こんにちは!元公務員のHiroshiです。
できれば経験者の方の本音の声が聞きたいな。
待遇や給料などが恵まれたイメージをお持ちの方が多い「公務員」。
それだけに「公務員=勝ち組」だと思っている人も多いでしょうが、本当にそうでしょうか?
僕は公務員として仕事をしてきた中で、メリットとデメリットの両方を感じてきました。
その経験から、今回は「公務員のメリットとデメリット」についてリアルにお伝えします。
この記事を読むことで、公務員のメリットとデメリットについて深く理解し、今後の職業選択などにも役立つはずです。
5分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
【勝ち組?】公務員になるメリット:仕事・待遇面
まずは、「仕事・待遇面」における公務員になるメリットを解説します。
- 定期的に異動がある
- 「公務員」というだけで色々な人に会える
- クビにならない
- ノルマがない
- 遠方への転勤がない(国家公務員以外)
- 年功序列で給料が安定して上がっていく
- カレンダー通りに休める
- 有給が取りやすい環境
- 充実した福利厚生
仕事や待遇面でのメリットはこんな感じですね。
それぞれについて深掘りしていきます。
公務員の仕事・待遇のメリット①:定期的に異動がある
公務員は基本的に3〜5年のスパンで異動があります。
それはつまり、色々な仕事が経験できて自分の視野が広がるというメリットがあると考えられますよね。
また、嫌な仕事をしていたり、嫌いな上司がいたりしても、数年我慢すればその環境から抜け出すことができるという意味合いも。
公務員の仕事・待遇のメリット②:色々な人に会える
偉い方も含め、色々な方と仕事の中で会えるというメリットもあります。
例えば僕は、新卒で2年間県庁職員として働いていましたが、その中で大手企業の幹部の方に直接お話をさせていただけたことが何度もあります。
大手企業の場合だと部長クラスでしたが、中規模以下の企業の場合は、社長さんと直接やりとりをさせていただく機会がほとんどでした。
「新規事業の参考にしたいからお話を伺いたい」などの正当な理由があれば、多くの方が歓迎してくださいましたね。
おそらく、民間企業の場合だと偉い人・立場が上の人と直接会える機会というのは、若手のうちは非常に少ないのではないでしょうか?(もちろん企業によりますが)
20代前半の若者でもこのような方と接する機会があるというのは公務員の1つのメリットではないかと考えられます。
公務員の仕事・待遇のメリット③:クビにならない
ご存知の通り、公務員はクビになりません。
(飲酒運転をしたり、犯罪行為をした場合は懲戒免職ですが)
多くの民間企業でもクビになることはほとんどないかと思いますが、公務員の場合は給料も安定して上がっていきます。
公務員の仕事・待遇のメリット④:ノルマがない
公務員の仕事は、いわゆる「ノルマ」はありません。
そのため、職員同士で顧客の奪い合いをするということもないので、みんなで協力していこうとする雰囲気があります。
とはいえ、「ノルマ」はありませんが、「業務目標」は立てるので、それが民間企業でいうノルマに相当するのかなという印象です。
ただ、ノルマの達成の可否が給料に直結する民間に比べると、公務員は業務目標に関係なく基本的に給料が上がるので、プレッシャーは非常に少ないでしょう。
その意味で、やはり心理的には「楽」でしょうね。
公務員の仕事・待遇のメリット⑤:遠方への転勤がない
地方公務員の場合になりますが、基本的に自治体内の転勤になるので、遠方への転勤はありません。
国(省庁)等へ出向になる場合もありますが、それも数年で帰ってくることができます。
「地元で暮らしたい」「1つの場所で安定した生活を送りたい」という方には非常に魅力的だと思われます。
(地方公務員の転勤については以下の記事で書いています)
公務員の仕事・待遇のメリット⑥:給料が安定して上がる
公務員の給料は、ご存知の通り年齢や役職に従って安定的に上がっていきます。
若手のうちは少なめですが、30歳で500万円・40歳で650万円・50歳で750万円くらいはもらえる感じです。
だいたい40歳くらいまでは横並びの傾向が特に強いので、同期みんなが同じように給料が上がっていくイメージですね。
1年ごとに月給が5,000円〜1万円くらい上がります。
なお、給料は景気をもとに決められる面もあるので、景気が悪い時は公務員の給料も下がります。
しかし、民間ほど景気の影響も受けず、安定した給料がもらえるのもポイントです。
