こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今日は公務員試験における「民法」の勉強方法について解説していきます。
民法は条文が1000を超える法律であり、非常にボリュームのある科目ですが、ポイントをしっかり抑えることで得点源にできる科目です。
【公務員試験】民法とは
民法とは、私人間の権利義務関係について定めた「私法の一般法」のことを言います。
より砕けた感じで説明すると、「お金の貸し借り」や「物の売買」など、人と人(または人と会社、会社と会社など)が関わる際のルール(権利や義務)について定めた法律といった感じです。
人と人とが関わる場面を考えてみると、お金の貸し借り・譲渡・相続、土地の貸し借り・譲渡・相続、時効、結婚・離婚などなど数えきれないほどありますよね。
そのため民法は条文が非常に多くなっています。
なお、民法は公務員試験における出題分野として、
- 民法1:総則・物権・担保物権
- 民法2:債権総論・債権各論・家族法
に分けられているのも特徴的です。
つまり民法は1つの科目で2科目分のボリュームがあると考えられます。
公務員試験で民法はどれくらい出題されるの?
民法は公務員試験においてどれくらい出題されるのか詳しく見ていきます。
- 国家総合職:12問(全40問回答)
- 国家一般職:10問(全80問から40問回答)
- 特別区Ⅰ類:10問(全55問から40問回答)
- 地方上級:4〜6問
このように、民法は非常に配点が大きいことが分かりますよね。
特に国家公務員や特別区を受験する場合、民法は非常にウェイトの大きい科目なので、得点できないと合格がかなり厳しくなります。
とはいえ、下で書く勉強法を参考にしながら勉強を進めていけば高得点が期待できるので、安心してください。
公務員試験における「民法」の勉強法
膨大な量のある民法の勉強法について、民法に触れた経験のある方(主に法学部の方)と触れた経験のない方(法学部以外の方)に分けて書いていきます。
ちなみにいずれの方の場合も、憲法の学習を終えてから民法の勉強に取り掛かるようにしましょう。
民法の触れてきた方(法学部の方)の勉強法
法学部出身者など、民法に触れてきた方は問題演習を始めましょう。
おすすめは「スーパー過去問ゼミ」です。
スー過去はレジュメ部分の解説が詳しいので基本が確認できるのに加え、問題が非常に新しく、最新の傾向を加味した演習ができます。
ただ、法学部の方がスー過去の民法を解いてみても、おそらく1周目は間違えまくります。
法学部の授業で教わることと、公務員試験で問われる細かい知識は勝手が違うので、ミスを連発するでしょう。
県庁の専門試験で満点を取った法学部出身の僕も、最初(1周目〜2周目)は間違えまくりました。
でもこれについては問題演習を繰り返していくと、徐々にできるようになっていくので大丈夫です。
膨大な量のある民法ですが、できるまで繰り返すことを意識して取り組みましょう。
民法に触れてこなかった方(法学部以外の方)の勉強法
今まで民法に触れてこなかった方がいきなり問題演習をしても、おそらくつまづいてしまいます。(担保物権や債権総論は特に難しいです)
そのため、今まで民法に触れてこなかった人は入門のための本を読んでおきましょう。
軽くでも読んでおくと、民法の考え方がなんとなく分かってくるので、勉強がしやすくなります。
入門書を読んだら、スーパー過去問ゼミを使った演習に入ります。じっくりとレジュメ部分を読み込んで、演習をしましょう。
ただ、入門書を読んだ段階では基礎の基礎しか身についていないと思われるので、多分間違えまくります。
でもスー過去を何周も解いていき、復習をその都度していくうちに勝手にできるようになるので安心してください。
なお、法学部出身者にも言えることですが、スー過去のレジュメ部分をノートやルーズリーフに自分でまとめていくと、さらに理解が深まっていきます。
書くのは非効率的だと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、自分の中で考えながら書いていくと、理解をしながら覚えられるのでおすすめです。
公務員試験の民法は6〜7割程度でOK
民法はちゃんと勉強すればある程度はできるようになる科目ですが、正直なところ満点を取るのは厳しい科目です。
というのも民法の問題では、最新の判例や改正されたばかりの法律の条文が出てくることがあるから。
民法に関連する判例は結構な頻度で新しいものが出ており、その全てを追うのは現実的ではありません。
とはいえ大半は過去問と似た問題が出るので、スー過去の問題をしっかりとできる状態にしておき、6割〜7割程度できればOKという気持ちでOKです。
法律系科目は暗記が主なので、合格のためには高得点を取る必要があるのですが、民法に関しては話が別で、足を引っ張らなければよいと考えてもらって構いません。
なお、多くの公務員試験では問題が選択式なので、民法で全然知らない問題があった際にはその問題を諦めてもよいでしょう。
ちなみに僕は特別区と地方上級試験の際に、民法を何問か解きませんでした(選択しませんでした)が、それでも上位合格できました。
とはいえ、確実に6〜7割正解するためには、スー過去をしっかりとマスターしておくことが重要なので、スー過去を繰り返し解いておきましょう。
公務員試験の民法は分野を絞るのも戦略
専門試験は選択式とはいえ、なるべく多くの問題が解けた方が良いのは言うまでもありません。
ただ、民法は前述の通り出題数が膨大で、なおかつ分野ごと(総則、物権など)に出題されても1問〜2問なので、時間が限られている人の場合は捨て分野を作るのも手です。
具体的に言うと、難しい担保物権・債権総論の2つは捨てて、他の分野の勉強に集中するという感じですね。
捨て科目をつくるのはあまり良いこととは言えないのですが、公務員試験をトータルで考えると効果的ではあります。
自分の勉強の進捗具合と理解度、また試験を戦う上での戦略を考える上で検討してみると良いかもしれません。
まとめ
公務員試験における民法の学習方法についてまとめておきます。
- 民法は出題数が多く、また範囲も非常に多い科目である
- 民法の勉強は、憲法の学習がひと段落したらスタートしよう
- 民法に触れたことのある人は問題演習から、触れたことのない方は入門書を読んでから問題演習に入ろう
- 民法は条文の改正や最新の判例を交えた問題が出題されるので、満点を取るのは難しい。6〜7割くらいできればOK
- 民法は範囲が広く、すべて対策するのが時間的に厳しい場合は、難易度の高い担保物権や債権総論は捨てるのも手。
民法は範囲が膨大で、勉強していて心が折れそうになるかもしれませんが、焦らずに1つ1つ潰していけば必ずできるようになります。
公務員試験の専門試験における1つの山場といえる「民法」。これをマスターすると、合格にグッと近づきますので、ぜひ頑張ってください!
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- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
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有料noteのほか、公務員試験に関する情報については当ブログでも発信しています。
民法をはじめとした「専門科目」の対策については、以下の記事にてまとめています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(ぶっちゃけこっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。