こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員試験では1次試験(筆記)を突破すると、今度は2次試験で面接を行います。
その際に提出するのが「面接カード」。
面接は、面接カードに基づいて行われるため、「どのようにして面接カードを書けばいいんだろう?」と悩みがち。
僕自身も独学でしたので、当初はかなり悩んだ記憶が強く残っています。
しかし、自分なりに考えながら面接カードを仕上げ、県庁・特別区・国家一般職に上位で合格できました。
そこで本記事では、面接カードの書き方の手順や書く際のポイントについて、初心者でも分かるように解説します。
本記事の内容
- そもそも面接カードとは何か
- 面接カードを書く前にやるべきこと
- 公務員試験の面接カードの書き方のコツ←項目ごとに解説
- 面接カードを書く際の注意点
本記事を読むことで、面接カードをしっかり仕上げることができ、結果として合格に近づけます。
また、難しいイメージのある面接カードが、実は簡単なこともお分かりいただけるはず。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員試験の面接カードについて。民間企業のエントリーシートとの違いは?【国家公務員・地方公務員】
そもそも面接カードとは何かというところから解説します。
面接カードとは、公務員試験の面接を効率的に行うために使う重要な資料といったところでしょうか。
面接カードには、志望動機や自己PR、その人の性格などを記載しています。
そして、面接カードを元に面接を進めていくことで、その受験者の適性や人となりを時間内に把握しようという狙いがあるんです。
民間企業のエントリーシートと同様、面接カードは自己PRに直結するものです。
しかし、エントリーシートはそれ自体が採点対象なのに対し、面接カード自体は採点の対象になりません。
とはいえ、面接カードは超重要
しかし、質の高い面接カードならば面接官の印象も良いですし、あなたの性格や長所などをうまくアピールできます。
面接は「自分を面接官にアピールする場」です。
面接カードがショボいと良い面接ができないので、面接カードは公務員試験を突破する上で超重要です。
公務員試験の面接カードはいつ記入&提出?
これは自治体によって異なるのですが、以下の2つのパターンがあります。
- 受験の申し込みをする際に提出
- 1次合格の通知書に同封されており、指定の日までに郵送or面接日に持参
まぁ基本的には②のパターンが多いですね。
僕は県庁・国家一般職・特別区を受験したのですが、いずれも②のパターンでした。
【面接カードの書き方の前に】公務員試験では、まず自己分析を必ずやろう
面接カードを書く前に、まず行うべきことが「自己分析」です。
自己分析をするのは、本番の面接で自分のどんな性格や長所をアピールするか明確にするためです。
自分の長所がわからないと、何もアピールすることなんてできませんよね。
まずはしっかり自己分析をして、自分はどういう性格をしているのか、また自分の長所は何なのかをよく見極めましょう。
ここを怠ると確実に落ちますよ。
自己分析の手順①:グッドポイント診断を行う
最もおすすめの方法は「グッドポイント診断 」を使う方法です。
グッドポイント診断は、リクルートが無料で提供している自己分析ツール。
登録をして質問に答えていくだけで、あなたの長所を5つ・コメント付きで教えてくれます。
グッドポイント診断を使うと、客観的に言語化された自分の長所が分かるので、評判も非常に良いですね。ぶっちゃけ無料レベルを超えています。。
この自己分析をやらないと、自分の長所を把握すること&面接カードを書くことは不可能です。
登録自体は3分程度、診断も10分〜20分程度で終わります。
「公務員試験の面接に落ちたくない」方は必ずやってください。
※グッドポイント診断の詳しいやり方等は、【公務員試験の面接】受かりたい人必見の自己分析ツールを紹介!で書いています。
自己分析の手順②:グッドポイント診断の結果をもとに、エピソードを洗い出す
グッドポイント診断で自分の長所がわかりましたか?
