こんにちは!元公務員のHiroshiです。
なりやすい公務員はないのかな?
安定した「公務員」は、就職先・転職先として一定の人気を誇る職業です。
ただ、基本的に公務員試験は勉強が大変で、難しいと言われます。
それ故に「あまり勉強しなくても受かる穴場的な試験が知りたい」人は多いです。
しかし、公務員試験に穴場なんてありません。
本記事の内容
- 公務員試験に穴場はないと言える理由
- 比較的受かりやすい試験【強いて言うなら】
この記事を書いている僕は、県庁に勤めていた経歴を持つ元公務員。
僕自身の経験に基づいて、この記事を書いていきます。
本記事は、あなたが今後の方向性・将来を決める際の参考になるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員試験に「穴場」なんて無い理由
冒頭でも申したとおり、公務員試験に「穴場」はありません。
つまり「楽をして公務員になることはできない」んです。
その理由を解説します。
理由①:教養試験+専門試験は勉強が非常に大変
行政職の公務員試験で主流なのは、教養試験と専門試験が課せられるパターン。
- 教養試験:センターレベルの国数英社理・時事問題・数的処理など
- 専門試験:法律・経済・政治など、大学レベルの問題
公務員試験は、教養と専門をあわせると「30科目」程度課せられます。
筆記合格に必要となる勉強時間の目安は、「1,500時間」です。
1,500時間は「1日4時間を1年間毎日継続」して到達するイメージ。
勉強としては間違いなく大変ですよね。
都道府県庁レベルの公務員試験に合格するには、かなりの勉強を強いられます。
必然的に、難易度は相応に高いと言えるでしょう。
「勉強が大変=穴場ではない」と考えるのが自然です…
理由②:教養のみでも十分に大変である
確かに市役所等は、教養試験だけで受けられます。
しかし正直、教養試験のみでも十分大変です。
教養試験も出題範囲も広く、勉強がそれなりに大変なのは間違いありません。
教養試験の出題科目数は、約20科目ほどです。
合格には500〜1,000時間程度の勉強が必要と言われます。
ちなみに、1,000時間は「1日3時間の勉強を1年間毎日継続」のイメージです。
また、教養試験は問題内容的にも決して簡単ではありません。
- 基本はセンターレベル
→よほど頭の良い人以外、ちゃんと勉強しないと解けない - 数的処理が多数出題
→クセの強いパズル的な問題。苦手な人が多い
内容面を考えると、ちゃんと勉強しないと合格ラインの6割に到達しません。
総じて勉強量・内容から、教養のみでも合格は十分に大変=穴場とは言えません。
教養のみ市役所は面接も難関
さらに、教養のみ市役所は面接の難易度が高い場合が多いです。
- 面接の倍率が高い:人物重視の傾向
- 面接の回数が多い:3次面接・4次面接まで課される場合も
- 市長が面接官をやるパターンもある
具体的には上記のとおり。
確かに教養のみだと、専門ありに比べると学習負担は比較的小さくなります。
しかしその分面接の難易度が上がることもあるので、必ずしも楽ではありません。
必然的に「穴場」でなくなるのは明白です。
【公務員試験】倍率や科目数で「穴場」と考えるのは浅はか
他のサイトの記事などでは、以下の意見をよく目にします。
- 近年は一昔前にくらべると倍率が下がっているから、公務員試験は穴場
- 教養のみで受けられる市役所は穴場
しかし、このように考えるのはちょっと浅はかすぎるなと。
楽ではないし「穴場」と考えない方がいい
確かに最近は公務員試験の倍率も下降気味で、教養のみなら勉強の負担は小さいです。
しかし、たとえ倍率が下がっても、筆記で6割取れなければその時点で落ちます。
また教養のみでも勉強は十分に大変ですし、前述のとおり面接が難しいこともあり得るでしょう。
決して楽に受かるわけではないので、穴場とは言えません。
また、安易に「この試験は穴場」と思うと、気持ちのゆるみ・勉強に身が入らないことにつながります。
必然的に、落ちる可能性が高まるのは容易に想像できるはず。
「公務員試験に穴場なんてない」と意識した方が、自分の身が引き締まります。
たとえ科目が少ない・倍率が低い試験でも、しっかり対策をしないと受かりません。
とにかく本気で勉強を頑張ってください。
仮に穴場でも、それが良いとは限らない
また、仮に穴場の公務員であっても、それが良いとは限りません。
例えば、以下はよく「穴場」と言われる公務員です。
- 警察
- 消防
- 刑務官
確かに筆記で課されるのは教養のみ、問題難易度も行政系と比べて低いです。
その意味で「穴場」と言われるのも理解はできます。
しかし「穴場=楽に公務員になるから良い」と本当に考えられるでしょうか?
警察・消防・刑務官のいずれも、かなり肉体的・精神的にキツいと言われます。
「穴場だから」と受験し、仮に合格できても、続かない可能性も十分あるでしょう。
もちろんどんな職業・職種も同じですが、警察・消防・刑務官などは、特に相応の覚悟が必要になると思います。
「穴場」を理由に選ぶと、その選択を後悔する可能性も高いわけです。
総じて「穴場だから良い」とは限りません。
「公務員なら何でもいい」的なスタンスは、避けた方が良いのかなと思います。
公務員試験の穴場はココ【受かりやすい自治体・なりやすい公務員】
ここまでは「公務員試験はどれも相応に大変」との話をしました。
基本的に「穴場なんてない」と考えておくのが確実に良いですね。
でも強いて言うなら、どの公務員ならなりやすいの?
