公務員の仕事のリアル

公務員の仕事にやりがいがない3つの理由【元地方公務員が語る】

こんにちは!元公務員のHiroshiです。

公務員の仕事ってやりがいがあるのかな?

公務員になろうかなと思っている人の中には、「公務員の仕事のやりがい」が気になる人もいますよね。

ただ、結論からいうと公務員の仕事に「やりがい」はあまりありません。

なぜなら、行政組織の構造上、やりがいを感じにくいシステムになっているから。

 

本記事では、「公務員の仕事のやりがい」を取り上げて、

  • 公務員の仕事にやりがいを感じにくい理由
  • やりがいが感じられないのに、なぜ多くの人は公務員を続けるのか
  • 公務員の中にごく少数いる、やりがいを持って仕事をしている職員

というテーマで書いていきます。

元地方公務員(県庁職員)である僕の実体験や、周りの職員と話したことを踏まえた、よりリアルな部分を書いていくので、ぜひ参考にしてください。

【はじめに】採用パンフやネットの「公務員のやりがい」を鵜呑みにするな

【はじめに】採用パンフやネットの「公務員のやりがい」を鵜呑みにするな

はじめに伝えておきたいのが、自治体の採用パンフレットやネットによくある「公務員の仕事のやりがい」を決して鵜呑みにしてはいけないということです。

パンフに「やりがいはありません!」なんてこと書くわけないですし、ネットの情報なんて誰が書いているかも分かりません。

 

地方公務員は地域に密着した仕事を通じて、地域を元気にしていくことでやりがいが感じられる
公務員は規模の大きな仕事ができるので、多くの人の役に立てるというやりがいがある

パンフやネットに書いてある「やりがい」なんて、だいたい上のような感じですし、どれも抽象的すぎます。

こんな誰でも書けるような「やりがい」って信用できませんよね?

 

つまり、本当の「公務員のやりがい」を知るためには、実際に公務員として仕事をした経験のある人のリアルな声を聞かないと見えてこないということ。

そして断言できますが、「やりがいを感じている公務員はごく少数」です。

以下では、その理由についてくわしく説明していきます。

つまらない?公務員の仕事にやりがいを感じられない3つの理由【元県庁職員が語る】

つまらない?公務員の仕事にやりがいを感じにくい3つの理由【元県庁職員が語る】

「やりがい」といっても抽象的な表現で、どんなことに対してやりがいを感じるかは人それぞれ。

でもあえて「やりがい」を具体化すると、以下のようなことがあてはまると思います。

  • 自分の行なった仕事が誰かの役に立っている、価値を提供していると実感できること
  • 新しいものに挑戦し、努力をすること
  • 成果を出し、それに見合った報酬(給料)をもらえること

しかし、公務員の場合は構造的に上のような「やりがい」を感じにくくなっています

理由①:自分の仕事が価値を提供している実感が得にくい

公務員の仕事では、自分の仕事が誰か(住民)の役に立っているという実感が得にくいです。

理由の1つ目が、公務員はとにかく不毛な仕事が多すぎるから。

  • 上に説明をするためだけの資料作り
  • 「てにをは」や文末などにこだわりすぎるあまり、深夜までかかる議会の答弁書作り
  • 担当者の裁量がほぼなく、どんな小さなことでも起案→決済をする

つまり、それ自体はなにも価値を生まない仕事が多く、住民の方に直接的に価値を提供しているような仕事が少ないんです。

特に本庁はなおさらですね。

Hiroshi
Hiroshi
僕の場合は、自分の仕事が誰かの役に立っている実感が得られなかったのがキツかったです。
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また、なにか事業をするにしても、県庁や市役所の公務員が直接事業を行うことはさほどありません。

あらゆる事業は「委託」といって、外部の民間企業や団体にお金(委託料)を払って仕事を行なってもらう形をとっています。

そのため、たとえ事業によって何か効果を得た事業者や個人がいても、その声が直接公務員の方に届くことはあまりないため、役に立っている実感を得にくいんですよね。

 

まぁ県庁よりも住民に近い市役所ならば、住民の方と直接接する分、自分のやった仕事が役に立っている、価値を提供していると感じられるのかもしれません。

しかし、公務員の仕事は「やって当たり前」だと思われている部分もあるので、なかなか感謝はされにくいのではないかと思いますね。

理由②:新しいことにチャレンジしにくい環境

また、トップダウン型の巨大組織で生きる公務員は、新しいことにチャレンジしにくいです。

なにか新しい事業を行おうとしても、とにかく上を納得させるためのコストが大きすぎるんです。

課長・次長・部長・副知事・知事…と順々に説明をし、一人でもバツがついたらイチからやり直しですからね。

 

また、組織の体制としてとにかく保守的。

新規事業を行うときには、他県の成功事例や国の方針などに照らし合わせて財政課が予算を組むので、それらが無い斬新な施策を行うのは非常に難しいんですよね。

 

以上をふまえると、「これがやりたい!」と思った事業があったとしても、時間的・労力的コストが大きい上に実現可能性が低いということです。

それでいて、大して効果がない、やりたいと思えない施策を無能議員から押し付けられることもありますからね。。

理由③:年功序列の給料体系

公務員の給料は基本的に年功序列なので、頑張るインセンティブが働かないんですよね。

やりがいって仕事を頑張って結果を出し、それを正当に評価されて生まれる面も大きいので、これは割と致命的ですね。

頑張っても頑張らなくても給料が大して変わらないなら、多くの人が「頑張らない方が得」だと考えるじゃないですか。

 

