こんにちは!元公務員のHiroshiです。
てか定時って何時から何時まで?
公務員は、安定&ホワイトなイメージが強い職業。
特に「公務員になろうかな」と迷う人は、そのイメージが本当か気になるはず。
実際に公務員になってみないと、その印象が正しいかは把握できませんからね。
特に「定時帰り」に関しては、様々な憶測や情報が飛び交う部分です。
そこで今回は「公務員は本当に定時帰りできるのか」を取り上げます。
本記事の内容
- 【前提】公務員の定時・勤務時間
- 公務員は定時で帰れる?残業が多い?本当はどっちか
- 公務員の中でも定時で帰る人の特徴
この記事を書いている僕は、県庁に勤めていた経験を持つ元公務員。
本記事で「本当に定時帰りできるか」が分かり、公務員を目指すべきかの参考になるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員の定時・勤務時間【国家公務員・地方公務員】
国家公務員も地方公務員も、基本的に勤務時間は7時間45分です。
- 定時:8時30分〜17時15分
- 昼休み:12時〜13時
(国家公務員は9時30分〜18時15分の場合も多いですが)
なお、労働基準法的には「1日8時間労働」です。
しかし、法律が定めているのは「上限」なので、8時間よりも少ない分には問題になりません。
公務員は定時で帰れる?残業が多い?本当はどっちか
本題の「公務員は定時で帰れるのか」を話します。
単刀直入に答えると「人によるので一概に言えない」です。
ただ、これは少し考えれば当然のこと。
どの組織においても、全員が同じ内容の業務を行っているわけではありません。
部署や個人によって担当する業務は変わります。
これは一般的な企業も役所も同じです。
必然的に、定時で帰れる人・残業して業務を片付ける人が生まれますよね。
少なくても「公務員=みんな定時帰り」はあり得ません。
【参考】公務員の残業時間のデータ
公務員の平均的な残業時間に関しては、公式データから把握できます。
- 地方公務員(県庁):12.2時間/月
- 国家公務員(全体):19時間/月
- 国家公務員(本省):29.2時間/月
-県庁:平成29年地方公務員給与実態調査より推計
-国家公務員:平成30年人事院勧告の資料より
つまり地方公務員も国家公務員も、1日の残業時間の平均は「1時間以下」です。
霞ヶ関の場合も1時間半程度なので、平均して7時過ぎには帰っている計算になります。
【悲報】実際にはもっと残業はあります
しかし残念ながら、このデータは現実に全く即していません。
僕の県庁時代の体験談
僕は本庁の産業振興系の部署にいました。
産業振興系はそこまで激務部署ではありませんが、20時位までは多くの人が残っていましたね…
もちろん他部署では定時で帰る人もいましたが、激務部署では連日深夜残業も普通です。
全てをならしても、平均して「6時くらいに帰宅」はちょっとあり得ないかなと。
また、公務員は残業が「自己申告」の場合が多いです。
残業をする場合には、それを事前or事後にシステム上で申請して、承認されると時間外勤務手当が出ます。
つまり、申請しなければ記録に残らないわけです。
データ上の「残業時間」は、実際には「残業が承認された時間」と考えるのが自然かと…
国家公務員の場合
本省勤務の国家公務員に関しては、残業時間は月29時間。
しかし、現実にはもっと残業が多いのは間違いありません。
- 県から国に出向になった人の話
→午前3時ころにタクシーで帰るのが普通だったとのこと - 国の人とのやり取り
→午前2時くらいに普通にメールがきていました
霞ヶ関は「不夜城」と言われていますし、平均して19時台に帰れるのは信じられません。
国家公務員も、残業時間のデータは「残業代が支払われた時間」と考えるのが自然です。
公表されている数字をそのまま信じると、後悔することにつながるかも…
【公務員】定時で帰る人・残業が多い人の特徴や違い
公務員志望の方にとっては、少し悲しい現実をお伝えしました。
しかし断言しますが、公務員の中にも定時で帰る人は確実にいます。
以下にて、定時で帰る人・残業が多い人の違いを解説します。
①:部署
- 定時帰りの人:出先機関/本庁の一部の部署
→例:県税事務所・本庁の統計課など - 残業が多い人:本庁の激務部署
→例:財政課・人事課・秘書課・保健福祉系など
行政職の場合、基本的に「出先機関」の方が残業が少なめ。
出先は予算要求・議会対応がありませんし、トラブル対応も基本は本庁で行いますので。
出先は割とルーティーン&業務量も多くないので、定時で帰れることが多いと聞きます。
