こんにちは!元公務員のHiroshiです。
本記事では公式統計から推計した「50歳・50代公務員の年収・給料・ボーナス」をテーマに取り上げて、上のような疑問に答えていきますよ!
国家公務員・地方公務員はもちろん、国家総合職・国家一般職・都道府県庁・政令市・特別区・市・町村といった、自治体ごとの比較もできるように書いています。
公務員と年収について知りたい方は、ぜひ参考にしてくださいね!
50歳行政職公務員の年収を比較!【国家公務員・地方公務員】
国の公式統計(最新の地方公務員給与の実態調査結果や人事院勧告資料)より、行政職の公務員(地方・国家)が50歳でどのくらいの年収になるのかを推計しました。
なお、自治体タイプ別に比較ができるように、国家総合職・国家一般職・都道府県庁・政令市・特別区・市・町村で分けています。
年収 | うちボーナス | |
国家総合職 | 1,253万円 | 362万円 |
国家一般職 | 788万円 | 181万円 |
都道府県庁 | 747万円 | 168万円 |
政令指定都市 | 789万円 | 170万円 |
特別区 | 802万円 | 184万円 |
市 | 730万円 | 164万円 |
町村 | 671万円 | 156万円 |
※国家総合職・国家一般職は平均的な昇進のスピードから推計した金額を記載
※それ以外の地方公務員は48歳〜51歳の平均年収を記載
諸手当(地域手当や時間外勤務手当)を加味した金額を記載しているので、よりリアリティが感じられるかと思います。
ちなみに地方公務員においては、大卒・短大卒・高卒をすべて含めた金額なので、大卒の場合は上より多め、逆に高卒の場合は若干少なめになりますね。
上に書いた「50歳公務員の年収」を見る限りだと、公務員の50歳時点の年収は750万円〜800万円程度が見込めます(国家総合職は別格ですが)。
手取りは総支給額の75%〜80%くらいなので、50歳公務員の手取り年収は600万円ちょっとと言えるでしょう。
以下では50歳時点のみならず、50代を通じての公務員の年収について、自治体タイプ別に見ていきます。
年齢別・50代国家公務員の年収・給料・ボーナス【国家総合職・国家一般職】
公式統計である人事院勧告資料から推計した、50代の国家公務員(行政職)の年齢別の年収・給料・ボーナスは以下のようになっています。
年収 | 給料(月給) | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 853万円 | 549,901円 | 193万円 |
52歳〜55歳 | 877万円 | 566,166円 | 198万円 |
56歳〜59歳 | 901万円 | 580,862円 | 204万円 |
※諸手当込み
ただ、こちらの金額は総合職(キャリア官僚)と一般職(ノンキャリ)をあわせた金額なので要注意。
というのも、総合職も一般職では出世のスピードは圧倒的に異なるものの、ともに「一般行政職」であり、同じ俸給表(給料表)が適用されるためです。
そのため、それぞれ単体の年収データは存在せず、国の公式統計では総合職と一般職をあわせた平均的な金額が載っているにすぎません。
そのため、上に書いた年収はあくまで参考程度ですね。
ただ、だからといって「総合職・一般職の年収はわかりません」じゃ面白くないので、出世のスピードなどに応じたおおよその年収について、以下で解説します!
50代国家総合職(官僚)の年収・給料・ボーナス
総合職の方は50歳で本府省の課長級の役職につき、1,200万円程度の収入が見込めるのが平均的。
そして、さらに50代を通じては本府省の課長よりもさらに上の役職である「指定職」に昇進していきます。
指定職は課長までとは異なる俸給表が適用されるので、年収が大幅にアップ。
役職 | 年収 | |
50代前半 | 審議官・部長など | 約1,500万円 |
50代中盤 | 局長など | 約1,800万円 |
50代後半 | 事務次官 | 約2,300万円 |
さらに、指定職は民間企業でいう「役員」に相当するので、ここまで出世すると専用車や秘書などがつくVIP待遇が受けられます。
ただ、指定職になる50代くらいの年齢になると、外郭団体へ出向=出世レースで脱落させられる官僚が増えます。
だいたい課長クラスまでは横並びで出世しますが、そこから上に行くのは官僚の中でも限られた人だけということですね。
そして、最後まで出世レースに残った同期トップのただ1人だけが「事務次官」となるのです。
(官僚の年収・出世については以下の記事でまとめています)
50代国家一般職の年収・給料・ボーナス
国家一般職の公務員は本府省の課長補佐級・地方機関の課長級まで定年を迎えることが多いので、50代の年収は800万円台となります。
ちなみにこのあたりの役職には50歳くらいで到達することが多いので、50代になってからはあまり収入が伸びなくなるということ。
ただ、国家一般職の中でも特に優秀な人は、課長補佐級よりも上の企画官・室長級、そしてさらに上の本府省課長級にまで出世します。
企画官・室長級だと年収は900万円〜1,000万円超、本府省の課長になると年収は1,000万円〜1,200万円程度になるので、総合職と同等レベルですね。
(国家一般職の年収・出世については以下をどうぞ)
年齢別・50代地方公務員の年収・給料・ボーナス【都道府県庁・政令市・特別区・市・町村】
次に地方公務員です。
都道府県庁・政令市・特別区・市・町村という自治体タイプ別に50代年収を見ていくので、ぜひ比較してみてください。
50代都道県庁職員の年収・給料・ボーナス
年 収 | 月 給 | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 747万円 | 482,467円 | 168万円 |
52歳〜55歳 | 770万円 | 496,512円 | 174万円 |
56歳〜59歳 | 792万円 | 509,594円 | 180万円 |
50代の都道府県庁職員の年収は、だいたい750万円以上になります。
手取りに直しても600万円以上はもらえる感じですね。
ただ都道府県庁といっても、自治体ごとに地域手当に大きなバラつきがあるので要注意。
以下の記事では、都道府県庁の年収について詳しく書いています。
地域手当などを加味した年収ランキングなどもあるので、ぜひ読んでみてください。
都道府県庁の中でも東京都は別格
都道府県庁の中でも、財政状況が抜群によく、さらに地域手当の金額も大きい東京都は別格の存在です。
その証拠に、以下の通り平均年収も他の自治体より多くなっています(もちろん全国No.1)。
- 東京都:715万3,660円
- 全国平均:663万2,681円
※平均年齢:東京都41.5歳、全国43.1歳
そのため、東京都庁職員の年収にフォーカスした記事も用意しています。
気になる方は、ぜひこちらもどうぞ!
