こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今回はこんな疑問に答えるために、元公務員に視点で「公務員か民間で迷っている大学生へのアドバイス」というテーマで書いていきます。
この記事を書いている僕も、大学生だった数年前には「公務員と民間のどちらに就職するべきか」悩んでいました。
本記事では、過去の自分に向けて語りかけるイメージで、当時の僕と同じように悩んでいるあなたに伝えたいことを書いていきます。
なお、記事の最後には「やりたいことがないから公務員がいいのかな…」という方に伝えたいことも触れているので、大学生はぜひ参考にしてください。
Contents
公務員か民間のどっちが良いか迷う大学生に考えてほしいこと

- 民間は頑張れば若いうちから給料が多くもらえそうだし、仕事のやりがいもありそう。
- でも、民間だとリストラや倒産のリスクもあるし、転勤が多いなどのデメリットがある。仕事量も多そうだな。。
- 公務員は給料面や福利厚生面が充実していて安定感がある。引っ越しを伴う転勤もほぼない。
- 仕事も民間に比べたらラクそうだ。
- でも公務員は試験が難しい上に、仕事もつまらなそうなイメージ。
- また、公務員は給料も年功序列だから大きくは上がっていかない。
公務員か民間かで迷っている多くの大学生は、こんな感じで公務員・民間のそれぞれのメリットとデメリットを天秤にかけて、色々と悩んでいるのでしょう。
数年前の僕もそうでした。
そんな方に考えて欲しいのは「あなたが人生の中で大事にしたい価値観はなにか」ということです。
公務員か民間で迷う大学生は、自分が優先する価値観を考えてみよう
公務員と民間でどっちが優っているとか劣っているとかはありません。
すべてはその人の「価値観」次第。
あなたが人生において何を優先したいのかによって、どちらを選ぶべきかは変わっていきます。
別に年収や待遇をベースに決めるのも否定しませんが、それ以上に価値観をベースに考えていくのがおすすめですよ。
公務員か民間か。どっちを選ぶべきかを決める価値観の判断基準

価値観で決めるべきと具体的にどういう価値観で決めればよいのか。
以下に公務員と民間のそれぞれについて、向いている価値観を列挙していきます。
公務員を選ぶべき人の価値観
- 仕事にやりがいは求めない=仕事はあくまで収入を得るための手段
- 社会的な信頼や世間体を優先
- 収入はほどほどで良い。それよりもプライベートの充実を優先
こんな価値観を持っている方は、民間よりも公務員のほうがおすすめ。
公務員はそれなりの収入がもらえる上に休日もしっかりあります。
そのため、「プライベートを充実させたい」「仕事とプライベートをきっちりと分けられる」という方はこちらを選ぶべきでしょう。
また、公務員と同等レベルの信用力を持つ企業よりも、公務員の方が圧倒的に簡単になれるので、「社会的な信用力を重視する」という方も向いていますね。
そして何より大事なのが、「仕事を収入を得るための手段」と割り切れるかどうかです。
ぶっちゃけ公務員の仕事は本当につまらない。。。
これは僕だけではなく、僕の元同僚・同期などの大半がつまらなそうに仕事をしていました。
なぜなら、公務員の仕事は「組織内部の調整」や「承認を得るための仕事」が大半で、価値を生み出す仕事が少ないからです。