今度は、その長所をアピールするためのエピソードを練りましょう。
自分のこれまでの人生をよく振り返ってみて、その長所に直結しそうなエピソードを思い浮かべるのです。
例えば僕の場合だと、グッドポイント診断では「継続力」が上位にきましたので…
長所 | 継続力(目標に向かって粘り強く物事をやり抜く) |
エピソード | 大学生のころ、フルマラソン完走に向けて努力をし、フルマラソンを4時間30分で完走できた |
という感じ。
すごいエピソードである必要は全くなく、エピソードを使いながら長所を説明できていればOKです。
【公務員試験の面接カード】書き方のコツを項目ごとに解説
自己分析が終わったら、いよいよ面接カードを書いていきます。
代表的な項目ごとに、どのような内容を書けばよいのかについて詳しく説明しますので、ぜひ参考にしてください。
①:志望動機
多くの方が迷うであろう「志望動機」。
最初の項目になっていることが大半なので、ここで「差をつけないと…」と考えている受験生もいるでしょう。
でも断言します。
志望動機で差をつける必要は一切ありません。
頑張って考えたところで良い志望動機が浮かぶわけではありません。
思ってもいない素晴らしい志望動機を書いたところで、確実に面接本番で突っ込まれるため、本心ではないことが一瞬でバレてしまうでしょう。
また、面接官の方も「地元なら公務員が待遇が良いから」「安定しているから」といった本音の志望動機はわかっています。
ここはベーシックな志望動機(地元に貢献したい等)を使いながら、適度にそれを肉付けする感じで書いて乗り切りましょう。
ちなみに僕の場合は…
- 地元である〇〇県の発展に貢献したいと思った
- 〇〇県は〜という魅力がある一方、〜という課題を抱えている
- そこで、幅広い業務ができる県職員の仕事を通じて、広い視野で〇〇県の抱える問題について考え、その解決に取り組むことで、愛着ある地元の発展を支えていきたい
こんな感じ。
このレベルの志望動機でも全く問題ありません。それは僕が首席入庁をしたことからも証明できるかと。
注意:志望動機で「安定」はNG
ただ、「安定しているから」と書くのはやめましょう。
面接官の心象として、志望動機が「安定しているから」だとやる気が感じられませんよね。
また、本音と建前を使い分けられない人だと思われてしまうので、明らかにマイナスです。
②:自己PR
自己PRに書くべきことは、前述のように、「グッドポイント診断」で行った自己分析の内容をもとにして書けばOK。
その際に「自分だったらこの自己PRに対してどんな質問をするだろう?」と面接官の立場で考えながら書きましょう。
というのも、今の公務員試験の面接は、コンピテンシー面接が主流だから。
コンピテンシー面接
→過去の行動のプロセス等を掘り下げていき、その人の人格を見る面接
面接試験本番では、自己PRに記載したエピソードについて色々な視点で深く聞かれます。
そこで大事になるのが、面接カードを書く段階から「自分が面接官だったら何を深掘りして聞くだろう?」と考えておくことです。
そして、その質問に対する回答も練っておくことが、面接をスムーズに進めていく上ではめちゃ重要ですよ。
僕の実例を出してみます。
自己分析のところでも書きましたが、僕の場合は…
長所 | 継続力(目標に向かって粘り強く物事をやり抜く) |
エピソード | 大学生のころ、フルマラソン完走に向けて努力をし、フルマラソンを4時間30分で完走できた |
これを自己PRとして採用しました。
それに対して想定される質問としては…
- なぜフルマラソンをやろうと思ったのか
- フルマラソンの練習中につらいと思ったことは
- 練習はひとりでしたのか
- フルマラソンを走ってみて何を感じたか
こんな感じ。
自分が面接カードに書いた自己PRから、どういう質問が想定されるかまで考えられると、面接がかなり楽になりますよ。
③:長所・短所
長所は前述したとおり、「グッドポイント診断」で把握できた自分の長所を書けばOKです。
問題の短所ですが、短所は長所の裏返し的なことを書くのが無難です。
長所と短所の例
- 長所:継続力=1つの目標に向かって粘り強く努力を続けることができる
- 短所:自分の目標が決まると、それに固執してしまうあまり方向転換ができなくことがある。今後は目標に向かいつつ柔軟に物事を考えられるようにしたい
という感じでOK。
どんな性格も2面性があり、長所にも短所にも受け取れるもの。
面接の場では自分のマイナスポイントをなるべく言いたくですよね。
長所の裏返し的な短所を記載し、それの改善に向かって努力していくというニュアンスで答えればOKです。
④:趣味・特技
趣味・特技も地味に迷う内容の1つ。
受験者の性格を知るためか、趣味や特技についても本番の面接ではそれなりに掘り下げられます。
とはいえ、基本的には受験生の緊張をほぐす意図で面接の前半にされることが多い質問です。
面接カードの「趣味」には何を書けばいいの?
「趣味」については、基本的には自分の好きなこと=本当に趣味を書いて大丈夫です。
実際の公務員も人によっていろいろな趣味を持っていますからね。
ただし、ギャンブル系はNGです。
間違いなく面接官の印象を悪くします。
横領して懲戒免職になる職員が数年に1人程度いるのですが、その大半がギャンブルで資産を食いつぶして横領に至っているからです。
面接でギャンブルが趣味だと言うと、「この人はもしかして税金を横領するのでは?」と思われる可能性も否めません。
もちろん、公務員の中にも競馬やパチンコが好きな方は一定数います。
でも、面接の段階からリスクを背負ってそれを知らせる必要性はありませんね。
趣味に関しては、「スポーツ」「読書」「映画鑑賞」「音楽鑑賞」「旅行」あたりが無難です。
ゲーム等もよくないかもしれません。
ちなみに僕は「サッカー観戦」と「フットサル」の2つを記載しました。
面接官に与える印象を考えると、ストレスが発散できそうな趣味、また若者らしいフレッシュ感のある趣味を書くのがおすすめです。
特技・資格は何を書けばいいの?
