こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員になろうと思っているから気になる…
有給休暇は、公務員を考えている大学生・社会人にとって大きな関心事です。
「公務員=しっかり休める」イメージは本当なのか、気になる人はとても多いです…
僕も大学生の頃にはかなり気にしていました。笑
そこで今回は「公務員の有給事情」をリアルな部分まで解説します。
本記事の内容
- 公務員の有給休暇の概要(日数・付与日・その他の仕組み)
- 公務員はどれくらい有給が取れる?【統計データから】
- 統計からは見えない、公務員の有給事情のリアル
この記事を書いている僕は、県庁に勤めていた経験を持つ元公務員。
本記事を読むことで「公務員の有給の実態」が分かるので、職業選択に生かせるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
※動画でも解説しているので、あわせてご覧くだささい。
公務員の有給休暇(年休)の概要
公務員の場合、有給を年休(年次有給休暇の略)と言ったりもします。
まずは付与される日数・付与日・その他の仕組み等の概要を説明します。
有給の付与日数は年間20日。1年目からもらえる
公務員は、年間20日間の有給休暇がもらえます。
おそらく、大手など多くの民間企業の同じ水準かと。
ただ、公務員の場合は入庁1年目から有給が付与されます。
入庁した段階で有給休暇が取れるようになっています
民間企業の場合、1年目は入社して半年ほど経たないと有給がもらえない場合が多いです。
その点、公務員はかなりレアで恵まれていると言えます。
若干少ないですが、それでも4月の段階で15日付与はかなり大きいかと。
(4月の段階で20日もらえる自治体もあります)
有給の付与日は1月1日。20日まで繰り越し可能
公務員の場合、有給は毎年1月1日に付与されます。
そして使わなかった有給は、20日まで翌年に繰り越し可能です。
1年目の12月末までに10日間有給を使った場合、翌年の1月には有給が20+5=25日になります
ただ、有給休暇は法律上「2年で時効消滅」します。
そのため、1年間の有給日数は最大でも40日間です。
公務員は有給を1時間単位で消化できる
一般企業だと、有給は1日or半日単位でしか使えない場合が多いです。
しかし、公務員は有給を1時間単位で取得できます。
時間休があるおかげで、非常にフレキシブルに休むことが可能。
- 午後に2時間ほど抜けて病院に行く
- 早く仕事が終わった日には、少し早めに帰る
- 時間休をとって朝ゆっくり出勤する
上記のように、有給休暇と業務を自由に組み合わることができます。
この時間休は、公務員の有給の素晴らしいポイントですね。
公務員の有給休暇(年休)の取得日数【統計データから】
年間20日間の有給休暇がもらえる公務員。
実際に「何日くらい休んでいるのか」は、総務省からデータが発表されています。
公式データ上の有給取得日数
- 国家公務員:14.8日
- 都道府県庁:12.4日
- 政令指定都市:13.9日
- 市区町村:11.0日
ちなみに民間平均が9.4日です。
国家公務員・地方公務員ともに、有給取得が促進されているのが分かりますね。
まずは「官」が手本を見せようという姿勢の表れかもしれません
実は取れない?公務員のリアルな有給事情を語る
前述のとおり、国家公務員・地方公務員の有給取得日数は10日以上あります。
しかし、一概にそうは言えず、有給があまり取れない可能性もあります。
なぜなら、この数字はあくまで「平均」だからです。
【経験談】有給は「部署」と「個人」による
有給が取れるかどうかは、部署と個人の2つによります。
つまり、業務の忙しさが有給取得に大きく影響します。
- 激務部署・業務量が多い人:有給を使う余裕がない
- 業務に余裕がある人(例:出先機関):フル消化も可能
例えば上記のとおり。
(行政職の場合、基本的に忙しさは「本庁>>>出先」です)
当然ですが、基本的にやるべき仕事を放り出して休むのはNGです。
となると必然的に、有給を使って休むのは業務に余裕がある時になります。
平均をとってもリアルは見えてきません
ちなみに僕は県庁の産業振興系の部署にいましたが、有給取得日数は10日に満たない程度でしたね。
同じ部署の中でも、10日以上取っている方はかなり少なかった印象です。
「休める時は休もう」とする雰囲気はあった上、産業振興系は全体的にさほど激務部署ではありません。
それでも業務の都合上、10日以上有給を取るのは難しかった記憶があります
財政課・秘書課・保健福祉系などの激務部署だと、有給日数はもっと少なくなる可能性がありますね。
出先にいた先輩は「フル消化してよく旅行をしていた」と言っていました。
個人の性格にも左右される
また、有給取得は「個人の性格」にも左右される部分です。
- 休むと申し訳ない気持ちになる
- 責任感が強すぎて、有給を取ることに対して気にしてしまう
- 有給を取る=周りによく思われないと感じてしまう
上記のような方は、なかなか有給を取れないでしょう。。