上に書いた「新しいことに挑戦しにくい」にも関連しますが、そもそも年功序列があるせいで、新しいことに挑戦しようというモチベーションが働かないとも言えます。

よく「職員にはどんどん挑戦してほしい」という知事がいますが、まずはその前提を作ることからですよね。

僕は「やりがいがない」と思ったから地方公務員(県庁)を辞めた

少し僕の話をさせてください。

僕が2年で公務員を辞めたのも、結局は「やりがいがない」「つまらない」と思ったからです。

  • 仕事の多くが上への説明や説明資料づくり
  • 上のちょっとした発言で仕事量が超増える
  • どうでもいいような文章の体裁や言い回しの修正に何時間もかける

2年目に上記のような出来事が多くなり、やりがいのなさを強く感じていました…

 

また、頑張っても頑張らなくても給料が変わらないので、新しいことを何もやらない思考になりがちでしたね。

現状維持が最も仕事量的に少ないですので。

Hiroshi
Hiroshi
2年目のとある日、自分が出した新規事業(課員は全員出すことになっていた)を潰すための理屈を考えているときには、「俺なにやってんだろう…」と思わずにはいられませんでした。

学生時代は「仕事にやりがいは求めない」と思っていましたが、いざ働いてみると価値観が変わっていきますね…

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公務員はやりがい以外の魅力が大きい

公務員はやりがい以外のメリットが大きい

ここまで「公務員はやりがいを感じにくい」ことについて書きましたが、やりがい以外の魅力が大きいために、公務員を続ける人が圧倒的多数派なのです。

公務員のメリット
  • 年功序列で上がっていく、安定した収入
  • 各種手当や休暇などの充実した福利厚生
  • 高い社会的地位

つまり、公務員でいるメリットと、やりがいの感じにくい仕事内容というデメリットを天秤にかけると、前者の方が大きいと判断する人が圧倒的に多いということ。

実際に、僕が知っている中でも公務員の仕事が面白い・やりがいがあると言っていた人は本当に少数でした。

逆に「つまらないけど、メリットが大きい」という声はよく聞きましたね。

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要は、多くの方がつまらない・やりがいのない仕事とうまく折り合いをつけて、プライベートを充実させたりすることで仕事をしているということ。

まぁ確かに、仕事にやりがいを求めない、仕事とプライベートを完全に分けられる人であれば、続けるメリットが大いにありますからね。

やりがいを感じている公務員も一部いる

ただ、公務員の中でもやりがいを感じている方も中にはいます(少ないですが)。

希望部署で仕事ができている公務員

県庁などの公務員の場合、異動希望が通ることはほぼ無いのですが、まれに異動希望が通ってもともとやりたかった仕事ができる場合があります。

その部署に配属された公務員はやりがいを感じていた印象がありますね。

僕のいた県庁では、観光課は非常に人気があり、大半が希望して配属になっていたのですが、多くの方が楽しそうに仕事をしていました。

(観光課の場合は成果も見えやすく、自分のした仕事の価値が分かりやすいというのもあったと思いますが)

ただ注意点として、「公務員は希望部署に異動=やりたい仕事ができる」というわけではないことが多々あります。

業務が個人によって細分化しており、課内の同じ係(グループ)でも、行なっている仕事内容が全く違うなんてこともザラです。

そのため、たとえ自分のやりたい業務を担当している部署に異動ができたとしても、その仕事を実際にできるかどうかはまた別の問題ということになります。

(通常、人事課が絡むのは部署の配置までで、その中でどんな仕事を担当するかは課長以下の課内の管理職で決められます)

技術職の公務員

技術職の公務員は、やりがいを感じている人が多い印象があります。

技術職というと、専門的な知識をもとに事業者を指導・監督したり、県の建築物や道路を作ったりする方々です。

彼らの場合、住民との距離が近い分、感謝されることも多いですし、自分の仕事の成果が目に見えて分かりますからね。

行政職ほど異動もなく、自分の専門分野で仕事ができるので、やりがいを感じやすいのも頷けます。

教育の一環として、出先を主戦場とする技術職の公務員も本庁に異動して事務的な仕事をする場合もあります。

ただ、技術職の人も本庁に来ると、口を揃えて「つまらない」「戻りたい」と言っている印象が強いです。

公務員としての使命感・プライドに燃えている人

同期の中でほんの少しだけいたのですが、公務員としての使命感に燃えている人も「やりがいがある」と言っていました。

数的には少数ですが、公務員になる方の中には、公務員として住民のために働くことに喜びを感じる人もいます。

まぁその情熱がいつまで続くのかはなんともいえませんが…




公務員のやりがいに関するまとめ

公務員のやりがいに関するまとめ

本文で書いたように、公務員という組織の構造やスタンス、また給与体系から考えると、どうしてもやりがいを感じにくいのは仕方ありません。

ただ、やりがいを感じなくても公務員でいるメリットは十分にあるので、大半の方が「仕事は収入を得るための手段」という感じでうまく折り合いをつけて仕事を行なっています。

逆に、「自分の仕事はどんな価値があるんだろう?」と考えてしまう僕のようなタイプの人は、嫌気がさしてしまうでしょうね(笑)。

 

本記事が少しでも参考になれば幸いです。

今回は以上になります。ありがとうございました。