こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員試験は「難しい」とされる試験です。
それ故に「公務員になりたい」と思っても、最初から自信をなくしたり、自分には無理だと諦めてしまいがち。
ただ断言しますが、公務員試験はさほど難しくありません。
今回は「公務員試験は難しいのか」について取り上げます。
本記事の内容
- 公務員試験が難しいと言われる3つの理由
- 【断言】公務員試験は、実は難しくない
- 【参考】公務員試験の難易度ランキング
- 公務員試験に合格するための勉強法
この記事を書いている僕は、県庁に首席入庁した経歴を持つ元公務員。
今回は、僕自身の公務員試験の経験をもとに書いていきます。
本記事を読めば「公務員試験は難しいから諦めよう」との考えが消え、モチベーションが上がるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員試験が難しいと言われる3つの理由
前提として「公務員試験=難しい」と言われる理由についてです。
- 倍率が高いこと
- 勉強する範囲が膨大で、難しい科目や問題もあること
- 最近は人物重視の傾向が強いこと
上の3つが主な理由だと言えます。
理由①:倍率が高い=合格率が低い
まず挙げられる理由が「倍率」です。
公務員試験は倍率が高い場合が多く、5〜10倍くらいは普通です。
簡単に言えば、受験者の「10人に1人」しか受からない計算になります
合格率で言えば、10〜20%くらい。
競争率は高いと考えるのが自然なので、難しいと言われるのも納得です。
理由②:勉強範囲が広く、難しい科目や問題もある
理由の2つ目が「筆記試験の内容」です。
公務員試験は「とにかく勉強する範囲が広い」のが特徴的。
- 教養試験:センターレベルの英国数社理+時事+数的処理
- 専門試験:大学レベルの法律や経済など
筆記試験では上の2つが課されることが多く、合計で30科目ほど出題されます。
また中には、難しい&受験生が苦手にしている科目もあります。
- 数的処理:数学的なパズルっぽい問題
- 民法や行政法:量が多く、理解もやや難
- ミクロ経済学・マクロ経済学:理論を抑えつつ、計算問題も多数出題
この辺が代表格で、難しい故に差がつきやすい印象です。
勉強する範囲が広い上に、理解が難しい問題もある…
当然ですが、合格レベルまで持っていくのは簡単ではないでしょう。
理由③:最近は人物重視の傾向が高い
3つ目の理由が、最近の公務員試験の傾向です。
筆記試験に合格すると、今度は面接などの2次試験が待っています。
特に地方公務員では、最近は人物重視の傾向が強く、面接の配点が筆記の数倍あるのもザラ です。
いくら筆記に合格しても「面接がダメだったら落ちる」と考えられます
また筆記とは異なり、面接や論文は手応えと実際の点数に差が生じる場合があります。
採点もやや不透明になるので、筆記に比べると対策が難しいと言えるでしょう…
【断言】公務員試験は難しいわけではない【大変なだけ】
前述のとおり、公務員試験は倍率も結構高いですし、勉強する範囲も膨大。
そして昨今は人物重視にもなっているので、難しいと言われるのも納得です。
しかし、実際に公務員試験を受けた経験から言うと、別に公務員試験は難しくありません。
もちろん大変ではありますが、正直ビビるほどではないですよ。
公務員試験が決して難しくない理由、それは主に試験の性格・システムによるものです。
理由①:1次試験は「暗記」でOK。問題も基礎レベル
前述のとおり、1次試験の筆記は範囲が広いので、難しいと言われるポイントです。
しかし、基本的に全て「暗記」で対応できます。
- 法律系科目:条文・判例の暗記
- 経済系科目:理論の暗記+暗記した理論に基づく簡単な計算
- 政治系科目:理論や学者の暗記
- 数的処理:解法の暗記
その他、教養の自然科学や人文科学ももちろん暗記ですね。
