こんにちは!元公務員のHiroshiです。
もしも本当なら公務員を目指そうかな
公務員の仕事については「残業なしで定時帰り」や、逆に「残業だらけでブラック」など、様々な声が飛び交っています。
公務員になろうと思っている方は、「本当はどっちなのか?」と疑問に思いますよね。
そこで今回は、「公務員は残業なしで定時帰り」が本当かについて、元県庁職員の経験からお話していきます。
この記事を読むことで、公務員の残業事情のリアルな部分がわかります。
公務員を考えている学生・社会人の方にとって、将来を決める上での1つの参考になるはずです。
なお先に少し結論をいうと、「残業なし」は難しいかもしれませんが、公務員は総じてホワイトです。
公務員は残業なしで楽すぎ?←人と時期による
まず「公務員は残業なし&定時帰りで楽すぎなのか」から。
これは「人」と「時期」によるので一概には言えません。
つまり、同じ自治体・職種の「公務員」と言っても、残業事情は大きく違うんです。
リアルにこんな感じ。
残業を左右する「人」と「時期」によって詳しく見ていきます。
①:「人」による部分
まずは「人」による部分から。
- 部署:忙しい部署から暇な部署まで様々
- 個人の担当業務:同じ課・同じ係でも、人によって残業事情が様々
部署は分かりやすいですよね。
部署によって忙しさが全然違うので、忙しい部署は残業が多くなり、逆に暇な部署は残業なしで帰れます。
ただ、同じ部署でも個人によって残業事情が異なります。
公務員は、同じ部署・同じ係でも個人によって担当業務・事業がバラバラです。
担当業務・事業が違えば、事業の進捗やトラブル発生の有無によって忙しさなども当然変わってきます。
となると、「隣の席の人と残業時間が全然違う」なんてことも起こり得るんですよね。
②:「時期」による部分
続いて「時期」について。
これは簡単に言うと「繁忙期」と「閑散期」です。
公務員の仕事は、時期によって忙しさに結構波があります。
業務が落ち着いている時期には、残業なしで定時帰りできることが多いですが、繁忙期は残業が増えますね。
ちなみに、繁忙期の例は以下です。
- 議会会期中:自分の担当業務に関する質問があると、答弁書や資料の作成で忙しくなる
- 予算編成期:上への説明・財政課とのバトルで忙しくなる
- その他:業務で突発的なトラブルが行った時→対応で忙しくなる
特に議会と予算の時期は、残業をする職員が増えます。
さらに時期に関連しますが、「年」によっても残業時間は変わりますね。
たとえ前年まで暇な場合でも、突発的なトラブルや災害によって一気に残業が増えることも。
分かりやすい例が「新型コロナウィルス」です。
コロナ対応で保健所が疲弊しているニュースをよく耳にしますが、本来保健所はそこまで忙しいわけではないんですよね。
ここまで見た通り、公務員の残業事情は様々な事情に左右されます。
なので、残業なしで定時帰りができるかどうかは、運による部分がかなり大きいですね。
補足:ノー残業デーもある
補足として、公務員には「ノー残業デー」があります。
毎週水曜日か金曜日、またはその両方がノー残業デーに設定され、定時退庁するように促されます。
このノー残業デーは、残業代の申請が普段より面倒だったりするので、多くの方が早めに帰っていました。
公務員の詳しい残業事情について【残業なしはどこ?】
前述のとおり、公務員の残業については一概に言えない部分がかなり多いです。
ただ、職種や部署ごとの傾向を伝えることはできるので、以下でより詳しく見ていきます。
本府省勤務の国家公務員は超忙しい…
よく言われる通り、本府省勤務の国家公務員は激務です。
公務員の中で、残業は間違いなくトップクラスに多いですね。
僕は地方公務員だったので、正直くわしいことは分かりません。
でも、やはり絶対的な業務量も多いでしょうし、年間を通して国会対応があるので、大変なのは容易に想像できます。
地方公務員も本庁は総じて忙しめ
地方公務員も「本庁」は総じて忙しいところが多いですね。
基本的には定時帰りできる人は少なく、多くの方が多少なりとも残業している印象です。
ただ、本庁の中でも残業時間にはかなり差があります。
- 激務部署:10時過ぎまで残業が普通。繁忙期は朝まで(休日出勤も)
- 普通の部署:7〜8時くらいが平均退庁時間(あくまで体感ですが)
- 暇な部署:ほぼ毎日定時帰り
前述のとおり、時期や個人によっても差は出ますが、目安は上記のとおり。
