こんにちは!元公務員のHiroshiです。
いつも当ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
今日は「なぜ公務員試験合格者には高学歴が多いのか」をテーマに取り上げます。
よく「学歴は関係ない」と言われる公務員試験ですが、合格者(=公務員)は高学歴の人が多いです。
となると、これから公務員試験を受ける人などは「本当に学歴で差別されないのか」と心配になってしまうでしょう。
僕の県庁職員時代の知っている職員の学歴なども踏まえながら書いていくので、ぜひ参考にしてくださいね。
【前提】公務員試験に学歴フィルターは存在しない
前提として、公務員試験に学歴フィルターは存在しません。
高学歴だから受かりやすい・低学歴だから合格できない等は一切ないので、安心してください。
なぜなら、公務員試験は点数が高い順に合格していく公平・公正な試験だから。
- 1次試験(筆記)
→一定の点数以下の受験生を落とす - 2次試験(論文・面接)
→最終合格を決める
基本的には上のような2段階で試験が行われるのですが、いずれも客観化された点数によって合否が決定されます。
特に1次試験においては、合格点以下の受験生は、たとえ東大生でも問答無用で落とされるので、学歴が入り込む要素は全くありません。
試験で重視されるのは、本番の試験での点数という「可視化された数値」のみなので、低学歴の方も合格点さえ取ることができればOKですよ。
公務員試験では「学力」・民間では「学歴」が必要
公務員だろうと大手民間だろうと、優秀な人を採用したいと思うのは同じです。
そして募集人員に対して多くの応募が集まり、その中から採用者を選び抜かないといけないのですが、一人一人についてじっくりと吟味する時間がないのも一緒。
では何が違うのかというと、フィルターの掛け方です。
前述のように、公務員は1次の筆記試験によって受験者を大量にふるいにかけます。
そして、1次を通過した限られた人にだけ面接(2次試験)を課して、最終的に合格を決めていくタイプ。
言うなれば、学歴フィルターならぬ「学力」フィルターですね。
一方で民間企業は、一般的に公務員試験のような筆記試験を課すのではなく、「エントリーシート」等によって受験生をふるいにかけます。
しかし、全てのエントリーシートなんて見ることができないので、一定以下の大学の学生のESはそもそも見ません。
これが「学歴フィルター」ですね。
そして、一定以上の学生(=優秀と思われる学生)の中からESや面接を通じて、結果的に採用する学生を決めていくという形をとります。
つまり、公務員と大手民間企業では、第一段階である「優秀と思われる学生」の選抜方法が異なるということです。
なぜ公務員試験合格者には高学歴が多いのか
とはいえ、公務員(=公務員試験合格者)には、高学歴の人が非常に多いです。
ちなみに、僕のいた県庁の同期や先輩、知っている公務員の学歴はだいたい以下のような感じ。
- 東大・京大・一橋:少ない
- 旧帝大などの難関国立大:結構多い
- 中堅クラスの地方国公立大学:最も多い(地元の大学中心)
- 早慶上智:結構多い
- MARCH:結構多い(早慶と同じくらい)
- その他:少ない
ご覧のように、地元の国立やMARCH以上の方が多くを占めていました。
これより下の大学(例:日東駒専など)は、いるにはいましたが数としてはやはり少なかった印象。
つまり、公務員試験合格者は高学歴の方が多くなっているのです。
このように思った方もいるかもしれませんが、それは間違い。
なぜ高学歴の方が多いかというと、高学歴は単純に「学力が高い」からです。
高学歴の人の方が学力がある
高学歴ということは、大学受験にて勉強を続けてきた方々。
つまり、大学受験で培った基礎的な学力がある上、勉強をする習慣もついているため、自ずと筆記試験を突破する学力もつくでしょう。
そうなると、必然的に「学力フィルター」がある1次試験に突破するのは高学歴の人が多くなりますよね。
そして2次試験では、受験者の分母において高学歴の方が数が多くなるのですから、結果として最終合格者(公務員になる人)に高学歴の割合が大きくなるのは当たり前です。
公務員試験では低学歴の人も挽回可能!
とはいえ、1次の筆記試験(=学力フィルター)なんて、所詮は「暗記」です。
なので、低学歴の人でもしっかりと勉強をして、試験の対策を練れば、必ず合格点を取ることができます。
ただ、やはり低学歴であるということは、勉強の習慣がなかったり、基礎的な学力がなかったりするので、スタートラインが低い位置にいることは自覚しないといけません。
とはいえ、学歴関係なく高い社会的地位・安定した収入を得ることができるのですから、頑張る価値は大いにありますよ。
Q.なぜ県庁等の面接カードでは、学歴を書く欄があるのか
この指摘はごもっとも。
学歴が全く関係ない(と自治体側も言っている)ならば、公平を期すためにも隠すべきでしょう。
ただ、いずれにせよあまり影響はないと僕は思います。
確かに学歴が分かることによって、面接官の心象に影響することは少なからずあるでしょう。
面接官も「人」ですからね。
でも、その心象が合否を決める上での決定的な要因にはならないでしょうね。
面接を進めていくうちに受験生のことは分かってくるものですし、むしろ高学歴の人の面接がひどいと、必要以上に悪い印象を与える恐れもあることも否定できませんので。
まぁ面接官の方も、「偏差値と仕事の出来不出来が必ずしも一致しない」ことはよく分かっていますからね。
逆に、たとえ低学歴の方の場合でも、面接がしっかりできれば、(最初の印象が良いと思われる)高学歴の人を追い抜くことはいくらでも可能です。
「学歴はそこまでじゃなくても仕事ができる人」は公務員の中にいくらでもいるので、面接官としても学歴はさほど気にするポイントではありません。
1次試験を通過しているということは、公務員として必要な知識・学力を持っていることと同義。
なので、面接カードに学歴を記載する欄があるからといって、学歴が試験の結果に大きく影響することはないと考えるのが自然でしょう。
まとめ。公務員試験は学歴なんて気にする必要なし。とにかく勉強しよう
今回の内容をまとめておきます。
- 公務員試験の筆記試験においては学歴は関係ない
- 筆記はいわば「学力フィルター」であり、合格点に達しなければどんな高学歴でも落とされる
- なぜ公務員に高学歴が多いのかというと、高学歴の人の方が学習するスタートラインが高い上、勉強する習慣を持っている可能性が高いから
- そして学力フィルターである筆記を通過しやすくなり、2次試験の分母で高学歴の割合が大きくなるため、結果として試験に合格する人が多くなる
- 面接試験においても、学歴が及ぼす影響は小さい
公務員試験には学歴が関係しないということがお分かりいただけたかと思います。
公務員試験では、本番での「点数」が全て。
学歴なんて気にしているだけ時間の無駄なので、ゴリゴリ勉強をしていきましょう!
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独学で勉強をする方向けに書いた、独学の勉強・対策法のまとめ記事はこちら(独学で県庁に首席入庁した僕のノウハウです)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。
なお、社会人の方が公務員に転職しようと考えた場合、以下の記事で紹介しているガイドブック(無料)は必読です。