こんにちは!元公務員のHiroshiです。
年収やボーナスについても詳しく知りたいな
今日はそんな疑問にお答えするために、今回は国家公務員の年収データについて超詳しく解説しています。
本記事の内容
- 国家公務員の平均の給料・年収・ボーナス
- 国家公務員の年齢別の給料・年収・ボーナス
- 年齢別・国家総合職と国家一般職の年収・給料・ボーナスの差
- 国家公務員を定年まで勤めたときの退職金
- 国家公務員と地方公務員ではどちらが収入が多いのか
ちなみに元データは、人事院が出している平成30年度国家公務員給与等実態調査結果の結果です。
公式な資料をもとに、元県庁職員のHiroshiがまとめました。
この記事を読めば、国家公務員のお金事情についてはすべて分かるようになっていますよ。
- 国家公務員の給料事情が気になる
- 国家公務員と地方公務員ではどちらが給料が多いのだろう?
という方は、ぜひ参考にしてみてください。
【はじめに】国家総合職と国家一般職のそれぞれの年収は非公表
まず前提として、行政職の国家公務員には「国家総合職」と「国家一般職」の2つの区分がありますよね。
総合職(キャリア官僚)と一般職(ノンキャリ)は出世のスピードがケタ違いなので当然年収も大きく異なります。
しかし、ともに「一般行政職」であるため、同じ俸給表が適用されるんです。
そのため、総合職と一般職それぞれの年収データについては存在しません。
したがって、本記事でご紹介する「国家公務員の年収・給料・ボーナス」の金額は、総合職・一般職の両方を合わせた金額となります。
(総合職・一般職の年収の違いが知りたい!という方のために、後半では各々の金額にも触れています)
国家公務員の平均年収・給料・ボーナス額
人事院から発表されている、平成30年度国家公務員給与等実態調査結果から、給料事情などを推計しました。
その結果は以下のとおりです。
- 平均年齢:43.5歳
- 平均月収:463,684円(基本給410,940円+残業代52,744円)
- 平均ボーナス:約158万円
- 平均年収:約714万円(月収×12+ボーナス)
国家公務員の平均月収の考え方
国家公務員の月給(463,684円)について、内訳は以下のようになっています。
俸給(給料) | 329,845円 |
諸手当 | 81,095円 |
残業代 | 52,744円 |
俸給と諸手当(地域手当、扶養手当など)を足した金額が、「基本給」となり、この金額が410,940円となります。
一方で残業代は公表されていないため、人事院勧告の資料に記載の「国家公務員の平均残業時間」から52,744円と推計しました。
※残業代の計算方法について
国家公務員の残業代については、
(俸給の月額+地域手当等の月額)×12÷1週間当たりの勤務時間÷52×支給割合×残業時間
という計算式で算出されています。
平成30年人事院勧告の資料によると、国家公務員の平均残業時間は1月あたり19時間なので、上の計算式にあてはめていくと…
(329,845+43,062)×12÷38.75÷52×1.25×19=52,744(円)
となります。
なお、本省勤務の国家公務員は残業時間が月に29.2時間なので、
(329,845+43,062)×12÷38.75÷52×1.25×29.2=81,059(円)
です。
国家公務員の平均ボーナスの考え方
2018年の国家公務員のボーナスは、
(俸給額+地域手当や扶養手当等)×4.45ヶ月
という計算式によって支給されました。
ボーナスが給料の何ヶ月分が支給されるかについては、景気の変動によって上下するところです。
ただ、平均すると4ヶ月分程度が支給されます。
より普遍的なデータとして記載するために、上では給料の4ヶ月分が支給されると想定して算出いたしました。
国家公務員の年齢別年収・給料・ボーナス額
以下では、国家公務員の年齢別の年収・給料・ボーナスをまとめていきます。
なお、前述のように残業代についてはデータがないのですが、各年齢の基本給から可能な限り正確な金額を算出して合算しました。
※一律で52,744円上乗せという考え方もあると思いますが、若手職員は基本給が比較的安いため、52,744円ほどの金額にはなりません。
年齢別によりリアルな金額を算出するために、各年代の基本給から残業代を算出しました。
国家公務員の年齢別の年収・給料・ボーナスが以下のとおりになります。
年収 | 月給 | ボーナス | |
20歳〜23歳 | 約353万円 | 227,492円 | 約80万円 |
24歳〜27歳 | 約425万円 | 274,320円 | 約96万円 |
28歳〜31歳 | 約507万円 | 327,043円 | 約115万円 |
32歳〜35歳 | 約596万円 | 384,068円 | 約135万円 |
36歳〜39歳 | 約665万円 | 428,836円 | 約150万円 |
40歳〜43歳 | 約726万円 | 468,808円 | 約164万円 |