公務員の仕事・待遇のメリット⑦:カレンダー通りに休める
公務員は土日祝日はお休みです。
お盆休みはありませんが、代わりに5日の夏季休暇を好きにとることができます。
民間企業だと、「年間休日〇〇日」と決まっているところも少なくないと思われます。
その場合だと、月に何日間かは土曜日も出勤しないといけなかったり、祝日がお休みじゃなかったりしますよね。
その点、カレンダー通りの休める公務員は恵まれていると言えます。
公務員の仕事・待遇のメリット⑧:有給休暇が取りやすい
公務員は有給が取りやすい環境にあります。
僕が県庁職員として働いていたときも、有給を取っても特に嫌味を言われることは一切なかったです。
むしろ、上司からも有給取得を勧められていましたね。
もちろん、やるべき仕事をきちんとやることが大前提。
また仕事内容的にフル消化は難しいですが、有給申請を差し戻されることはほぼなく、かなり取りやすかったです。
公務員の仕事・待遇のメリット⑨:充実した福利厚生
上に書いた休暇に関することも含まれますが、公務員の福利厚生は非常に充実しています。
手当は色々と出ますし、また万が一の事故や病気の際には療養休暇がとれて、その間も給料がもらえます。
自治体が指定する施設が安く(or無料で)利用できたり、色々なサービスがお得に利用できる場合も。
公務員の福利厚生というのは大手企業に引けを取らないくらい恵まれたものになっているかと。
【勝ち組?】公務員になるメリット:私生活面
- 社会的な信頼
- モテる(少なくてもマイナスにはならない)
- ライフプランが立てやすい
- 子育てがしやすい
私生活においてはおけるメリットはこんな感じですね。
それぞれについて深掘りしていきます。
公務員の私生活のメリット①:社会的な信頼
国や自治体に守られている身分である公務員は、社会的な信頼が抜群です。
お金を借りる際にはローンと組むことになりますが、公務員の場合はまず断れません。
もちろん、賃貸を借りる際の審査やクレジットカードを作る審査にも余裕で通ります。
また、この社会的な信頼感のおかげか、「公務員」というだけで、周りの人から「すごいね!」「さすがだね」と言われたりします。
公務員の私生活のメリット②:モテる
公務員は結婚相手として非常に人気の職業ですから、合コンなどでは高い確率で好印象を抱かれます。
その意味で公務員はモテやすいと言えるでしょう。
とはいえ、職業だけで必ずモテるかと言われたら一概にそうではないので、しっかりと人間性を磨くことは大切です。
https://public-allabout.com/moteru/
公務員の私生活のメリット③:ライフプランが立てやすい
公務員は年功序列で給料も上がっていきますし、ボーナスも年に2回しっかりと出るので、非常にライフプランが立てやすいです。
ライフプランが立てやすいので、公務員が結婚相手として人気なのでしょうね。
公務員の私生活のメリット④:子育てがしやすい
公務員は出産・育児休暇が非常に取りやすく、子育ては非常にしやすいです。
育休をとる女性はほぼ100%、3年間フルで育休を取る方も少なくありません。
また、育休から復帰した女性は時短勤務ができたり、比較的業務が軽めの部署に異動できたりと、働くママをサポートする環境が整っています。
最近では、赤ちゃんが生まれた男性職員の育児休暇も奨励されており、圧倒的に子育てしやすい環境と言えるでしょう。
【負け組?】公務員になるデメリット:仕事・待遇面
逆に、公務員になるデメリットについても見ていきましょう。
- 異動が多く、仕事を極めることができない
- いくら頑張っても給料が大きく上がらない
- 仕事がスキル化しない
- 組織で仕事をするのがキツい
- サービス残業が多いこともある
公務員の仕事・待遇面でのデメリットはこんな感じ。
深掘りしていきます。
公務員の仕事・待遇面のデメリット①:異動が多く、仕事を極めることができない
上で書いたメリットの裏返しですね。
異動が多いということは、ある1つの仕事に対して長い時間をかけて取り組めないということでもありません。
そのため、どうしても1つのことを極めるのは難しいと言えるでしょう。
また、異動先では全く違う内容の仕事をすることも普通なので、異動後は仕事を覚えるのに大変です。
公務員の仕事・待遇面のデメリット②:いくら頑張っても給料が大きく上がらない
これもメリットの裏返しですね。
公務員はある程度横並びで安定して給料が上がっていくのが特徴的。
しかしそれは、頑張った人も頑張っていない人も給料がさほど変わらないということでもあります。
