こんにちは!元公務員のHiroshiです。
勝ち組って言われているし、公務員になれば間違いないでしょ。
文系の大学生の中には、上記のような考えを持っている方も少なくないと思います。
しかし、その考えは非常に危険です。
今では身をもってその考えの浅はかさを痛感しています…
本記事の内容
- 文系公務員が勝ち組と言われる3つの理由
- 公務員を考えている文系大学生、元公務員の僕が伝えたいこと
この記事を書いている僕は、新卒で入庁した県庁を2年で退職した元公務員です。
僕自身も学生時代に「とりあえず公務員」と考えて公務員を目指しました。
その失敗談をふまえてお話しができるので、公務員を考えている学生の方にとって参考になる部分があるはず。
3分ほどで読めますので、ぜひ最後までお付き合いください。
【前提】文系公務員といっても種類はいろいろ
そもそも、一言で「公務員」といっても種類はいろいろあります。
とはいえ、大半の方が「公務員」として想像するのは、おそらく「役所の職員」でしょう。
しかし、「役所の職員」といっても色々です。
- 国家公務員(総合職・一般職)
- 裁判所事務官(総合職・一般職)
- 国税専門官
- 財務専門官
- 労働基準監督官
- 都道府県庁職員
- 市役所職員
上記のとおり。
なお、国家総合職・一般職や都道府県庁職員、市役所職員などの中にはいろいろな「職種」があります。
しかし、文系の大学生は基本的に事務系(=行政職)になると思われます。
事務系の公務員になる理系の方は一定数いますが、技術職の公務員になる文系の方は聞いたことがありません。
文系公務員が勝ち組の職業と言われる3つの理由
なぜ、文系公務員は勝ち組と言われるのか。
その理由は以下の3つかと思われます。
- 精神的なプレッシャーが比較的少ない
- 平均以上のそれなりの給料。年功序列で毎年昇給
- 充実の福利厚生・雇用の安定
僕が公務員として働き、そして公務員を辞めた経験に基づいたものです。
理由①:精神的なプレッシャーが比較的少ない
公務員は、基本的に精神的プレッシャーは少なめです。
なぜなら、ノルマがない上、仕事で成果を出さなくても給料が上がっていくから。
もちろん仕事は大変で、ストレスがたまることはあります。
- 上への忖度
- 議会対応
- 他の部署や外部との調整・交渉業務
例えばこの辺の業務は、精神的にも肉体的にも骨の折れる作業です。
それでも、別に「成果を出さなかったら給料やボーナスに響く」とかは一切ナシ。
また大変な仕事といっても、決められた手続きにしたがって頑張ればなんとかなる、という感じです。
相対的に考えて、メンタル的には間違いなく楽かなと。
一方、民間は基本的に違いますよね。
特に文系の方が多く就く「営業系」だと尚更です。
結果を出せないと給料やボーナスに響きますし、周りからの風当たりが強くなる怖れもあります(利益を出してナンボですからね)。
となると、必然的に仕事でのプレッシャーが大きくなるでしょう。
しかし客観的に見て、民間の方がシビアでプレッシャーが強いのは、間違いないと感じます。
理由②:給料は平均以上。年功序列で毎年昇給
2つ目がお金です。
公務員の給料は決して高いわけではありませんが、それなりの水準です。
具体的な金額を言うと、30歳500万・40歳650万といったところ(自治体の規模や残業時間によって変わりますが)。
この金額は、民間の平均給与に比べると高めです。
民間の平均給与について
全体 | 男性 | 女性 | |
全体 | 432万円 | 532万円 | 287万円 |
正規 | 494万円 | 540万円 | 377万円 |
非正規 | 175万円 | 228万円 | 151万円 |
-出典:平成29年民間給与実態統計調査
上記のとおり。
大手やベンチャーには負けますが、全体の平均からすると、公務員の収入は高めだと言えるでしょう。
そして、公務員は毎年昇給していきます。
仕事が全然できない人であっても、です。
そのため、たとえ仕事をサボっている職員でも、最終的な年収は700万〜800万円には到達しますね。
仕事のプレッシャーも少なくて、毎年昇給するんですから、「文系公務員は勝ち組」と言われるのも理解できます。
(以下の記事に公務員の給料をまとめています)
理由③:充実の福利厚生・雇用の安定
3つ目は給料や仕事内容以外の部分。
公務員は客観的に見て、福利厚生がかなり充実しています。
- 基本的に土日祝日は休み
- 休みがとりやすい(有給休暇・夏季休暇・年末年始休暇)
- 子育てがしやすい(出産休暇・育児休暇)←男性も
- 病気休暇:給料を満額もらいながら3ヶ月休める
- 高い社会的な信頼(←福利厚生ではないけど)
上記のとおり。
公務員という「身分」さえあれば、私生活の面でも多くのメリットがあります。
雇用の安定性も抜群。
よく言われるとおり、公務員はクビになりません(法を犯せば別ですが)。
リストラもない&給料も上がっていくので、長きにわたって安定した生活が可能です。
安定していない時代にあって、公務員の安定性は際立っています。
客観的に見て、公務員の福利厚生・安定性が高いのは事実。
だからこそ、文系公務員=勝ち組と言われるのも納得できます。
公務員を考えている文系大学生に、元県庁職員の僕が伝えたいこと【勝ち組とは限らない】
ここまで書いてきたように、公務員はかなり恵まれています。
在職中も「恵まれた職業だな」と感じていましたし、退職後はその思いがより強くなりました。
別にやりたいこともないし、公務員になって安定した生活がしたい。
このように考える人も多いと思いますが、少し立ち止まって欲しい。
公務員を考えている文系大学生に伝えたいことが、2つほどあります。
幸せに生きられる人が「勝ち組」です
勝ち組や負け組って、お金や安定、社会的地位で判断しがちです。
でも、たとえ安定した収入や社会的な信頼がある職業に就いても、自分が幸せだと感じられなかったら、それは勝ち組とは言えないのではないでしょうか?
