こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今日はそんな疑問にお答えするために、
- 公務員試験における論文試験とはなにか
- 論文試験の対策をする際に必要な参考書
- 論文試験の対策・勉強法
について解説していきます。
ちなみに、この記事を書いている僕は独学で公務員試験に挑み、
- 県庁:受験者約1000人中3位合格・首席入庁
- 国家一般職:最終合格(受験者13,000人中500位程度)
- 特別区Ⅰ類:最終合格(受験者12,000人中100位程度)
という結果を残しました。
いずれの試験にも論文試験が出題されましたが、この記事でご紹介する方法で勉強した結果、論文試験も無事にパスしましたので、この記事の信頼性担保に繋がると考えています。
公務員試験の論文試験とは?
論文試験とは、社会・経済的な課題に対する自分の考えを書いていく問題です。
- 地球温暖化などの環境問題
- 少子高齢化
- 移民受け入れ
代表的なテーマはこのへんですね。
このようなテーマに関する論文を、制限時間60〜90分・800文字〜1200文字程度で記述していきます。
なお、論文試験は1次試験として課されることもあれば、2次試験として課されることもあるので、このあたりは自治体によって様々ですね。
論文試験の配点はどれくらい?
教養 | 専門 | 論文 | 面接 | |
国家総合職 | 2/15 | 3/15 | 3/15 | 3/15 |
国家一般職 | 2/9 | 4/9 | 1/9 | 2/9 |
※国家総合職は専門記述試験が5/15
地方公務員試験における、論文試験の配点については自治体ごとに異なるので一概には言えません。
ただ、「教養:専門:論文:面接=1:1:1:3」程度の自治体が多いようです。
また、論文の点数が一定以下だと、他がどれだけできていても不合格(=足切り)となるケースも多いので、公務員試験を突破する上では論文対策は欠かせません。
近年は特に、論文試験が重視される傾向が強くなってきており、特別区では教養・専門よりも論文の配点が大きいです。
※特別区では配点の公表はありませんが、教養・専門ができた受験生の中にも不合格者が多いので、論文重視であると言われています。
公務員試験の論文試験の対策・勉強法
論文試験は独学だと対策が難しいと思われがちですが、以下のように進めていけば独学でも大丈夫です。
というのも、公務員試験の論文試験は高得点をとる必要は全くなく、平均的な文章が書ければOKだから。
論文試験では、平均的な文章が書ければOK
平均的な文章とは、「論理がしっかりとしており、また間違った知識を書いていない文章」のことです。
ここでいう論理とは、具体的には文章の構成のこと。
- テーマに関する背景の説明
- テーマに関する問題提起
- 問題に対する解決策の提示(根拠・理由を含める)
- まとめ
という感じです。
①では、問題文に記載されている用語の説明・定義づけやその問題が起こっている背景を書いていきます。
②では、出題されたテーマに関して課題や問題は何か、という視点から文章を組み立て、問題提起をします。
③では、②で提起した問題に対する解決策は何かについて、理由や根拠を踏まえながら書いていきます。
④は起承転結の「結」なので、きれいに締めくくってあげればOKです。
正しい知識を使いながら、この型にそって文章を組みた立てていけば、6割程度の得点率はほぼ間違いなく入ります。
論文試験は、画期的な解決策や人を魅了する文章を書く必要は全くなく、本に書いてあるようなことを使いながら、論理立てて書いていけば十分です。
ちなみにですが、「正しい原稿用紙の使い方」、「誤字脱字などをしない」などの基本的な事項がマストなのは言うまでもありません。
必要な参考書は2冊だけ
論文試験で必要になるのは、
- 論理的な文章を組み立てる力
- テーマに関する知識
の2つです。
上でご紹介したような論理的な文章の組み立て方をマスターするのはもちろん、テーマに関する知識がないと、文章がそもそも書けません。
そこで必要な参考書が2冊あります。
公務員試験 無敵の論文メソッド
まず1冊目が、「公務員試験無敵の論文メソッド」です。
この参考書は、ダメな答案(ガッカリ答案)を分析し、良い答案(スッキリ答案)に変えていくという形式のもの。
これを読めば、「どんな論文はダメなのか」が身にしみて分かるようになります。
「何が良いか」ではなく「何がダメか」を教えてくれるのがミソですね。
良い答案を書こうとするのはもちろん大事なのですが、公務員試験の論文試験では良い答案はそこまで必要でなくて、「悪くない答案」でOKなので。
つまり、「ガッカリ答案」にならないようにしようという意識が、本番でも働いてくれます。
僕も論文対策をするにあたって最初にこの参考書を読んだのですが、論文を書くための方法が身につきました。
論文試験 頻出テーマのまとめ方
論文のイロハがわかったら、今度は知識のインプットです。
知識のインプットには、「論文試験 頻出テーマのまとめ方」を使います。
この参考書では、論文試験によく出るテーマについて詳しく解説してくれています。