とはいえ、上のようなニーズがあるのも重々承知しています。
そこで「楽ではない」前提で、公務員試験の穴場を紹介します。
①:国家一般職
1つ目が「国家一般職」です。
国家一般職は、専門・教養の両方が課せられ、勉強の負担は大きな試験です。
しかし「配点」などを踏まえると、受かりやすい部類の試験に入ります。
国家一般職の配点
教養 | 専門 | 論文 | 面接 |
2/9 | 4/9 | 1/9 | 2/9 |
見ると分かるように、筆記試験の配点が非常に大きいのが特徴的。
地方公務員だと圧倒的に面接の方が配点が大きいにもかかわらず、です。
つまり、国家一般職は勉強さえ頑張れば受かるんです。
面接は「面接官との相性」等の偶発的な要素に左右される部分があります。
面接で「面接官の主観」を排除することはまず不可能です。
そのため公務員試験受験者は、面接に苦手意識を持っている方が多いです。
「筆記を頑張れば受かる国家一般職=穴場」と考えることができます。
ただ、以下の疑問を抱く方もいるでしょう。
最終合格が簡単でもあまり意味なくない?
確かに国家一般職は、官庁訪問が必須。
しかし、色々な省庁に官庁訪問をすれば、最終的には確実に内定が出ると言われます。
3月ギリギリの時期まで、国家一般職の官庁訪問は行われています。
実際に僕にもその時期に電話が来ました。
最終合格をすれば何回もチャンスがあるので、他に比べたら「穴場」と言えるかと。
②:裁判所事務官一般職←女性のみ
正直、女性であれば「裁判所事務官」は穴場と言えます。
その理由は「男女の倍率差」です。
2次受験者 | 最終合格 | 倍率 | |
男性 | 743 | 204 | 3.6倍 |
女性 | 625 | 316 | 1.9倍 |
上記は、東京高裁管轄区域内での裁判所事務官一般職の倍率です。
見ると分かる通り、明らかに女性の方が倍率がゆるくなっています。
必然的に、女性受験生にとっては「穴場」と言えるでしょう。
また裁判所事務官は、勉強する負担もやや少なめ。
専門試験で課される科目が、地方上級などに比べると全然少ないです
(その分より深い部分まで知識が必要ですが)
もちろん決して楽ではありませんが、女性にとっては比較的挑戦しやすいかなと。
③:試験の負担が少ない自治体
上でも少し触れましたが、筆記試験の負担が少ない試験・自治体もあります。
例をあげると以下です。
- 教養のみの市役所
- 教養のみの地方上級
- 国立大学法人
- 神奈川県・秋季チャレンジ
(こちらの記事で紹介している無料ガイドブックに載っています)
関連記事:【必見】公務員になりたい社会人へ。コレを知らないと大変です
もちろん相応の努力が必要ですし、決して楽に受かるわけではありません。
しかし、専門試験がない分、勉強の負担は明らかに小さくなります。
④:高卒公務員
年齢で受けられる人は限られますが、高卒公務員も穴場と言えます。
- 問題レベル
→難易度の低い教養試験 - 周りの受験者:大卒区分に比べると明らかに低い
→大学に進学する人も多いため
同じ自治体に入ることを考えると、大卒より高卒の方が明らかにハードルは低いです。
それでいて、給料的には大卒とほぼ遜色なし。
差別等も全くないので、高卒公務員は1つの「穴場」と考えられるでしょう。
関連記事:【公務員】高卒と大卒を徹底比較。高卒公務員ってアリ?
勉強が嫌なら…準公務員が穴場【独立行政法人・団体職員】
特に社会人の方だと、時間的な問題で勉強が厳しい方も多いと思います。
(働きながらの勉強は体力的な負担が大きいので)
しかし、勉強をして試験に合格しないと、公務員になることはできません。
ただ、独立行政法人や団体の職員なら、あまり勉強せずになれる可能性があります。
独法や団体の職員は、いわゆる「準公務員」です。
待遇は公務員と同程度ですが、試験の難易度・勉強の負担は公務員試験よりも圧倒的に少ないことが多いです。
公務員試験ほど認知されていないので、狙い目かなと思います。
準公務員とはいえ、もちろん面接対策等は本気でやる必要はあります。
しかし、勉強の負担は明らかに小さく、時間がない人・勉強したくない人には魅力的です。
ただ、この類の団体職員の募集は、ひっそり行われることが多いのが難点。
リクナビNEXT等の転職サイトに求人が記載されているので、登録→こまめにチェックしてください。
「知らないうちに募集が終わっていた」ことも十分あり得るので。
【まとめ】公務員試験に穴場はない。努力あるのみ
「公務員試験の穴場」について書きました。
公務員試験には、楽をして合格できるような「穴場」はありません。
試験によって勉強の負担は異なりますが、合格には一定以上の努力は必須です。
ただ、負担の少ない試験・受かりやすい自治体や公務員があるのも事実。
- 国家一般職
→筆記でほぼ決まるので取り組みやすい - 裁判所事務官一般職
→女性なら現実として受かりやすい - 負担の少ない試験
→教養のみ等(こちらの無料ガイドブックに記載あり) - 高卒公務員
→問題レベル・受験者層
時間がない・得意不得意などの事情に応じて、挑戦してみる価値はあります。
また、勉強する負担を避けたい方には「準公務員」の選択肢もあります。
どの職種であれ、相応の努力は確実に必要であり、決して楽ではありません。
「穴場だから」と安易に考えるのではなく、ご自身の都合・将来の方向性などを踏まえて、より良い選択をしてください。
また、ただ調べている・悩んでいるだけでは何も変わりません。
公務員・準公務員になりたい方は、今すぐに勉強や情報収集を始めましょう。
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