公務員の仕事のリアル

公務員の残業代はちゃんと出るの?データとリアルな実情を解説

こんにちは!元公務員のHiroshiです。

今日は「公務員ってちゃんと残業代が出るの?」というテーマについて、実際のデータと僕の県庁時代の経験を踏まえて書いていきます。

公務員になろうかなと考えている方にとっては重要なことかと思いますので、是非参考にしていただけたらと思います。

地方公務員(県庁・市役所)の残業代って月にいくら?

公務員の場合、残業代は「時間外勤務手当」という名称で支給されます。

この時間外勤務手当が毎月どれくらい支給されるかについては、各都道府県・市町村ごとに、総務省が発表している「地方公務員給与実態調査」に記載されています。

その調査結果によると、地方公務員の毎月の残業代の平均(平成29年)は…

  • 都道府県:30,753円
  • 政令指定都市:40,325円

になっています。

 

これはあくまで平均値ですので、各都道府県や政令指定都市によってバラつきも勿論あります。

※都道府県:第1位が徳島県(51,600円)、第47位が長野県(14,100円)
※政令指定都市:第1位が名古屋市(55,600円)、第20位が北九州市(26,000円)

なお、全国の各市区町村についても詳細なデータが出ているのですが、数があまりに多いため割愛させていただきます。

ちなみにですが、人口が多い市区町村ほど、時間外勤務手当の額が多い傾向がありました。

公務員の残業代の計算方法

公務員の残業代の計算方法

公務員の残業代(時間外勤務手当)は、基本給をベースにした「時給」と、残業をした「時間帯」によって決められます。

残業代の時間単価
  • 平日:時給 × 1.25
  • 平日22時以降:時給 × 1.5
  • 休日:時給 × 1.35

おおまかに言うとこんな感じ。

この「基本給」というのは、役職や年齢が上がっていくごとに高くなるので、年功序列の公務員では、年齢が上がれば上がるほど残業代で稼ぎやすくなる仕組みです。

なお、課長級以上になると残業代がなくなります(代わりに「管理職手当」が支給)。

ただ、管理職手当はそんなにたくさんもらえるわけではないので、ぶっちゃけ年齢が高い非管理職が最も稼ぎやすい(残業代の時間単価が高いから)と言えるでしょう。

残業代から公務員(県庁)の月の残業時間を計算すると…

残業代から公務員(県庁)の月の残業時間を計算すると…

残業代(時間外勤務手当)の金額から、県庁の月の残業時間をざっと計算してみます。

  • 時間外勤務手当:30,753円
  • 県庁職員の基本給(全国平均):35万4,777円
  • 月間労働時間:176時間
  • 平均時給:2,015円(基本給÷労働時間)
  • 割増率:125%

とすると、残業時間は…

30,753÷(2,015×1.25)≒ 12.2(時間)

になります。

つまり、県庁の残業代から残業時間を求めると、月に約12時間程度であると言えますね。

地方公務員の定時は8時30分〜17時15分なので、平均して18時くらいには帰れるという計算です。

公務員はサービス残業をしている?【残業代から考える】

残業代からふまえたデータでは、地方公務員(県庁)では18時ごろには帰れます。

しかし実際には、本庁で18時に帰る職員は非常に少ないです。

僕は本庁の中でもそこまで忙しくはない部署(産業振興系)にいましたが、課の大半の人が20時くらいまでは残業していましたね。

中には日付が変わるまで仕事をしている方も。

 

出先期間の職員の場合は定時で帰れる方も多いですが、すべての職員の残業時間をならしてとしても、全体的に平均して18時くらいに帰っているというデータはあり得ないかなと。

つまり、多くの公務員がサービス残業をしているということです。

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公務員の残業代が実際よりも少ない理由

公務員の残業代が実際よりも少ない理由

公務員の場合、残業は事前または事後にシステムで申請(起案)をして、決裁権者(課長など)が承認すれば出る仕組みです。

承認されたのに残業代が出なかったということは、僕は一度もありませんでした。

にもかかわらず、なぜ残業代が実際の残業時間よりも少ない(=サービス残業が多くなっている)のか、僕の体験を交えて書いていきます。

数時間の残業では申請をしない風潮がある

自治体にもよるところではありますが、僕のいた県庁では、「長時間(3時間以上)残業をしないと、残業代を申請してはいけない」という風潮や不文律のようなものがありました。

