こんにちは!元公務員のHiroshiです。
本記事ではそんな疑問にお答えするために、公務員試験の専門試験の対策方法・勉強方法について詳しくまとめていきます。
なお、この記事を書いている僕は、独学で公務員試験に挑み…
- 県庁:受験者約1000人中3位合格・首席入庁
- 国家一般職:最終合格(受験者13,000人中500位程度)
- 特別区Ⅰ類:最終合格(受験者12,000人中100位程度)
という結果を残しました。
上を見るとわかるように、いずれの試験でも上位合格を果たしており、特に県庁の教養試験では8割の得点でしたので、信頼性の担保につながると考えています。
公務員試験の「教養試験」の出題科目・出題数を確認
まずは、各公務員試験の教養試験において、どんな科目がどれくらい出題されているのかを見ていきます。
公務員試験は勉強する範囲が膨大なので、配点が大きなところを重点的に勉強するのが効率的。
その意味でも、出題科目と出題数を確認するのが非常に重要になります。
国家総合職の教養試験の出題科目・出題数
数的処理 | 数的推理⑦、判断推理⑦、資料解釈② |
文章理解 | 現代文④、英語⑦ |
社会科学 | 法律①、政治①、経済①、社会事情・時事③ |
自然科学 | 物理①、化学①、地学① |
人文科学 | 日本史①、世界史①、地理①、思想① |
※全40問必須解答
国家一般職の教養試験の出題科目・出題数
数的処理 | 数的推理⑤、判断推理⑧、資料解釈③ |
文章理解 | 現代文⑥、英語⑤ |
社会科学 | 法律①、政治①、経済①、社会事情・時事③ |
自然科学 | 物理①、化学①、生物① |
人文科学 | 日本史①、世界史①、地理①、思想① |
※全40問必須解答
東京都Ⅰ類の教養試験の出題科目・出題数
数的処理 | 数的推理⑥、判断推理⑥、資料解釈④ |
文章理解 | 現代文④、英語④ |
社会科学 | 法律①、政治①、経済①、社会事情・時事⑤ |
自然科学 | 物理①、化学①、生物①、地学① |
人文科学 | 日本史①、世界史①、地理①、文学・芸術① |
※全40問必須解答
特別区Ⅰ類の教養試験の出題科目・出題数
数的処理 | 数的推理⑥、判断推理⑨、資料解釈④ |
文章理解 | 現代文⑤、英語④ |
社会科学 | 法律①、政治②、社会事情・時事⑤ |
自然科学 | 物理②、化学②、生物②、地学② |
人文科学 | 日本史①、世界史①、地理①、思想① |
※全48問中40問選択解答(数的処理と文章理解は必須解答)
地方上級の教養試験の出題科目・出題数
地方上級試験は、自治体によって問題が異なっています。
ここでは代表的な3つのタイプである「全国型」「関東型」「中部・北陸型」を取り上げます。
全国型
数的処理 | 数的推理⑥、判断推理⑨、資料解釈① |
文章理解 | 現代文③、英語⑤、古文① |
社会科学 | 法律③、経済③、社会事情・時事⑥ |
自然科学 | 数学①、物理①、化学②、生物②、地学① |
人文科学 | 日本史②、世界史②、地理② |
※全50問必須解答
関東型
数的処理 | 数的推理⑥、判断推理⑤、資料解釈① |
文章理解 | 現代文③、英語⑤、古文① |
社会科学 | 法律③、政治①、経済③、社会事情・時事⑥ |
自然科学 | 数学①、物理①、化学②、生物②、地学① |
人文科学 | 日本史③、世界史③、地理②、文学・芸術① |
※全50問中40問必須解答(数的処理と文章理解は必須解答)
中部・北陸型
数的処理 | 数的推理⑥、判断推理⑨、資料解釈① |
文章理解 | 現代文③、英語⑤、古文① |
社会科学 | 法律②、政治①、経済①、社会事情・時事⑥ |
自然科学 | 数学①、物理①、化学②、生物②、地学① |
人文科学 | 日本史③、世界史②、地理②、文学・芸術① |
※全50問中40問選択解答
公務員試験の教養試験においては「数的処理」が最優先
各公務員試験の出題数・出題科目を見ていきましたが、いずれの試験においても「数的処理」の配点が非常に大きいことが分かります。
- 国家総合職:16問
- 国家一般職:16問
- 東京都Ⅰ類:16問
- 特別区Ⅰ類:19問
- 地方上級:16問(全国型)
※いずれも全40問
数的処理は教養試験で40%程度の配点を占めるのに加え、できるようになるまで時間がかかる科目です。
そのため、教養試験においては「数的処理」の勉強を最優先にします。
具体的に言うと、数的処理は公務員試験の勉強を開始したときから試験の当日まで勉強するということです。
毎日少しずつで大丈夫なので、継続するようにしましょう。