44歳〜47歳 | 約789万円 | 509,201円 | 約178万円 |
48歳〜51歳 | 約853万円 | 549,901円 | 約193万円 |
52歳〜55歳 | 約877万円 | 566,166円 | 約198万円 |
56歳〜59歳 | 約901万円 | 580,862円 | 約204万円 |
20代国家公務員の年収・ボーナス・給料
20代の国家公務員の年収は400万円前後といったところ。
20代では出世にほとんど差がつかないため、みんな横並びで給料が上がっていくイメージです。
20代国家公務員の給料事情については、以下の記事もあわせてご覧ください。
30代国家公務員の年収・給料・ボーナス
30代国家公務員の年収は600万円前後です。
(30歳で500万円に到達するイメージですね)
20代に比べてグンと給料が上がりますが、出世にも徐々に差がつくので、給料にも個人差が出てきます。
30代国家公務員の給料事情について、以下の記事も参考にしてみてください。
40代国家公務員の年収・給料・ボーナス
40代の国家公務員の年収は、750万円前後といったところです。
40歳時点での年収は700万円程度になります。
官僚(総合職区分で入庁した方)は45歳くらいで本省の課長になるので、年収は1,000万円を超えてきます。
40代国家公務員の年収や給料については、以下の記事で書いているのでぜひ読んでみてください。
50代国家公務員の年収・給料・ボーナス
50代の国家公務員の年収は850万円前後といったところ。
50歳になると800万円以上の年収になり、定年間際には900万円くらいもらえます。
国家公務員総合職で入庁した官僚の中には、事務方のトップである「事務次官」にまで上り詰め、年収2,000万円以上になる方もいます(ほんの一握り)。
50代国家公務員の年収や給料、ボーナスについては、以下の記事で詳しく書いていますので、ぜひ読んでみてください。
国家総合職と国家一般職の年収・給料・ボーナスの違いについて
前述のように、国家総合職と国家一般職は同じ俸給表が適用されるので、上の金額は総合職と一般職の両方を含んだものです。
国家公務員のモデル年収が公開されているんですが、正直分かりにくいんですよね…
上記のとおり、明らかに一般職と総合職が混じっています。
(25歳係員・35歳係長・50歳地方機関課長あたりが一般職かと)
また金額を見る限り、手当はほとんど含まれていないと思われます。
そこで、人事院勧告資料から国家総合職・国家一般職それぞれの年収・給料・ボーナスを推計しました。
出世にスピード差を考慮するとともに、それぞれの平均的な昇進を加味して金額を記載しています。
推計なのでおよその数字ですが、地域手当や残業代も考慮しているので、1つの参考にどうぞ。
国家総合職(キャリア官僚)の年収・給料・ボーナス
年収 | 給料 | ボーナス | |
25歳 | 631万円 | 407,156円 | 142万円 |
30歳 | 761万円 | 488,949円 | 174万円 |
35歳 | 788万円 | 506,039円 | 181万円 |
40歳 | 886万円 | 577,303円 | 193万円 |
45歳 | 936万円 | 608,404円 | 206万円 |
50歳 | 1,253万円 | 742,440円 | 362万円 |
年齢別の年収は上記のとおり。
(ちなみに22歳新卒で入庁したケースを想定しています)
50歳(=本府省課長クラス)になると、間違いなく年収1,000万円プレーヤーです。
厳しい出世コースを勝ち抜いた猛者たちは、50歳以降に「指定職」と言われるさらに上の役職に昇進します。
指定職は一般行政職とは異なる俸給表が適用されるので、さらに給料アップです。
より詳しく知りたい方は、国家総合職(官僚)の給料・年収を本気でまとめた【年齢・出世した役職ごと】をご覧ください。
国家一般職(ノンキャリ)の年収・給料・ボーナス
年収 | 給料 | ボーナス | |
25歳 | 444万円 | 290,657円 | 95万円 |
30歳 | 514万円 | 334,443円 | 113万円 |
35歳 | 631万円 | 407,156円 | 142万円 |
40歳 | 726万円 | 466,793円 | 166万円 |
45歳 | 760万円 | 488,949円 | 174万円 |
50歳 | 788万円 | 506,039円 | 181万円 |
一般職の年齢別の年収は上記のとおり。
出世のスピードが総合職とは全然違うので、金額にも大きな開きがあります。
なお、一般職の中でもほんの一握りの優秀な人は、本府省の課長級まで出世するので、年収1,000万円プレーヤーになります。
(課長級になるのは総合職の人が普通ですが)
国家一般職の年収についてより詳しく知りたい方は、国家一般職の公務員の年収は?年齢・出世した役職ごとにまとめたよをご覧ください。
国家公務員の退職金は?