暗記ではないのは、教養の文章理解(英語や現代文)くらい。
しかし、文章理解は高校受験・大学受験でも馴染みがある上、問題はセンターよりも簡単なレベルです。
勉強せずに高得点が取れる方も多いはずです。
現時点で苦手な方も、訓練すれば問題なく点数が取れるようになります。
また、問題自体も基礎レベルです。
基本的に5択ですし、そこまで難解な問題は出題されません。
才能もまったく不要で、最初は苦しくても、反復して覚えれば解けます。
さらに、筆記試験の問題は、基本的に「過去問の焼き増し」です。
同じような問題ばかり出題されるので「テキストで理解→過去問演習」を繰り返せば点数が上がります。
時事問題は過去問にありませんが、これも「速攻の時事」を暗記すれば問題ありません。
つまり、筆記試験は参考書や過去問をゴリゴリに勉強をして、それを覚えれば通過できる単純な試験です。
しかも6割〜7割の得点率でOK。
必要な勉強量は多いので大変ではありますが、決して難しいわけではありません。
理由②:実は倍率も大したことない
公務員試験の倍率は5〜10倍程度と高く、難しいと言われる1つの要素です。
しかし、実はこの倍率も大したことありません。
理由としては、以下の2点です。
- 記念受験組・あまり勉強していない人も多数いる
→筆記は6〜7割取れば受かる - 面接での倍率はさほど高くない
記念受験組も多数
公務員試験は受験料が無料です。
そのため「とりあえず受ける=記念受験」の人が実はかなり多いんですよね。
そういう人はもちろん落ちます。
また、申し込みだけをして当日来ない人も多数です
つまり、倍率が10倍とは言っても、全く勝負にならない人が多いわけです。
いくら倍率が高くても、しっかり勉強すれば全然問題ナシですよ。
どんなに倍率が高い試験であっても、です。
面接の倍率はさほど高くない
公務員試験は高倍率に見えますが、実は面接の倍率はさほど高くありません。
以下は、2019年度の特別区の公務員試験の実施状況になります。
1次受験者 | 1次合格者 | 2次受験者 | 最終合格者 |
11,501名 | 4,244名 | 3,219名 | 2,032名 |
– 出典:特別区人事委員会
ご覧のように、1次(筆記)の倍率は3倍弱と高め。
しかし、2次の倍率は2倍を切っていますよね。
つまり、筆記で受験者をごっそりと落とし、面接ではあまり落とさない傾向にあるんです。
これは特別区に限った話ではなく、県庁などの他の公務員試験でも同じような感じです。
2人に1人も受かると考えれば、全然イケそうな気がしてきませんか?
民間の大手企業だと、面接の倍率が何十倍になることも普通。
それを考えると、公務員試験の面接がいかに難しくないかが分かりますよね。
理由③:面接受験者のレベルも決して高くない
また、面接自体も決して難しくありません。
なぜなら、公務員試験の面接には、言い方は悪いですが「ヤバい人」が結構多いから。
- 相手の目を見て話せない
- 会話ができない
→聞かれたことに対して的外れな回答をする - 集団討論にて、議論をすべて否定するクラッシャー
上記のようにコミュニケーション能力が圧倒的に低い人も一定数います。
ちなみに、すべて僕が県庁を受験したときの集団討論で同じグループだった人です。
この類の受験者は、面接で勝手にコケてくれます。
必然的に、面接ではごく基本的なことさえできれば、十分に合格ラインに達しますよ。
- 自己分析をして、自分の長所を面接官に伝える
- 相手の目を見て話す
- 笑顔で論理的な会話する
面接重視の傾向があるとは言っても、しっかり対策して基本を押さえれば問題ないかと。
また、国家総合職は別としても、普通の公務員試験の受験生にそこまですごい人はほぼいないはず。
本当に優秀ですごい学生は、公務員ではなく大手・外資・ベンチャー等に行く人が多いですからね。
受験者レベルを考慮しても、あまりビビる必要はなし。
特に転職組の方は社会人経験をもとに話せるので、より有利に面接を進められるかと。