総じて、公務員の有給取得日数は「平均11日」と相対的に多いです。
しかし、諸々の事情を考慮しての「平均11日」であり、必ずしも休めるわけではありません。
ちなみに、役職が上の人ほど休む日数が少ない印象がありました。
課長補佐以上だと責任も大きいですし、なにより仕事が好きな人も多いように感じますね。
僕の県庁時代の課長は2人いましたが、2人ともほとんど有給はとっていなかったです。
【断言】公務員の有給は確実に恵まれている【理由も聞かれない】
公務員の有給はかなり個人差が大きい部分であり、必ずしも多く有給が取れるわけではありません。
しかしそれでも、公務員は有給に関して確実に恵まれています。
有給取得を奨励する雰囲気
まずは、有給に対する雰囲気的な話。
- 有給は積極的に取るように
- 休める時にどんどん休むように
上の人はこんなスタンスであり、有給に対して文句・嫌味を言われたことは一切なかったです。
もちろん自分の業務を怠るのは当然NG。
しかし逆に、自分の仕事さえしっかり行っていれば、何か上から言われることはないはず。
有給取得に際して特に理由も聞かれない
有給は上司にシステムで申請して取る形式でした(おそらく多くの自治体が同じかと)。
一応事前に確認するのが通例でしたが、直前でも普通にOK。
理由を聞かれることも特になかったです。
この流れが普通で、その後すぐに「申請→承認→次の日に有給」の感じでしたね。
強いて言えば、出張等で人が少ないときは例外。
「電話対応のために残って欲しい」と言われることが本当にたまにありました。
総じて職場や上司の雰囲気的に、有給をとりやすいのは間違いなし(業務量とはまた別の話です)。
僕の経験上、公務員は有給に関して非常に恵まれています。
公務員の有給は「時間休」が非常に便利
少し前述しましたが、公務員は1時間単位で有給を取れます。
この「時間休」が本当に便利で、色々な使い方をしている方がいましたね。
寝坊→1時間の時間休は割と定番の使い方でした。笑
(ちなみに僕は、飲み会の次の日の午前中によく時間休を取っていました)
「僕は有給取得日数が10日以下だった」と前述しました。
しかし、実際には時間休を多めに取っていて、丸一日休むことが少なかったのもあります。
業務量が多くてかなり忙しい人も、時間休はうまく使って休んでいたイメージです
時間休を含め、公務員は有給が恵まれているのは間違いありません。
おそらく一般的な民間企業に比べると、制度も雰囲気も上だと思われます。
年次有給休暇以外の公務員の休暇
公務員は土日祝日が休み、かつ有給休暇があります。
それ以外にも代表的なものとして「夏季休暇」と「年末年始休暇」があります。
公務員の夏季休暇とは
夏季休暇は、7月〜9月の間に与えられる5日間の休暇のこと。
自分が好きなときに休めるので、季節限定の有給休暇と考えれば良いかと。
お盆のところにそのまま夏季休暇をぶつけることもできます。
あえて違うときに夏季休暇をとって、格安で旅行をするのも可能です。
ちなみに年齢が上の人ほど、お盆に夏季休暇を取る方が多いです。
逆に若手職員はあえてお盆には出勤し、お盆明け〜9月頭くらいに旅行に行く人が多かったです。
僕もお盆に出勤し、8月終わりに海外一人旅に行きました。
なお、この夏季休暇は取得率がほぼ100%です。
「必ず取るように」と言われるので、有給以上に休みやすいですね。
公務員の年末年始休暇について
年末年始休暇は、12月29日〜1月3日の6日間与えられる休暇です。
土曜日や日曜日がうまく重なれば、年によっては最大9連休になりますね。
年末年始は業務が落ち着いていることが多く、有給休暇をくっつけて連休を多く取るよう推奨されます。
年末年始・GW等で積極的に有給を取得しないと、有給の取得日数が伸びないんですよね。
上にとっても、職員の有給日数は評価項目の1つ。
そのためか、年末年始+有給取得を積極的に呼びかけている印象でした。
公務員の有給休暇事情に関するまとめ
公務員の有給休暇について書きました。
データ上は、公務員は有給日数がかなり多い水準にあります。
しかし、有給に関しては部署や個人による部分が大きく、必ずしもたくさん休めるわけではないので要注意。
とはいえ、雰囲気や時間休の制度などを考えると、確実に恵まれていると言えます。
加えて夏季休暇・年末年始休暇等も充実しており、休暇に関しては不安に感じる心配はありません。
本記事が、公務員を考えている方の参考になれば幸いです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
公務員になりたい方へ
ここまで読んで「公務員になりたい」と思った方もいるはず。
ぜひ以下の記事を参考に、公務員になるための準備をしましょう。
勉強を始める前に行うべきこと
「最初に必ず行うべきこと」を詳しく解説しています。
(紹介している無料ガイドブックは社会人向けですが、学生にもかなり参考になるはず)
公務員試験の予備校比較
大手の予備校について、元県庁職員の視点からまとめています。
公務員試験の独学対策
独学で県庁に首席入庁した僕の勉強法などを以下の記事でまとめています。