つまり、仕事自体にやりがいを感じられる可能性が低いので、「仕事以外のものにプライオリティがある」という価値観であることが重要になりますね。
もちろん、収入や社会的な地位、福利厚生など、大半の人にとってはつまらない仕事を我慢するだけのメリットはありますので。
「この県を変えたい」「公益性の高い仕事がしたい」など、しっかりした動機がある方は、仕事優先の価値観でも公務員を選ぶべき。
ただ、本記事では「公務員か民間かで迷っている人」がターゲットなので、上のような特に迷っていない=公務員に決めている人は特に考えません。
民間を選ぶべき人の価値観
- 頑張った分は給料にしっかり反映してほしい
- 仕事は人生を充実させるためのもの
- 個人である程度の裁量を持って仕事をしたい
- 自分の仕事で世の中に価値を提供したい
- 副業やステップアップの転職など、将来的な可能性を残したい
こんな感じで、「仕事によって生活や人生における満足度を豊かにしたい」という方は民間企業がおすすめ。
また、公務員が「身分が保証されることによる安定」なのに対して、民間では「普遍的なスキルを身につけることによる安定」という価値観で対比することもできます。
追記:女性は民間よりも公務員の方が良いかも
公務員か民間かで迷っている女性の方は、正直「公務員」を選ぶのがおすすめ。
(男女差別みたいで言うのがはばかられたですが…)
その理由は以下です。
- 男性と同レベルの収入を得られる
- 育休や産休の制度がかなり整っている
- 育休からの復帰も容易で、給料が下がることもない
- 子育てがめちゃしやすい(時短勤務・部署や業務内容の調整)
- 女性を出世させる風潮(アファーマティブアクション)もあり、キャリア志向の人もOK
公務員の女性は、家庭生活を大事にしつつ、高水準の収入を得られるわけです。
一方、民間だと女性に理解のないところもあると思われます。
例えば、結婚や出産をするとキャリアが犠牲になったり、収入が下がったりといったところですね。
事実、女性の収入は男性に比べるとかなり低い(半分くらい)ので。
参考:公務員彼女は最強。そのメリットと出会う方法を元県庁職員が解説
女性の中には、「将来的に結婚や出産もしたいし、仕事も頑張りたい」という方も多いと思われます。
現実的に考えて、公務員はそれらの条件を満たせる仕事であるには間違いありません。
もちろんやりたい仕事がある場合は別ですが、客観的に女性が公務員になることには大きなメリットがありますので、1つの参考にどうぞ。
【迷う人へ】公務員でも民間でも、実際にやってみないと分からないのが現実

「公務員と民間に迷っている人は、自分の価値観によってどちらかを決めるべき」と書きましたが、どっちにしてもやってみないと分からない部分が大きいです。。
どんな仕事でも実際にやる前から向き不向きは決められないですし、まして大半の大学生は社会で働いたこともないですからね。
確かに「価値観」は大事です。
しかし、働いたこともない普通の大学生の価値観は、周りから言われたことに強く影響を受けていたり、なんとなくの想像でしかない可能性が高いでしょう。
とはいえ、大学生が公務員か民間かを決めるにあたって、価値観の他に決める材料・手がかりのようなものが他に一切ありません。
ぶっちゃけ、ただそれだけの理由で「自分の優先したい価値観で決めるべき」と書いただけです。
また、実際に就職をして働いてみて、価値観が変わっていくのも普通ですしね。
僕が公務員になった理由、そして2年で県庁をやめた理由
少しだけ過去の僕の話をします。
大学生のころ、僕は以下のような価値観を持っていました。
- 仕事は収入を得るための手段にすぎない
- それなりの収入と安定、地位はほしい
- プライベートを充実させることができればOK
- 世間体の良い仕事に就きたい
このような価値観を持っていたため、公務員試験を受けようと思ったんです。
でも実際に公務員になって仕事をしているうちに、僕には上で書いたとのとは異なる価値観が芽生えました。
- 自分の仕事で価値を提供したい
- 「仕事のための仕事」で消耗したくない
- 組織で生きるのがしんどい。自由なライフスタイルを実現させたい
- プライベートの充実よりも、自分がのめり込めるような仕事を優先させたい
- 世間体なんていらない。自分がハッピーであることが最優先
つまり、学生時代に持っていた価値観が大きく変わったために、公務員をやめたということです。
こんな感じで、価値観なんて環境が変わったり、年を重ねたりするごとに変わっていくものです。
また、自分自身が「自分で思っていたような人間でなかった」ということもあります。
ただ、いずれにしても「違うな」と思った時点で方向転換すれば良いだけなので、個人的にはそんなに迷わなくても大丈夫かなと。
とりあえず「行動」をして選択肢を広げよう【公務員と民間で迷う人へ】