正直、公務員の業務は無駄も多いですし、巨大組織の1つの駒として動くのはキツい部分もあります。
僕は県庁2年目のとき、公務員の仕事内容・やり方に対して強烈な違和感を抱いていました。
- なんでこの仕事をやるんだろう?どう考えたって無駄でしょ?
- なんで「誰が言ったか」ばかりが重視されるんだろう?
- ここまで上に忖度しないといけないの?
- 頑張っても給料が上がらないのに、頑張る意味がわからない
この違和感を抱いたまま仕事を続けていた結果、抑うつ状態と診断されて病気休暇へ。
このときに「世間的には勝ち組でも、自分が幸せじゃなかったら勝ち組じゃない」と悟ったんですよね。
そして県庁を退職。
退職後はフリーでIT系の仕事をしていますが、最初は結果が出なかったので、公務員時代から収入は大幅に減りました。
それでも、自分の好きなことをやっていますし、日々自分の判断で試行錯誤ができるので、全然苦じゃないんですよね。
世間的には転落したかもですが、僕自身は公務員時代よりも圧倒的に仕事が楽しいので、別に負け組とかは思っていません。
(いまでは県庁時代よりも収入は全然多いです)
自分が興味を持てない仕事・やる意味がわからない仕事をするのは本当にキツいです。
「文系公務員=勝ち組」と思って公務員になったは良いものの、仕事内容に苦しむ可能性も普通にあります。
たとえ世間的には恵まれた仕事でも、ご自身が苦しい思いをしていたら、それは勝ち組とは言えません。
「自分が人生の中で大事にしたいこと何か」「公務員になれば本当に幸せな生活が送れるか」をしっかり考えてください。
「やりたいことがないからとりあえず公務員」はやめるべき
文系の大学生の中には「やりたいことがないから公務員になる」方もいると思います。
しかし、それはマジでやめた方が良いです。
「やりたいことがないから」という後ろ向きな理由だと、単純にモチベーションも上がらないし、続かない可能性もあります。
仕事をしていても「なんか違う…」という感じ。
そしてその違和感は、年々積み重なっていきます。
自分に向いていないと感じる仕事をするのは、かなり辛いですよ。
そして「やりたいことがない」理由は、何もしていないからです。
何もしていない状態は、裏を返せば可能性が広がっている状態だと言えます。
自分がやりたいと思えること、力を発揮できるフィールドがあるかもしれないのに、安易に公務員を選ぶのはもったいないです。
安定以外・安定+αの理由や、やりたいことがあって公務員になるのはもちろんOK。
しかし、「やりたいことがないから」という消極的な理由で公務員になるのは、マジですすめません。
公務員=勝ち組じゃない。文系大学生は行動してみよう
「とりあえず公務員」と考えている文系の大学生も多いと思いますが、まずは視野を広げて行動してみましょう。
- プログラミングの勉強を始めてみる
- 英語をガチで勉強してみる
- ブログを作って記事を書いてみる
- YouTubeチャンネルを作って発信してみる
- 民間就活・インターンをやってみる
- 公務員について深く調べてみる(予備校の無料相談など)
「つまらない」「なんか違うな」と思ったらやめてOKです。
でも、やってみて「面白い」と思えるものが1つくらいあるはず。
そして面白いと思ったものがあったら、それを継続してみてください。
思わぬ成果が出たり、それを軸にした職業選びができたりしますよ。
ちなみに、上の例でいうと…
- プログラミングの勉強
→個人でエンジニアとして仕事/IT系の会社に就職 - 英語をガチで勉強
→英語を使う仕事(たくさんあります)に就く - ブログを作って記事を書く
→ブロガーとして収入を得る/Webマーケティング会社に就職 - YouTubeチャンネルを作って発信
→YouTuberとして収入/動画編集で収入/映像制作会社へ就職 - 民間就活・インターン
→入りたいと思う会社が見つかるかも - 公務員について深く調べる
→公務員としてやりたい仕事が見つかるかも
こんな感じ。
ブログやYouTubeなどは、一見仕事とは関係のないように見えます。
しかし、続けるうちにスキルが伸びるので、そこからは色々な可能性が広がっていますよ。
公務員時代もブログを書いており、Webマーケティングを勉強しつつ記事を書いていく面白さにハマりましたね。
そして徐々に結果も出てきて、いまや収入の柱となっています。
一般的に、公務員が魅力的な仕事であるのは間違いありません。
しかし、だからとって勝ち組とは限りません。
公務員の仕事が合わない・嫌だと感じる可能性も十分あり、そうなったら幸せではないですよね。
自分のやりたいことを見つけて、仕事にした方が人生充実しますし、幸せに過ごせます。
文系大学生の方は安易に公務員を目指すのではなく、自分の可能性を探ってみてください。
以下にリンクを貼っておくので、ぜひこれを機に、今すぐ行動してみてみましょう。
もしかしたら、自分が知らない自分に出会えるかもしれませんよ。
プログラミング学習について
(以下の記事でプログラミング学習ツールの紹介しています)
https://public-allabout.com/koumuin-programing
ブログ開設について
(以下の記事でブログの作り方を解説しています)
YouTube・動画編集について
(動画編集の勉強方法を解説しています)
https://public-allabout.com/movie-edit/
民間就活について
(以下の記事で公務員試験受験者でも使える就活サイトを紹介しています)
公務員に関するリサーチについて
(予備校への資料請求・無料相談がおすすめです)