毎年改訂されるので、最新のデータが反映されていますし、出題傾向の分析もしっかりしている印象です。
ちなみに、この参考書は分量がめちゃくちゃ多いのですが、ここで習得した知識は集団討論などの際にも必ず役に立ちます。
これを熟読して、必要な知識をインプットしましょう。
なお、解答例に関してはぶっちゃけ微妙なので、参考程度でOKかと。
この参考書は、あくまで頻出テーマに関する知識をインプットするためのものです。
ちなみに、まれにこのテーマに載っていない問題が出題されることがあるようですが、そんな問題は他の受験生もできないので大丈夫です。
論文に必要な知識はこれ1冊にまとまっていると言っても過言ではないので、しっかりと完成させてください。
自分の手で書いてみることが大事
論文試験の勉強で大事なことは、とにかく自分で書いてみることです。
自分で書いてみることによって、
- 時間や文字数の感覚がつかめる
- 抜けている知識がわかる
- 文章の構成を実践的に学べる
というメリットがあります。
書くテーマについては、前述の2冊の参考書に載っているもので良いでしょう。
他に問題集などを買い直す必要はまったくありません。
論文は数をこなすことで、自分が本番で自分が自信を持って書けるテーマが増えていきます。
自信のあるテーマが増えれば、本番でも見たことのあるテーマが出題される可能性が増えますよね。
たくさん書いて、「打率」を上げましょう。
添削はしてもらわなくてもOK
自分が書いた文章は添削してもらうのが良いとは思うのですが、独学の方だと厳しいですよね。
大学の就職課などで無料添削をしてくれる場合もあるかもしれませんが、その就職課の方の添削が本当に信頼できるか微妙ですし。
そのため、無理に添削してもらう必要はありません。
僕も添削をしてもらうことは一切ありませんでしたが、問題なく試験をパスしましたので。
ただ、自分で見直す際には
- 文章が論理的か
- 誤ったことを書いていないか
の2点だけは徹底的に確認するようにしてください。
ここを怠ると、自分で書いた意味がほとんどなくなってしまいます。
勉強で重要なことは「できないことをできるようにすること」なので、しっかりとした見直しが必須です。
また、見直しの仕方を難しく考える必要はなくて、
- 論文が、上に記載した文章の構成の型にあてはまっているか確認
- 論文テーマのまとめ方で知識を確認
という形で大丈夫です。
なお、直前期には必ず時間を計って解くようにしましょう。
【公務員試験】論文対策は試験の3ヶ月前くらいからでOK
公務員試験の勉強は、筆記試験のボリュームが大きいので、論文対策は後回しにしてOKです。
1次試験(筆記)と同日に論文試験を行う自治体を受験する方も含めて、論文試験は本番の3ヶ月前から始めれば十分かと。
筆記に通らなければ何の意味もありませんし、論文は型をおぼえて知識を詰め込めばイケる科目なので、そこまで時間はかかりません。
試験まで3ヶ月という時期には、専門試験の勉強もひと段落していると思われるので、論文試験の対策に1日1時間〜2時間程度の時間をとりましょう。
まとめ
論文試験の対策・勉強法についてまとめていきます。
- 公務員試験の論文試験では、平均的な文章がかければOK
- 平均的な文章とは、論理があって、間違った知識を書いていない文章。これができれば6割程度の得点は見込める
- 論文試験の対策では、自分で実際に書いてみることが大事
- 自分で書いた際には、しっかりと見直し・確認ができれば添削はなくても大丈夫
独学が難しいイメージのある「論文試験」ですが、独学でも十分に対策ができます。
今回は以上になります。ありがとうございました。
独学で公務員試験の勉強をする方へ【学習ロードマップ公開中】
独学で勉強をしていると、
「いつ何をすれば良いのかわからない」
「具体的な学習スケジュールの立て方に迷う」
というような悩みを抱えがち(僕もそうでした)。
でも、いざネットで情報を得ようと思っても、ぶっちゃけ参考になりそうな情報って全然ない…
このような、過去の僕と境遇にある方を救うべく、noteにて「独学で公務員試験に合格するためのロードマップ」を作成しました。
- 合格のために必要なマインド【公務員試験の事実から】
- 独学での試験対策における全体の基本方針・戦略
- 1日の勉強のスケジュールの立て方
- 試験対策として使うべき参考書・問題集
- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
価格は500円。コーヒー1杯分ですね。
独学者が悩みがちな学習の指針となるものですし、「自分が受験生の頃に欲しかった教材」をテーマに2万5,000字以上の特大ボリュームでお送りしているので、ぶっちゃけかなりお手頃かと。
あわせて読みたい記事
有料noteのほか、公務員試験に関する情報については当ブログでも発信しています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(こっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。