 

県庁に入庁した直後のある日、僕は2時間程度残業をして7時30分頃に退庁しました。

僕はもちろん、「2時間も残って頑張ったのだから」と残業申請を入力。

しかし後日、上司から以下のことを告げられました。

  • 2時間くらいの残業の場合、普通は時間外勤務手当の申請はしない
  • 3時間以上残業した時に、時間外勤務は申請するように
  • 深夜まで残った場合でも、時間外勤務をしたのは22時頃までという感じで申請して

そして、僕が出した残業申請は差し戻し(却下)されるという結果に。

これ以来、「定時で帰れる時は早く帰る、残る時はガッツリ残る」と心に決めました(笑)。

 

自治体や部署にもよりますが、このような不文律がある場合が少なくないのだと考えられます。

部下の残業時間が長いと上司の査定にも響きますしね。

ノー残業デーには残業代が出ない

多くの自治体には「ノー残業デー」というものがあります。昨今の働き方改革の影響ですね。

おそらく水曜日と金曜日の週2日が「ノー残業デー」になっている自治体が多いと思います。

この「ノー残業デー」は、基本的に残業代が出ません

(正確に言うと残業申請が承認されれば出るのですが、決裁権者がさらに普段よりも上の人になったりするので、申請しないようにと言われます)

 

しかし、「ノー残業デーだから仕事が減る」という訳ではありませんよね。

そのため、ノー残業デーでも多くの職員がいつものように残業しています(早く帰る職員も普段よりは多いですが)。

つまり、「ノー残業デー」は実質的に「ノー残業代デー」ということなのです。

公務員の残業代には予算上の制約がある

公務員の残業代は、各課に割り振られた予算の範囲内でしか出ません。

どんなに残業をしても、残業代として支給するお金がないと払いようがありませんよね。

そのため、残業を申請せずに、サービス残業を行なっている人も多いのでしょう。

「数時間の残業では残業申請しない」「深夜まで残業した場合にも残業時間を短めにして申請する」という不文律も、この予算上の制約によるところが大きいです。

なお、この予算は自治体や部署によって大きく異なるものなので、お金持ちの自治体や予算が多く割り振られている部署(財政課や土木関係部署)は残業代がたくさんもらえます。

人口が多く、財源も豊かな政令指定都市の残業代が、自治体間の格差の大きな都道府県庁の残業代よりも多いのはそのためです。

【公務員の残業代】最近はしっかり出る傾向になっている場合も

【公務員の残業代】最近はしっかり出る傾向になっている場合も

ただ、昨今の働き方改革の影響により、しっかりと残業代が出る傾向が強くなっています。

実際に僕がいた県庁においても、人事課から以下のようなお達しが全職員に来ていました。

  • 残業代(時間外勤務手当)はしっかりと申請するように
  • 残業代の予算が足りなくなりそうな時には、課の総務担当が財政課へ相談するように

このように、全庁的に「残業代を出しましょう」という風潮が強くなってくると、残業代の申請をしやすい空気になりますよね。

前述のように、公務員の残業代は予算が決まっているがゆえに「自主規制すべき」という感じでしたので、これが緩和されてくる可能性が高まると思います。

もちろん自治体や上司によって異なることは考えられますが、これから公務員になる方は、ある程度期待してよいでしょう(笑)。

ただ、残業時間や残業代があまりにも多いと、上司からの指導やが入ります。

場合によっては、業務量の見直しや人事課との面談が入る場合もありますね。

残業代の財源が税金である以上、あまりにも多くの残業代を払うのは問題ですし、業務量が多いと職員が潰れる可能性が高まるので。

まとめ

今回書いた、公務員の残業代事情についてまとめていきます。

  • 地方公務員の残業代は月に3万円〜4万円程度(月12時間ほど)
  • しかし実際には、サービス残業が多くなっている
  • サービス残業が多いのには、予算上の制約やノー残業デー、残業を申請する上でのルール等が影響している
  • ただ、最近は改善傾向にある場合も。

世間ではホワイトと言われている公務員ですが、残業事情は意外と厳しいです。

とはいえ、最近の働き方改革の影響から「しっかりと残業申請をしましょう」という流れも根強くなってきています。

公務員になろうと思っている方はそこまで心配しなくて大丈夫かと。

今回は以上になります。ありがとうございました。

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