また、出世(昇格)するのに勤続年数の条件がある場合もあります。
なので、若いうちから上を目指してガンガン頑張りたいという方には物足りないかもしれません。
給料についても、めちゃくちゃ頑張って部長まで出世しても年収1,000万円ちょっと。
大手企業に比べるとかなり少ないと言えます。
公務員の仕事・待遇面のデメリット③:仕事がスキル化しない
公務員は前述の通り異動が多く、専門知識をつけることが難しいです。
また、公務員の仕事で得られるスキルのうち多くが、「行政組織内でしか通用しないスキル」です。
どこでも通用するような普遍的なスキルではないので、公務員をやめてしまった時でも評価されるスキルとは言えません。
公務員の仕事・待遇面のデメリット④:組織で仕事をするのがキツい
公務員というのは巨大な行政組織にいます。
その組織は知事や市長を頂点としたピラミッド型の構造。
もちろんしがらみもありますし、非効率とも思える手続きも多数あります。
また、公務員の仕事(特に本庁)は「上の人への説明」など、組織内で承認を得ていく作業が多いです。
「何を言ったか」よりも「誰が言ったか」が優先され、知事や市長、また部長が言ったことは下が全て拾い上げて、上の方が納得するまで説明を繰り返します。
組織内での立ち回りがうまくできなかったり、自分が直接的に何かの役に立っている実感を得たいという方にとっては、公務員という仕事はきついかもしれません。
公務員の仕事・待遇面のデメリット⑤:サービス残業が多いことも
公務員の残業代は予算で決められています。
そのため、予算を超えた分の残業代は出ません。
しかし仕事が終わらないと必然的に残業することになるので、その分はサービス残業になってしまいます。
【負け組?】公務員になるデメリット:私生活面
私生活でのデメリットは正直あまり思い浮かびません。
ただ強いていうならば、「世間からの妬み嫉みの対象になる」ということですかね。
世の中には、「俺たちの税金で良い暮らししやがって」と公務員のことをよく思わない方々もいらっしゃいます。
その意味で、世間からの妬み嫉みの対象になるというのはデメリットかと。
まぁ世の中の方が思っているよりも公務員は頑張っていますし、給料も多いわけではないのですが…
世間の目が厳しいので、公務員の方々は居酒屋などで仕事の話をするとき、自分がいる役所のことを「会社」、自分たちの知事や市長のことを「社長」と言ったりします。
本当に公務員は勝ち組か?【メリットとデメリットから考える】
以上、公務員のメリットとデメリットを挙げました。
圧倒的にメリットの方が多いように見えるので、「公務員は勝ち組」という印象を持つ方も多いでしょう。
しかし僕は、公務員だから勝ち組とは思いません。
というのも、いくら福利厚生が整っていて、安定したお金が毎月振り込まれてきても、自分がハッピーじゃなかったら何の意味もないから。
僕は学生時代、一生の安定を手に入れようと思って公務員になりました。
しかし実際に僕は公務員になってみて、巨大組織の中で仕事をすることに疑問や辛さを感じてしまい、2年で退職。
公務員時代、特に2年目は全くハッピーではありませんでした。
この経験から僕は、自分がハッピーでいられれば、それで勝ち組だと思うようになったのです。
勝ち組かどうかは結局はその人次第だと僕は考えているので、「公務員だから勝ち組」とかは一切思いません。
客観的に見ると公務員は勝ち組だと言える
ただ、客観的に考えると、公務員は勝ち組だと言えるでしょう。
ステータス・収入はそれなりに高いものがありますし、生活を充実させやすい環境も整っています。
しかも公務員の場合、特に成果を出さずとも、公務員という「身分」だけで、これほどのメリットを享受できるので尚更です。
ぶっちゃけ、公務員試験なんて気合いを入れて頑張れば普通に合格できます。
もしも待遇面で魅力を感じるなら、1年ほどガッツリ頑張るだけの価値は十分にあると思いますね。
まとめると、「公務員は勝ち組か」については個人差はあるものの、今のところ恵まれた仕事であるのは間違いないかなと。
必然的に、客観的に見ると勝ち組に分類されるかなと思います。
公務員は勝ち組!公務員になりたい!と思った方へ
前述したように、公務員の待遇はかなり恵まれているのは間違いありません。
ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
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