こんにちは!元公務員のHiroshiです。
実際に合格した人の経験から話が聞きたい
このクラスの公務員になりたいけど、やっぱり市役所とかに比べると厳しいのかな…
地方上級とは、都道府県庁・政令市・特別区などの大卒程度の公務員試験の総称です。
狙う人たちも多く、また一般的には難易度も相応に高いと言われています。
しかし、僕自身の経験から言うと、地方上級の難易度にビビる必要は全くなく、むしろ結構簡単です。
本記事の内容
- 地方上級試験のリアルな難易度・難しさ
- 地方上級に合格するための勉強法
この記事を書いている僕は、地方上級の公務員試験を受け、県庁に首席入庁した経歴を持つ元公務員です。
経験をもとに、より実りのある話ができると思うので、ぜひ最後までお付き合いください。
Contents
【地方上級の難易度】難しすぎる?←実は結構簡単です

地方上級の公務員試験は、よく「難易度が高い」「難しい」と言われます。
しかし僕の経験から言うと、別に難しくないです。
なんなら、結構簡単で受かりやすい部類だと思います。
その理由は以下の2つです。
- 科目や問題のレベル
- 試験の方式
①:科目・問題レベル【6割でOK】
1つ目が問題のレベルと科目。
教養試験・専門試験の両方とも基本的な問題が大半ですし、ほぼ全ての試験で選択式です。
過去問の焼き増し的な問題も多く、対策も比較的容易なので、別に難しくありません。
各試験の科目について、以下で詳しく見てみます。
教養試験の科目
文章理解 | 現代文や英語の読解問題 |
数的処理 | 数的推理・判断推理・資料解釈 |
社会科学 | 政治経済・時事 |
人文科学 | 日本史・世界史・地理・思想等 |
自然科学 | 生物・物理・化学等 |
※文章理解と数的処理の配点が高めになっています。
教養試験の科目は上記のとおり。
「高校レベルの英国数社理の知識が問われる」認識でOKですね。
センターレベルの問題で6割取れればOKなので、ちゃんと勉強すれば難しくありませんね。
専門試験の科目
行政系科目 | 政治学・行政学・国際関係・社会政策など |
法律系科目 | 憲法・民法・行政法・労働法など |
経済系科目 | ミクロ経済学・マクロ経済学・財政学等 |
専門試験の科目は上記のとおり。
大学レベルの知識が出ますが、正直基本的なことしか問われません。
こちらも6割程度がボーダーなので、別に合格はそこまで難しくありません。
つまり地方上級試験は、基本的な問題の中で6割取れればOKなんです。
科目数が多い等はありますが、得意不得意や配点に応じて捨て科目を作ることもできます。
ちゃんと勉強すれば、別にビビる必要は全くありませんよ。
地方上級試験の中でも、「関東型」や「全国型」などに分かれます。
出題数・配点や科目が若干違うので戦略は一部異なるので要注意。
しかし、問題や科目などは基本的同じなので、とりあえずは気にしなくてOKです。
②:試験の方式
もう1つの理由が試験の方式です。
地方上級の試験方式は、基本的に以下のとおり。
- 1次試験(筆記)
- 2次試験(論文・面接)
この2つに通れば合格。そしてほとんどの場合で合格=内定です。
また、地方上級は筆記で受験生を結構落とす分、2次の倍率は低め(平均して2倍前後)。
つまり、ちゃんと勉強を頑張れば、あとは数回の面接で内定が取れるわけです。
一方で、他の公務員試験は違います。
- 国家一般職:筆記→面接で最終合格後、官庁訪問で内定を取る
- 特別区:筆記→面接で最終合格後、区面接で内定を取る
- 一部の市役所:筆記は教養のみだが、面接回数がやたら多い
※特別区は厳密には地方上級ですが、便宜上こちらに記載
上記をみると分かるとおり、内定までに面接がかなり多いんですよね。
また、上に書いた試験は、面接の倍率が高いこともしばしば。
つまり、地方上級の方が明らかに「楽」なんです。
地方上級は2次試験の倍率も2倍前後が平均で、正直失敗のない面接で十分受かります。
筆記さえ頑張れば大体イケるので、難易度的に大したことはないですよ。
参考:地方上級合格者の出身大学・学歴
参考として、地方上級合格者の出身大学・学歴を載せておきます。
(ソースは僕のいた県庁の同期・先輩・後輩などの知り合いです)
- 東大・京大・一橋:少ない
- 旧帝大などの難関国立大:結構多い
- 中堅クラスの地方国公立大学:最も多い(地元の大学中心)
- 早慶上智:結構多い
- MARCH:結構多い(早慶と同じくらい)
- その他:少ない
総じて高学歴が多いですが、これは単純に「高学歴の人は勉強が得意」だからに過ぎません。
地方上級はしっかり勉強すれば、学歴に関係なく誰でも受かる試験です。
問題も基本的で、かつほとんど暗記で対応できますし。
(学歴に関しては、以下で詳しく書いています)