ここまでの話をまとめると…
- 公務員か民間で迷った大学生は、自分の中で優先したい価値観によって決めるべき
- でも、公務員でも民間でも、なってみないと分からない部分が大きい
- 若い大学生の価値観は定まっていないものである上に、就職して環境が変わると価値観も変わるため
という感じ。
ここまで読んだ方は、「価値観で決めても無駄じゃん。どうすればいいの?」と思いますよね。
確かに、悩んでいる現時点での価値観で決めても無駄かもしれません。
ただ、いろいろと「行動」をして、あなた自身の価値観の精度を上げる=自分がどういう人間なのか深く知ることができれば、少なくてもベターな選択をすることができます。
悶々と考えているだけでは、あなたの本当の価値観は見えてきません。
- 公務員予備校に出向いたり、公務員になった大学のOBにコンタクトを取ったりして、公務員の仕事について聞いてみる
- 民間企業のインターンや説明会に行ってみる
- 本格的な就活をしてみる
このようなちょっとしたアクションを起こすことで、公務員か民間かを決める上での大きなヒントが得られる可能性もありますよ。
また、自分の足や目で公務員・民間を味わって自分の価値観を研ぎ澄まし、それで自分で決めたのならば後悔もしないでしょう。
「やりたいことがないから公務員」はやめよう
また、「やりたいことがないから安定している公務員」という選択を考える大学生も多いと思いますが、これはやめるべきです。
なにかしら行動をすれば、自分がやりたいと思える仕事が見つかるかもしれないのに、思考停止して安易に公務員を選ぶのってめちゃくちゃもったいないですよ。
第一、行動もしていないのにやりたいことなんて見つかるわけがないんです。
自分でいろいろと動いてみて、そして自分が人生の中で優先したい価値観をよく考えてみましょう。
公務員or民間で決められないなら、併願を前提に公務員試験の勉強を始めるべき
こんな方は、とりあえず公務員試験の勉強を始めましょう。
なぜなら、公務員試験は筆記の難易度が高い試験だから。
地方上級(県庁や政令市)・国家一般職レベルだと1,000〜1,500時間(1日4時間で1年)ほどの勉強が必要になるので、悩んでいるうちに時間がなくなります。
そのため、民間企業との併願を前提に公務員試験の勉強を始めて、とりあえず決断を先送りしてOKです。
民間就活をしたり、公務員試験の準備をしているうちに徐々に方向性が固まってくる可能性も十分ありますしね。
また、今では就活も多様化しており、就活エージェントやスカウト型就活サイトなど、公務員試験と両立できるサービスも充実しています。
こちらの記事にて、公務員試験受験者におすすめの就活サイトをまとめているので、1つの参考にどうぞ。

まとめ – 公務員と民間で迷う大学生に伝えたいこと

公務員か民間かで迷ったら…
- まずは色々と「行動」してみる
- 行動を通じて、自分が「人生の中で大事にしたい」と感じた価値観に従う
というのがおすすめです。
とにかく「行動」をして、自分がどういう価値観を大事にしている人間なのかを突き詰めていくことが、後悔のない選択をするためには重要になります。
ただ前述したように、価値観は仕事をしていく中で変わっていくものですし、どんな仕事もやってみないと向き不向きは分からないもの。
しかし、実際にやってみて「合わないな」「違うな」と思ったら、また別のことをすれば良いだけです。
なので、「公務員か民間か、一生を左右する選択…」などと気負う必要はありません。
そのため「いろいろと見てみて、現時点でベターな方を選ぶようにしよう」程度の気軽な気持ちで決めてOKですよ。
意外となんとでもなるものですから。