50代政令市職員の年収・給料・ボーナス
年収 | 月給 | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 789万円 | 515,510円 | 170万円 |
52歳〜55歳 | 824万円 | 536,518円 | 180万円 |
56歳〜59歳 | 854万円 | 555,255円 | 188万円 |
横浜市や川崎市、大阪市といった「政令市」は総じて地域手当の金額が大きいので、必然的に年収も多くなりますね。
50代では年収800万円を大きく超えてくるので、手取り年収でも600万円台後半という高待遇です。
50代特別区職員の年収・給料・ボーナス
年収 | 月給 | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 802万円 | 515,267円 | 184万円 |
52歳〜55歳 | 837万円 | 534,737円 | 192万円 |
56歳〜59歳 | 861万円 | 552,522円 | 198万円 |
特別区の50代公務員は、年収が800万円代後半に到達します。
東京23区は地域手当が最も大きい基本給の20%なので、必然的に年収の金額も増えますね。
以下の記事にて、特別区職員のさらに詳しい年収事情や、23区の平均年収ランキングなどを書いているので、あわせてどうぞ!
50代市役所職員の年収・給料・ボーナス
年収 | 月給 | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 730万円 | 471,851円 | 164万円 |
52歳〜55歳 | 756万円 | 485,280円 | 174万円 |
56歳〜59歳 | 779万円 | 497,356円 | 180万円 |
50代市役所職員の年収は、総じて700万円台中盤〜後半といったところ。
ただ、市役所といっても数が多く、全ての平均を取ったにすぎないので要注意。
市役所の中には財政状況が極めて良好で、その市がある都道府県庁よりも待遇が良いところもあったりします。
50代町村役場職員の年収・給料・ボーナス
年収 | 月給 | ボーナス | |
48歳〜51歳 | 671万円 | 428,944円 | 156万円 |
52歳〜55歳 | 695万円 | 442,212円 | 164万円 |
56歳〜59歳 | 708万円 | 449,584円 | 168万円 |
町村役場の50代公務員の年収は、600万円代後半〜700万円代前半といったところ。
町村は自治体の規模が小さいので、平均年収も低めです。
50代公務員の年収は個人差が大きい
50代公務員の年収について、自治体タイプ別に書きましたが、これらの金額はあくまで公式統計から推計した「平均値」にすぎません。
50代ともなると出世にも大きな差ができているので、その分年収・給料・ボーナスにも個人差があります。
優秀な方は部長や局長といった「幹部」になり、年収1,000万円以上に到達。
一方で、出世に興味がない方・やる気があまりない方は出先機関をぐるぐる回る感じで渡り歩き、係長や課長補佐クラスで定年を迎えるので年収は700万円程度です。
ただ、幹部になって年収1,000万円をもらうのが良いかと言われると一概にそうは言えません。
- 部長まで出世して年収1,000万円
→若いうちからプライベートを犠牲にするほど必死で働いて到達 - まったり年収700万円
→出先を中心に回り、業務量も少なく残業もほぼゼロで到達
公務員の場合、どんなにやる気がないor仕事をしない人でも、最終的に700万円程度には到達するので、こちらの方がコスパは良いとも考えられます。
「部長で定年を迎える人」と「係長で定年を迎える人」とでは、業務量も業務レベルも比べ物になりません。
なので正直なところ、300万円程度の年収差であれば、仕事をサボった方が賢いと思ってしまいます…
また身を粉にして頑張っても、上に気に入られない限り、出世して年収1,000万円に到達するのは無理ですしね。
50歳公務員の年収が魅力!公務員になりたい!と思った方へ
50代公務員の年収について書きましたが、ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
以下の記事を参考に、ご自身に合った方を選んでください。
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