地方上級は上位だけど…公務員試験の難易度ランキングを鵜呑みにするな

「公務員試験の難易度ランキング」的な記事では、以下のような難易度ランキングが記載されています。
国家総合職 > 地方上級 ≧ 国家一般職 > 市役所
上記のランキング的なものを見ると、「地方上級難しすぎ…」と思いがちです。
しかし、この類のものは「難易度」と言ってはいるものの、 あくまで筆記対策の勉強量の負担でしかありません。
- 国家総合職:教養+専門試験。問題のレベルも明らかに高い
- 地方上級:教養+専門試験。問題は基礎的なものが多い
- 国家一般職:教養+専門試験。問題レベルは地方上級と同じくらい
- 市役所:教養のみ
しかし、難易度をトータルで見ると「人による」部分が非常に大きいです。
こんな人にとっては、内定までのステップが単純な地方上級の難易度は低くなります。
逆に、面接の負担が大きい市役所の試験は、より難しく感じるはずです。
上のような人にとっては、筆記の割合が軽い&面接重視の市役所試験の方が受かりやすいです。
逆に専門試験までガッツリ課される地方上級試験だと、難易度が高くなるでしょう。
つまり、難易度はあくまで相対的なものであって、一概には言えないんです。
(国家総合職が難易度No.1は揺るがないですが)
ただ前述のとおり、地方上級は筆記試験の負担が大きく、内定までがシンプルな試験。
筆記という「勉強面での判断」が大きな試験なので、かなり取り組みやすい&受かりやすいとは思います。
難易度から考える、地方上級に合格するための勉強法

これまでは、「地方上級の難易度はそこまで高くないよ」という話。
以下では、地方上級に合格するための勉強法・対策法について書いていきます。
勉強時間の目安:1,500時間
トータルの勉強時間の目安は、1,500時間になります。
1,500時間=1日4時間の勉強を1年間毎日継続に相当します
地方上級は専門試験があるので、やはり負担としては大きいですね。
僕が思うに、地方上級が難しいと言われるのは「学習負担の大きさ」にあります。
1,500時間もの勉強をするのは、やはり相応の覚悟や学習習慣が必要になるので。
とはいえ、量をこなすことができれば、合格にグッと近づけるのも事実。
地方上級試験は勉強での判断が大きいので、ある意味で再現性が高いです。
勉強の本質:問題集をくり返し解くこと
勉強法としても非常にシンプル。
過去問を何周も解くことだけです。
前述のとおり、公務員試験は過去問の焼き増し的な問題が多数出題されます。
なので、過去問が載った問題集を1冊決めて何周もくり返し解き、知識を頭に叩き込むことが最重要です。
もちろん科目数が多い分、配点や得意不得意に応じて捨て科目を作ったり、科目によって勉強量を調整すること(=戦略)も非常に重要です。
ただ、勉強の本質としては超シンプルなので、覚えておいてください。
とにかく問題集をくり返し解いていただけです。
独学or予備校を決める【ツールとして考えるべき】
地方上級試験を含め、公務員試験の勉強では、独学と予備校から選ぶことになります。
どちらでも合格は可能ですが、いずれにせよ「合格のツール」として決めるのがおすすめ。
予備校のメリット
- 参考書や問題集などを選ぶ手間が省ける
- カリキュラム・学習スケジュールは予備校に従えばOK
- 試験に関する情報がすぐに手に入る
- 勉強に行き詰まった時・内容が理解できない時にすぐ質問ができる
- 自習室や講義などの「学習環境」が手に入る
つまり、予備校に行けばシンプルに勉強だけに集中できるんです。
一方で独学の場合、これらのメリットは当然すべてナシ。
参考書選び・スケジュール決めなどを全て自分でやる必要があるので、勉強以外に時間を費やすことになります。
しかし逆に、自分で全て決められるので、より自由に勉強ができるメリットも。
予備校にしても独学にしても、人によって合うor合わないが大きい部分です。
できればお金ではなく、合格にはどっちが自分に合っているかで決めるのがおすすめ。
僕にとっては独学というツールが合っていたので、独学にした感じです。
地方上級は決して難しくはないですが、学習負担が大きくて、相応に大変ではあります。
1,500時間もの勉強は挫折もしやすいので、予備校というツールに投資するのは十分アリかと。
※予備校については、公務員予備校の徹底比較。あなたのおすすめはココ!にて詳しく紹介しています。
【まとめ】地方上級の難易度にビビる必要なし

地方上級の難易度について書きました。
記事の中でも何度も言っているとおり、地方上級の難易度にビビる必要は一切ありません。
確かに勉強の負担は大きいですが、1つ1つがそこまで難しいわけでもありません。
また、実質的に合格=内定で、かつ試験方式としてもシンプルなので、比較的受かりやすいです。
地方上級の試験に合格するには、まずはとにかく「しっかり勉強すること」が必須です。
正しいやり方で、適切な量の努力ができれば、間違いなく合格できます。
ぜひご自身に合ったやり方で、地道に努力を継続していってください。
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ここまで読んで「地方上級の公務員になりたい」と思った方は、合格するために動きましょう。
以下の記事を参考に、ぜひ情報収集や勉強を始めてください。
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