国家公務員が定年まで勤め上げた時の退職金はどれくらいになるのでしょうか?
内閣人事局が発表している退職手当の支給状況によると、
2,149万2,000円
になります。
地方公務員の退職金が2,200万円〜2300万円くらいなので、それに比べるとやや低めの金額ですね。
国家公務員として新卒から定年まで勤め上げたときの生涯年収は?
新卒で国家公務員になった方が、定年まで勤め上げたときの生涯賃金を出していきます。
計算方法としては、年収を累計(23歳〜60歳)していき、最後に退職金を合算する方法を採用しました。
国家公務員の生涯年収は…
約2億8,759万円
です。
多いように感じるかもしれませんが、公務員の給料は景気や民間企業の給与水準にしたがって変動します。
また、これからの人口減少にしたがって税収が減ることが間違いないので、この金額はあくまで参考程度ですね。
国家公務員と地方公務員ではどっちが給料が多い?
国家公務員と地方公務員ではどちらが給料が多いのでしょうか?
都道府県庁職員と比べた金額について、年齢別にまとめましたので以下をご覧ください。
国家公務員 | 都道府県庁 | |
20歳〜23歳 | 約353万円 | 約343万円 |
24歳〜27歳 | 約425万円 | 約405万円 |
28歳〜31歳 | 約507万円 | 約468万円 |
32歳〜35歳 | 約596万円 | 約532万円 |
36歳〜39歳 | 約665万円 | 約599万円 |
40歳〜43歳 | 約726万円 | 約669万円 |
44歳〜47歳 | 約789万円 | 約714万円 |
48歳〜51歳 | 約853万円 | 約747万円 |
52歳〜55歳 | 約877万円 | 約770万円 |
56歳〜59歳 | 約901万円 | 約792万円 |
すべての年齢で国家公務員の方が年収が多い結果となりました。
ただ、だからといって国家公務員の方が良いかというと、一概にそうとも言えないかなと。
この数値は総合職区分(官僚)の方も含んでいます。
また、霞が関が「不夜城」として有名な通り、国家公務員の方が残業が多いですからね。
なお、地方公務員の給料事情についてさらに知りたい方は、下の記事に詳しくまとめていますので、ぜひ読んでみてください。
国家公務員の年収が魅力!公務員になりたい!と思った方へ
国家公務員の年収・給料・ボーナスについて書きましたが、ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
以下の記事を参考に、ご自身に合った方を選んでください。
社会人から公務員に転職したい方はまずはこちら
社会人の方が公務員に転職しようと考えた場合、以下の記事で紹介しているガイドブック(無料)は必読です。
国家公務員の年収・給料・ボーナスに関するまとめ
今日の記事をまとめていきます。
- 国家公務員の平均年収は714万円(43.5歳)
- 国家公務員は30歳500万円、40歳700万円、50歳800万円超が目安
- 国家公務員として新卒から定年まで勤めると、生涯賃金は2億8,000万円以上になる
今回は以上になります。ありがとうございました。
行政職公務員(国家・地方)の給料に関する完全まとめはこちら