ちなみに、「激務部署」は財政課・人事課・秘書課など、中枢に近い部署が該当するケースが多いです。
中枢を経験せずに出世することはあり得ないので、出世したい方は必然的に残業が必要になりますね。。
また、本庁にも暇な部署が一定数あるのも事実です。
本庁でも、6時過ぎにはほぼ全員帰っているような部署もありますね。
出先は暇なところが多い
一方で、出先機関は暇なところが多いです(あくまで行政職の場合ですが)。
ちなみに、本庁と出先の違いは以下のイメージ。
- 本庁:全体の管理・連絡調整など
- 出先:現場仕事
出先は仕事の量も少なめですし、ある程度ルーチンワークなので楽とよく言われます。
実際、出先にいた同期の多くが「暇で毎日定時帰り」と言っていましたね(笑)。
そして、出先の業務量が少ない=残業が少ないのは、以下の要因が大きいです。
- トラブルが起きても、解決策を考えるのは本庁
→管理は本庁側なので、出先はある程度丸投げできる - 議会対応がない
→出先は本庁側に頼まれた資料を用意する程度 - 予算編成もない
→出先は本庁側に頼まれた資料を用意する程度
本庁の忙しさを構成しているものが出先にはない分、必然的に残業は少なくなりますね。
もちろん出先でも忙しい時はありますが、相対的に「残業なしの定時帰り」を実現できる可能性が高そうです。
公務員は残業代はきちんと出るのか【サービス残業?】
残業時間に関連して、残業代の話です。
残業が多少あるのは仕方ないとしても、残業代がきちんと出なかったらキツいですよね。
実情をお伝えします。
※残業代については、公務員の残業代はちゃんと出るの?データとリアルな実情を解説で詳しく書いています。
残業代は予算の上限まで←サービス残業も
公務員の残業代は、各課に予算が割り振られていて、その予算内で支給されます。
つまり、予算の上限を超えてしまったら残業代は出ず、必然的にサービス残業になります。。
なお、公務員の残業は自己申告制(申請をして上に承認をもらう)なのですが、予算の上限があるため、以下が起こることも。
- 残業代の申請をしない
- 残業申請を承認してもらえない
(→上司によってはあるみたいです)
公務員は労基が入ることもないので、サービス残業が生じやすいのは否めませんね。。
※お金のある自治体では、PCの電源やセキュリティゲートで残業を管理している場合もあります(特別区職員の友人が言っていました)
地方公務員給与実態調査によると、地方公務員の残業代は以下になっています。
- 都道府県:30,753円
- 政令指定都市:40,325円
基本給や残業代から月の平均残業時間を計算すると、およそ12時間(1日30分ちょっと)。
全職員が平均して6時に帰っているのは少し考えられないので、多少なりともサービス残業があるのだと推測できます。
でも近年は改善傾向にある
こんな不安を持った方もいると思いますが、近年は働き方改革の影響で大幅に改善傾向にあります。
そもそもの残業時間を減らそうという風潮もありますし、残業代をきちんと支給する動きも。
僕自身も、残業代を申請して通らなかったことは一度もありませんね。
昔は残業事情が厳しかったみたいですが、今はかなり良くなっています。
上司や自治体によるところもありますが、これから公務員になる人は、そこまで心配しなくて大丈夫だと思いますよ。
(全体として残業自体を減らす傾向が強いので、残業代で稼ぎたい人にとっては逆に厳しいかもです笑)
【まとめ】公務員は残業なしで楽すぎ?←人によるけど総じてホワイト
「公務員は残業なしで楽すぎなのか」について書きました。
本記事で見たとおり、公務員といっても残業時間はかなり個人差がありますね。
そしてトータルで見ても、「残業が全くナシ・毎日定時帰り」は少し厳しいかなと思います。
とはいえ、そこまでブラックではないので安心して大丈夫ですよ。
もちろん激務部署もありますが、公務員は異動が多いので、別にずっと激務なわけではありません。
残業代は予算の制約がありますが、激務部署は残業代の予算をたくさん持っています
また、最近は残業事情も改善傾向。
残業を減らす風潮もありますし、残業代も申請すればしっかり出る可能性が高いです。
よく「公務員はサービス残業ばかりでブラック」との文言も見るかもですが、あまり間に受けない方が良いですよ。笑
本記事が、将来的に公務員を考えている方の参考になれば幸いです!
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