特技については、純粋に自分が持っている資格試験のことなどを書けばよいので、さほど難しくありません。
ちなみに僕は、TOEICのスコアと運転免許証を書きました。
⑤:関心事項
「最近関心を持っていること」も結構問われます。
関心事項については、ズバリ「受験する自治体に関するニュース・施策」を書くのがおすすめ。
というのも、自治体の施策を書くことで、シンプルに熱意をアピールできるから。
面接本番で突っ込まれた際には、そのニュースに対する自分の考えを言ったり、自分ならどう貢献できるか等の前向きな意見を言うと良いでしょう。
しっかり調べて面接に臨んだので、本番で突っ込まれた時も、落ち着いて話すことができましたね。
【公務員試験】面接カードの書き方に関する注意点
公務員試験における、面接カードの基本的な書き方としては上記のとおり。
しかし、書く前or書く際に、注意しておきたいポイントがいくつかあるので、それを解説しておきます。
①:です・ます調で書くこと
文体の話です。
結構迷いがちですが、常体(だ・である)ではなく、敬体(です・ます)で書きましょう。
なぜなら、です・ます調の方がやわらかい印象・丁寧な雰囲気が出るから。
公務員の仕事って、住民対応だったり、内部の調整だったりします。
それらの業務をうまくやるには、丁寧さや物腰の柔らかさが欠かせないわけです。
まぁ常体が絶対ダメかと言われたら違いますが、上記の事情を考えると、敬体(です・ます)の方が無難ですね。
公務員の仕事では、文章の体裁や言い回しを超細かくチェックするので、文体が混じっているなんて言語道断です。
②:結論から先に書くこと
どんな事項にしても、まず結論から書いてください。
例えば、以下の通りです。
- 志望動機:〜だからです
- 自己PR:私の長所は〜です
なぜなら、結論から書かない文章はマジで分かりづらいから。
話し言葉でもそうですが、最初に結論や主張したい内容がこないと、受け手は「何が言いたいのか分からない」となります。
何が言いたいのか分からないと、面接官にアピールできるはずもないですよね。
また、一文が長すぎたり、主語が分かりづらかったり、副詞や形容詞がどこにかかっているか分かりづらい文章もNGです。
③:併願状況も正直に書くこと
併願状況を正直に書くかは迷うポイントかもですが、正直に書きましょう。
面接官も公務員試験を経験しているんですから、併願していることくらい知っています。
逆に、ここで下手に嘘を書くと、「本当かな」と確実に疑われてマイナス評価です。
とはいえ、併願状況について聞かれた際には、たとえ他に本命があっても「こちらが第一志望です」と言ってください。
ここで「他が受かったら他に行きます」と言ったら、普通に落ちますよね。
本当に第一志望かは特に突っ込まれませんので、そこは嘘を言って大丈夫です。
公務員試験の面接カードの書き方を学べる参考書は?
ここまで面接カードの書き方を解説しましたが、より詳しく書きかたを知りたいという方は本で学ぶのも大いにアリです。
こちらの本は、面接カードの書き方から面接の受け答えまでが書かれている本です。
マンガ形式なので非常に読みやすく、また内容の網羅性も高いのでおすすめ。
より面接カードの書き方を深く学びたい、しっかりと仕上げたいという方はこっちですね。
現職の面接官の方が、実際の面接カードを添削していく形で解説しているので、書き方のノウハウを学ぶにはぴったりです。
ただ、本の中の著者の口調が若干鼻につく時もあります(笑)。
※詳しくは公務員試験の面接におすすめの本2選。本を使った勉強法で解説しています。
公務員試験の面接カードはとにかく丁寧な字で書こう【コピーして練習すべし】
ここまで面接カードについて書いていきましたが、いよいよ清書という段階になったら、とにかく丁寧な字で面接カードを書きましょう。
字が他の人に与える印象は非常に大きいです。
丁寧に書かれた面接カードを見れば「この受験生は非常にまじめで仕事も丁寧にこなしてくれそうだな」と面接官も思うはず。
一方、雑な字で書かれた面接カードだと「この受験生を合格させて本当に大丈夫かな…」と面接官も不安に思います。
面接の第一印象が決まるのは、面接試験の本番でも、面接カードの内容でもありません。
面接カードの字のきれいさ・丁寧さです。
そのため、自分ができる最大限に丁寧な字で、しっかりと面接カードを書き上げるようにしましょう。
なお、面接カードは清書版が1次試験の合格通知に1枚同封されている場合が多いです。
つまりは「一発勝負」。
書く内容を推敲して、いざ本番という場面になったら、清書版のコピーを数枚とって練習をしましょう。
一発で上手に書くのは難しいので、事前に練習をこなしておくべきですね。
公務員試験の面接カードの書き方のコツ・手順まとめ
面接カードの書き方について解説しました。
直接的な点数対象にはならないものの、面接カードは非常に重要です。
良い面接カードが書ければ、本番でもスムーズな良い面接ができるので、合格に大きく近づけます。
面接における第一印象も左右するので、ぜひ丁寧に書き上げてください。
記事の前半でも触れたとおり、まずは自己分析からです。
自己分析を怠ると、良い面接カードは書くことは不可能。そして必然的に落ちます。
このままページを閉じて「あとでやろう」と思っても、多分すぐに忘れます(僕もそうです)。
面接に落ちなくない方は、忘れない今のうちに「グッドポイント診断」から始めましょう。
早く動いた人から、合格の椅子に座ることができますよ。
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