こんにちは!元公務員のHiroshiです。
人と接するのが苦手なコミュ障の方の中には、「公務員はデスクワーク中心で、人とあまり話す必要がなさそう」と感じている人もいますよね。
ですが、本当のところはどうなんでしょうか?
そこで今回は、「公務員の仕事とコミュニケーション能力の関係」というテーマで、公務員の仕事はコミュ障に合っているのかについて取り上げます。
ちなみに、この記事を書いている僕は元県庁職員です。
僕の県庁時代の経験をもとにしているので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
前提:コミュ障でも公務員試験には合格できる
前提として、コミュ障でも公務員試験には合格できます。
その理由は以下の3つ。
- 公務員試験は1次試験でガッツリ落とすタイプの試験
→面接の倍率はせいぜい2倍程度 - 受験生の面接レベルも決して高くない
→コミュ障が多いから、コミュ障同士の争いという面あり - 面接官のレベルも高くない
→コミュ障を見極める力はあまりない
つまり、面接のときだけ気合いを入れて頑張れば、コミュ障どうしの争いにも勝てる可能性が高いということ。
コミュ障どうしの争いに勝つ方法も決して難しくありません。
- 自己分析をしっかりとする
- 想定される質問に対する答えを用意してそれを覚える
- 本番ではそれをニコニコ笑顔で答える
とにかく自己分析をして、想定問答集を作り込めばだいたいイケます。
公務員試験の面接で聞かれる質問なんて、大半が本に書いてあることや面接カードから深掘りした内容なので、どんな質問がされるかの予想はつくはず。
その答えを自分なりに用意しつつ、本番ではそれを笑顔で答えていけば、十分に合格圏内に入ることができます。
実際に僕も超人見知りのコミュ障人間でしたが、面接の前には想定問答集を作り込み、本番では気合いを入れてニコニコ笑顔で話した結果、県庁には首席入庁でした。
(以下で具体的な面接対策について書いています)
公務員の仕事にはコミュニケーション能力は必要か?
ここから本題です。
ルーチンワークのイメージが強く、コミュニケーション能力がなくてもできると思われがちな公務員の仕事。
実際のところはどうなのか、元県庁職員の僕の経験をふまえると(行政職を想定しています)…
公務員でも基本的なコミュニケーション能力は必要
公務員といっても、基本的なコミュニケーション能力は必要です。
- 上司への報告・連絡・相談
- 窓口での住民対応
- 組織内外でのやり取り・調整
公務員の仕事では、部署によって関わる人の種類や数は異なります。
ただ、相手に聞かれたことを答えたり、相手に伝えるべきことをしっかりと伝えたりという基本的なコミュニケーション能力は求められますね。
特に、上司への報告・連絡・相談については、どんな部署に配属になっても共通して行うべきことなので、同じ職場の人とのコミュニケーションは最低限必要です。
高度なコミュニケーション能力は不要
前述のように、基本的なコミュニケーション能力は確かに必要ですが、そこまで高度なコミュ力はいらないです。
高度なコミュニケーション能力と言っても抽象的ですが、具体的には以下のような感じでしょう。
- どんな人とも仲良くなれる
- どんな話題にも対応できる
- 一緒に仕事をする人のことを考え、その人が喜ぶことをする
- 周りの雰囲気を明るくでき、誰からも好かれる
公務員の場合、やるべき仕事をきっちりとやり、かつ上への報告等を怠らなければ、特に上司から何か言われたりすることはありません。
そのため、自分の仕事を淡々とやるという、ある種ドライなスタンスでも十分なんです。(それでも給料は上がっていきますし)
実際、必要以上にコミュニケーションを取らないという方も結構多いですね。
公務員は飲み会もあまりないので、コミュニケーション能力がない人・人と接するのが苦手な人でも安心でしょう。
出世したければ高度なコミュニケーション能力が必須
これまでの話では、
「公務員は基本的なコミュニケーション能力は必要だけれど、そこまで高度な水準は求められない」
という感じでした。
ただ、出世したいならば話は別です。
出世するにはコミュニケーション能力がかなり求められますね。
なぜなら、出世するには「調整能力」が必要だから。
つまり、一緒に仕事をする人への気遣いをしたり、交渉ごとをうまく進めたりする能力がある人が出世するんです。
そういう人って、やっぱり一緒に仕事をしていて周りは気持ちが良いので、自ずと上からの評価も上がります。
公務員の仕事は数字で成果が見えにくいため、出世の基準は「上からの評価」がすべて。
となると、高度なコミュニケーション能力を持っている人が出世していくのは当然ですね。
https://public-allabout.com/koumuin-advancement
公務員の仕事の中には、コミュ障にも務まるものもあるけれど…
「公務員でも基本的なコミュニケーション能力は必要」という話でしたが、ぶっちゃけ公務員の仕事の中には、あまりコミュニケーションをとる必要のないものもあります。
具体的には、ルーチンワークばかりの部署であったり、公立の図書館や美術館などですね。
そして、コミュニケーションが苦手な人は、人とのコミュニケーションがほとんどいらない部署に異動できる可能性が高いです。
なぜなら、公務員の人事は、できる人・優秀な人を中核的な部署に異動させてバリバリ仕事をやってもらい、逆に仕事ができない・やらない人には重要な仕事をさせないようになっているから。
つまり、所属元の上司から人事課の方に「コミュ障」として報告された人は、必然的にルーチンワークが多い部署やヒマな部署に行けるんです。
そういう部署はコミュ力がさほど必要ないので、コミュ障の方でも安心。
また、公務員の給料はご存知のとおり年功序列です。
たとえコミュ障でももちろんクビにはなりませんし、給料は年功序列でしっかりと上がっていきます。
最初の数年は厳しいかもしれない
ただ、最初の数年は厳しいかもしれません。
なぜなら、人事の側も「コミュ障である」ということが分からないため、コミュニケーション能力が必要とされる部署に放り込まれる可能性も十分にあるから。
また、入庁5年程度はある意味「教育期間」と捉えられ、出先と本庁の両方を経験するパターンが多いです。
となると、やはりコミュ力が求められる仕事をすることになる可能性が非常に高いでしょう。
まとめ。「コミュ障だから公務員」は短絡的すぎる
コミュ障でも公務員試験に合格することはできますし、公務員に求められるコミュニケーション能力の水準はそこまで高くありません。
また、本当にコミュ障の公務員は、コミュニケーションがあまり求められない部署に異動できる可能性も高いです。
しかし、それでも最初の数年は高いコミュ力が必要な部署に放り込まれることも十分にあるわけなので、「コミュ障だから公務員になる」というのはあまりおすすめしません。
もちろん、仕事をする中でコミュ障が克服できれば良いでしょう。
ただ、コミュニケーションが苦手にもかかわらず、人と積極的にコミュニケーションを図ることが求められる職場に入ってしまうと、ストレスで自分が潰れてしまうかもしれません。
世の中に仕事なんていくらでもあります。
公務員よりもコミュ力が求められない仕事もたくさんありますよ。
Web系のIT企業とかだと、コミュニケーションは全てチャットで完結・リモートワークOKという企業も数多くあります。
なので、コミュ障だという方は、安易にイメージだけで公務員になると決めるのではなく、色々な選択肢を検討してみましょう。
以下のnoteでは、僕の2年間の公務員経験から「受験前・入庁前に知っておきたい、公務員のリアルと未来」を書いています。
公務員になる方・公務員を考えている方が絶対に知らないと後悔することを詰め込んでいるので、気になる方はぜひどうぞ。