また、本庁の中でも忙しさにはかなり差があります。
財政課や人事課など、中枢に近い部署は責任も多く、非常に激務です。
逆に「統計課」などの一部の部署は、本庁でもゆとりがありますね。
業務的にゆとりがある部署は、当然定時帰りがしやすくなります。
なお、国に関しても基本は同じ。
出先(地方機関)は定時で帰れることが多く、霞ヶ関の本府省は激務です。
(知り合いの声・YouTubeのコメントでのご意見でもよく聞きます)
②:個人
公務員は、同じ部署・係でも個人によって担当業務が全然違います。
基本は縦割りで、1つの事業は1人が担当する形になります。
隣に座っている人の仕事が、自分と全く異なることも普通です。
となると必然的に、同じ部署でも仕事量がかなり異なってきます。
つまり、以下が言えます。
- 定時帰りできる人
→例:仕事が順調に進んでいる・業務が少ない - 残業が多い人
→例:単純に業務量が多い・トラブルが発生する・超重要な施策の担当
たとえ同じ部署でも、業務の都合から残業時間にかなりバラつきが出ますね…
(定時で帰っている人は仕事ができる人が多かったですが)
担当業務による部分は、正直「運」の要素も強いです。
絶対的な仕事量に加え、トラブルの有無・議会で狙われるか等も関わってくるので。
ただ「定時帰りできるか」が人による点に関しては、理解していただけたかと思います。
③:繁忙期
3つ目の要因は「繁忙期」です。
公務員の仕事は忙しさに波があります。
- 落ち着いている時期:定時帰りしやすい・有給も取りやすい
- 繁忙期:かなり残業が多くなる
上記の通りで、定時帰りできるかは時期にも左右されるわけです。
なお、繁忙期の代表例は「議会対応」と「予算要求」ですね。
- 議会対応
→自分の担当業務に関する質問が来ると、資料や答弁の作成で忙しくなる - 予算要求
→事業に関する予算を財政課に説明。資料作成などで忙しくなる
この2つの時期は、激務部署でなくても残業が増えがちです。
(議会は地方だと年に4回・予算は秋〜冬の時期にあります)
そのほか、もちろん部署や担当業務によって繁忙期は存在します。
僕はイベント関連の業務が多かったのですが、イベント前は準備や段取り等で残業していましたね。
公務員の中で定時で帰る人の特徴をまとめると…
上記のとおり、公務員の残業は「部署・個人・繁忙期」の3つに左右されます。
それをもとに、行政職公務員で定時で帰る人の特徴をまとめると以下です。
- 部署:出先機関or本庁のゆとり部署
- 業務:順調に進む・そもそも少なめ
- 繁忙期以外の時期
(あくまで目安です。自治体や部署によって異なる部分はあると思います)
上記にあてはまっていれば、早く帰れる可能性が高くなるでしょう。
繁忙期の長さ・頻度も業務量も「部署」にかなり左右されますので。
なお「定時帰り」にも「残業が多い」にも当てはまらない場合もあると思います。
(激務部署ではない本庁・業務の進捗は普通など)
その場合は難しいのですが、強いて言うなら平均して「7〜8時前後に帰る」イメージでしょうか。
【まとめ】公務員になれば定時帰りできるわけではない
本記事のとおり「公務員=定時帰り」のイメージは誤りです。
もちろん、定時で帰れる人がいないわけではありません。
しかし、多くの場合で残業も普通にあります。
ただ、かといって公務員がブラックなわけではありません。
- 平均以上の安定した給料・ボーナス
- 充実した福利厚生・休暇制度:プライベート充実
- ノルマがない=数字を追うプレッシャー・焦燥感がない
- 高い社会的信頼性
上記のメリットを考えれば、公務員は十分にホワイトだと言えるかなと。
また、残業に関しても近年はかなり改善傾向。
- 法改正により、残業時間の上限が設けられた
- 残業代をしっかり支給する流れもできている
「残業ゼロ」ではないものの、確実に良い方向に向かっています。
「絶対に残業したくない」人には向きませんが、総じて公務員はかなり恵まれていますよ。
本記事が少しでも参考になれば幸いです。
公務員になりたい方へ
ここまで読んで「公務員になりたい」と思った方もいるはず。
ぜひ以下の記事を参考に、公務員になるための準備をしましょう。
勉強を始める前に行うべきこと
「最初に必ず行うべきこと」を詳しく解説しています。
(紹介している無料ガイドブックは社会人向けですが、学生にもかなり参考になるはず)
公務員試験の予備校比較
大手の予備校について、元県庁職員の視点からまとめています。
公務員試験の独学対策
独学で県庁に首席入庁した僕の勉強法などを以下の記事でまとめています。