都庁職員の年収・給料・ボーナス額は?
総務省の最新の統計資料より、都庁職員(一般行政職)の年収・給料(月給)・ボーナスを算出しました。
- 年収:715万3,660円
(全国平均:663万2,681円)
- 月給:44万4,605円
(全国平均:41万1,530円) - ボーナス:181万8,400円
(全国平均:169万4,321円)
※平均年齢:東京都41.5歳、全国43.1歳
都庁は全国に比べて平均年齢が2歳ほど若いにもかかわらず、年収は50万も高いのですから、やはり待遇は非常に恵まれているかと。
もちろん都道府県庁の中ではトップの金額です。
なお、「他の県の年収も気になる!」という方は、以下の記事にて全都道府県の年収・給料・ボーナスをまとめていますので、あわせてご覧ください。
都庁の給料が多い最大の理由は、手当額が多いことです。
手当を抜いた「給与」では、東京都は全国ワースト3位の31万4,490円になります。
※ワースト1位の沖縄県は30万8,980円、2位の千葉県は31万2,096円
しかし、手当額が13万円を超えており全国トップ。
これは2位の神奈川県よりも2万円ほど多い数値です。
手当額が多い最大の要因は「地域手当」です。
地域手当は「物価調整手当」のようなもので、物価が高い都会ほど支給額が多くなります。
全国平均が12,000円程度のところ、東京都の地域手当は6万7,000円ほどになっています。
地域手当の金額は時間外勤務手当(残業代)やボーナスにも直結するため、都庁職員の収入は他と比べて圧倒的に多いのです。
ただ、地域手当が高い=生活コストが高いということなので、他の県庁にくらべて良い生活ができるということにはならないので要注意。
年齢別・東京都庁職員の年収【モデル年収を見ながら】
41歳で平均700万円以上もらえる都庁職員ですが、都庁が公開しているモデル年収を見ながら、年齢ごとの年収を見ていきましょう。
なお、他の県との違いを見るために、平均的な年収モデルの県である群馬県と比較して考えていきます。
都庁のモデル年収
群馬県のモデル年収
上のモデル年収を見ると東京都がいかに収入が高いか分かりますよね。
一般的な県庁と比べると、25歳で30万円・35歳で100万円・45歳で400万円も年収が異なります。
モデル年収を鵜呑みにしてはいけない
モデル年収はあくまで「順調に出世した人の年収」なので、事実とは異なる部分も多くあります。
モデル年収では、都庁は45歳で1,000万円超、50歳で1,200万円超になっていますが、45歳で課長・50歳で部長になれる方はほんの一握りのエリートだけでしょう。
これを裏付ける資料として、東京都人事委員会が出している「東京都の職員構成」というものがあります。
これによると、平成30年の職員構成は…
- 1級職(主事・係員):35.7%
- 2級職(主任):23.3%
- 3級職(課長代理):17.5%
- 3級職(統括課長代理):4.1%
- 管理職(課長・部長・局長等):7.1%
※残りの12.4%は技能系職員
となっています。
課長以上は全体の7.1%しかいないので、モデル年収にあてはまる職員がいかにエリートかお分かりいただけるかと。
なお、東京都は昇任試験を課している(後述)ため、年齢が上でも昇任試験に合格しない限りは出世しません。
そのため、あまりモデル年収等は鵜呑みにせず、あくまで目安としてご理解ください。
東京都庁は昇任試験を課しているので年収格差あり
東京都は他の県庁等と異なり、昇任試験を課しています。
昇任試験に合格すれば若いうちからでも出世できますし、逆に合格できないと年齢を重ねても一生ヒラなので給料が上がりません。
ー「東京都の職員構成」より抜粋
上のグラフを見るとわかる通り、30代で管理職(課長以上)になる方がいる一方、40代・50代でも1級職(主事・係員級)が一定数いますよね。
これは他の自治体では通常ありえないことです。
僕のいた県を含め、都庁以外の自治体では40代くらいまでは同期ヨコ並びで昇格し、そこからは差がついていくという感じですからね。
係長級(都でいう課長代理)にはほぼ必ずなれます。
一方、昇任試験を課している都庁では最速だと29歳で課長代理になり、30代で課長になれますが、一生ヒラで終える可能性もあります。
つまり、都庁の平均年収は41歳で715万円と前述しましたが、それは全体をならした平均値であって、同期でも収入格差が非常に大きいということです。
都庁のトップクラスである「局長」の年収は2,000万円にも登ると言われます。
しかし、その局長と同期(50代後半)でも昇任試験に受からない=1級職ならば、おそらく年収は600万円〜700万円程度でしょう。
都庁は財政的に余裕があり、平均年収が高いですが、昇任試験に合格できないと年収は上がっていかないということに留意しないといけません。
逆にいうと、都庁では30代で課長になれる可能性があるというように、若手でも実力次第でどんどん出世できる先進的な体制が整っているということですね。
都庁以外の大半の自治体では、勤続年数がのびれば昇格していきます。
僕のいた県庁の例でいうと…
- 入庁〜20代:主事
- 30代:主任に昇格
- 35歳〜40歳:係長に昇格
というイメージで、あとは実力勝負という感じでした。
(多くの職員が係長の上の「課長補佐級」には到達)
このように、役職がある程度まで上がるのは約束されている一方、どんなに優秀でも若手のうちから大幅に出世する可能性はゼロです。
課長になれるのはどんなに早くても50歳以降ですね。
その点、都庁は優秀な職員は年齢問わずをどんどん登用しようという制度が整っており、大変すばらしいと感じます。
特別区と東京都庁ではどちらが年収が多いの?
同じ東京の自治体である「特別区(23区)」と東京都庁とではどちらが年収が多いのでしょうか?
特別区と都庁は受験日が同じなので、気になる方も多いですよね。
結論からいうと、都庁の方が多いです。
- 都庁:715万3,660円
(平均年齢41.5歳) - 特別区:688万9,414円
(平均年齢41.6歳)
年収ベースでいうと、だいたい30万円程度の差がありますね。
とはいえ、特別区年収ランキングトップの杉並区は732万円なので、都庁の水準を超えています。
なお、特別区の給料事情について詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
23区ごとの年収など、かなり詳しいデータも載っていますよ。
都庁職員の年収が魅力!公務員になりたい!と思った方へ
都庁職員の年収について書きましたが、ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
以下の記事を参考に、ご自身に合った方を選んでください。
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都庁の年収に関するまとめ
本記事の内容をまとめます。
- 都庁職員の平均年収は715万円(41.5歳)で、全国の都道府県庁の中でトップ
- 年収が多いのは地域手当などの諸手当の金額が多いため
- 都庁では昇任試験を課しているため、同じ年齢でも収入格差が大きい
- 都庁と特別区では都庁の方が収入が多いが、一部都庁よりも平均年収が高い区もある
今回は以上になります。ありがとうございました。
行政職公務員(国家・地方)の給料に関する完全まとめはこちら