関連:【断言】民間から公務員に転職するのは難しい?←そうでもない
【参考】公務員試験の難易度ランキング
ここまでの話に関連して、公務員試験の難易度ランキングを参考までにお話しします。
あくまで僕の経験に基づきますが、一応経験者なので目安としてご理解ください。
難易度ランキング
国家総合職>都庁・地方上級・国家一般職・国家専門職(国税専門官など)・専門ありの市役所>教養のみの市役所>警察・消防
イメージは上記ですかね。
国家総合職は非常にレベルが高いので別格です。
問われる知識量も多い上、競争相手も東大や京大レベルの優秀な層。
ただ、それ以外ならさほど難しくないと捉えてOKです。
県庁などの地方上級・国家一般職・国税専門官などは一般には難しいと言われます。
しかし、本記事の内容が当てはまるので、ビビる必要は一切ありません。
(もちろん相応の努力をすることは大前提ですが)
公務員試験に合格するための勉強方法
公務員試験は難しいわけではありませんが、範囲が膨大で対策が大変です。
勉強の量が最も大事なのは当然として、勉強の方向性も非常に重要になります。
以上をふまえて、公務員試験の勉強方法を解説します。
①:情報収集
勉強する前には、とにかく「情報収集」が必須です。
理由は単純で、情報がないと戦略や方向性を定めることができないから。
- 試験の全体像やスケジュール
- 志望する試験で主題される科目・配点
- 具体的にどんな問題が出題されるか
最低でもこのあたりは押さえないと、戦略を立てられず、勉強の方向性を誤ります。
公務員試験は難しくありませんが、範囲が膨大ゆえに、おそらく全てを完璧に対策することは不可能です。
配点に応じて科目ごとに勉強量を変えたり、時には捨てたりするのも戦略です
戦略なしに始めても、間違った勉強をしてしまう→失敗につながります。
まずは情報収集をして、ある程度の方向性を定めてから勉強をスタートさせてください。
情報収集の方法
インターネットで調べるのももちろんアリです。
しかし、探すのが割と大変な上、信頼性の面で怪しい可能性もあります。
なので、実務教育出版の受験ジャーナル等の書籍がおすすめですね。
なお、社会人の方は「社会人のための公務員転職ハンドブックが超おすすめ。
大手予備校のクレアールが無料で出しているガイドブックで、知るべき情報は全て網羅しています。
情報の信頼性に関しても申し分ないでしょう。
社会人向けですが、学生の方でも大いに参考になると思いますね。
ちなみに詳しい内容は公務員になりたい社会人へ。コレを知らないと大変ですで解説しています。
無料ですが数量限定なので、早めにもらっておきましょう。
※電話番号の入力は任意。しつこい勧誘なし
②:勉強
情報収集で全体像をつかんだら、勉強に移ります。
勉強の方法は大きく「予備校」と「独学」の2つです。
- 予備校:用意されたカリキュラムに従って勉強。サポートも充実
→勉強だけに集中できる - 独学:自分で戦略を決めて勉強できる
→サポートはないので、参考書選び・スケジュール設定も自分で行う
いずれもゴールは「合格」で同じなので、あくまでツールの違いです。
なお、1つアドバイスをすると、お金だけでは考えない方が良いかと。
公務員試験は難しいわけではないものの、勉強が長丁場ゆえに挫折しやすいです。
予備校という「ツール」に課金して、自分を管理してもらった方が確実に挫折はしにくいでしょう
戦略や問題集を自分で考える手間も省ける上、より効果的に対策もできるはずです。
予備校代金は数十万円しますが、公務員1年目のボーナスで回収できます。
リターンを考えたら、「自己投資」と考えて予備校に通うのはかなり合理的ですよ。
ご自身の性格などを踏まえて、慎重に選ぶことを強くおすすめします。
予備校比較について
以下の記事にて、公務員予備校6社を徹底比較しています。
あなたに合った予備校が選べるはずです。
独学勉強法について
戦略面を含めた、独学での公務員試験の勉強法をまとめています。