でのより具体的な指針を提供しています。
- 合格のために必要なマインド【公務員試験の事実から】
- 独学での試験対策における全体の基本方針・戦略
- 1日の勉強のスケジュールの立て方
- 試験対策として使うべき参考書・問題集
- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
さらに、僕が実践していたスー過去の活用法などもぜひ見ていただきたいポイントですね。
なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
価格は980円。ランチ1回分ですね。
「自分が受験生の頃に欲しかった教材」をテーマに2万5,000字以上の特大ボリュームでお送りしています。
ぶっちゃけかなりお手頃かと思うので、「学習の指針」としてこの機会にぜひどうぞ。