逆に言うと、数的処理以外の科目については、後回しにしてよかったり、また捨てるものがあってもOKです。
公務員試験の教養試験の対策・勉強法まとめ(科目ごと)
それでは、教養試験の各科目(数的処理・文章理解・社会科学・自然科学・人文科学)について、勉強法やおすすめの参考書を解説していきます。
いずれの科目についても勉強の基本的な方法は同じで、
- 参考書・教材を繰り返し読んで知識をインプットする
- 問題演習を繰り返す
- 最後は模試などで総復習
という流れで進めていく感じです。
数的処理の対策・勉強法
数的処理は「数的推理」「判断推理」「資料解釈」の3つに分かれます。
とにかく「数的推理」と「判断推理」の勉強が最優先で、「資料解釈」は後回しで大丈夫です。
数的推理・判断推理の対策・勉強法
公務員試験の最大の難敵とも言える科目である、「数的推理」と「判断推理」。
公務員試験は文系受験者が多いためか、苦手にしている方が非常に多いです。
しかし、数的推理と判断推理は「暗記」です。
問題のパターンは決まっているため、解法を覚えていけばできるようになります。
勉強法としては、
- 畑中敦子シリーズで解法パターンを覚える
- スーパー過去問ゼミで問題を解きまくる
という感じでOK。
詳しい勉強法については、以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
資料解釈の対策・勉強法
資料解釈は、グラフや表から何が読み取れるかに関する問題。
この資料解釈は、解き方のテクニックを身につけるだけでほぼ確実に満点が取れます。
しかも、資料解釈のテクニックは結構簡単なので、あまり時間をかける必要はありません。
そのため、直前期からの対策でも十分に間に合います。
具体的には、試験の数ヶ月前くらいから「スーパー過去問ゼミ」をザッと解いておくだけで大丈夫でしょう。
なお、数的推理や判断推理が苦手な方に関しては、資料解釈で確実に点が取れるようによく対策しておきましょう。
文章理解の対策・勉強法
文章理解は、現代文・英語・古文の3つがありますが、問題のレベルとしてはセンター試験程度なので、あまり難しくありません。
各科目の対策については…
- 現代文:年明けごろから少しずつ問題を解いていく
- 英語:得意な人は対策不要、苦手な人は速読英単語から
- 古文:捨てる
というスタイルがおすすめ。
なお、文章理解の問題は早く解くことが非常に重要になります。
文章理解で時間を節約できれば、数的処理に時間をたくさん回せるためです。
文章理解の具体的な勉強法については、以下の記事をご覧ください。
社会科学の対策・勉強法
社会科学は「法律」「政治」「経済」「社会事情・時事」の3つに分かれます。
それぞれの対策法は…
- 法律・政治・経済:対策は不要
- 時事:速攻の時事で徹底的に覚える
という感じ。
法律や政治、経済といった問題については、専門試験の勉強で対応できるので、個別に対策しなくて大丈夫です。
イメージ的には、専門試験で勉強した分野の基礎的な事項が出題されるといったところ。
なお、時事については非常に重要なので、「速攻の時事」と「速攻の時事 実践トレーニング編」を繰り返して完璧に覚えましょう。
時事が絡んだ問題は、専門試験でも出題されることが多々あるので、確実にマスターしくことが重要です。
自然科学の対策・勉強法
自然科学については、文系の方は捨ててOKです。
公務員試験の教養試験は、6割〜7割程度で合格できる試験なので、別にすべての科目の勉強をする必要はありません。
特別区Ⅰ類や地方上級試験の教養試験では、自然科学を解かないこともできますし、国家公務員系でも自然科学の出題は1割に満たないので、重要度は低めでしょう。
ちなみに僕は、学生時代から理科系の科目が大嫌いだったので、自然科学はすべて捨てました。
よく、「生物と地学は勉強しましょう」的な予備校サイトやブログも見かけますが、生物や地学の勉強をするくらいなら、他の科目の勉強をした方が合格に近づくでしょう。
自然科学系の科目に触れてきた理系の方以外は、捨てるのが賢明かと。
ただ、自然科学の問題で、時事的な問題(例:ノーベル賞受賞者など)が出題されることがあるので、試験では問題文には目を通しておくのがおすすめです。
人文科学の対策・勉強法
人文科学は「日本史」「世界史」「地理」「思想」「文学・芸術」の5つに分かれます。
人文科学の勉強法は、日本史・世界史・地理から2科目勉強して、思想と文学・芸術は捨てるのがおすすめ。
人文科学は範囲が膨大な割に出題数が少ないので、科目を厳選してピンポイントで対策をするようにしましょう。
勉強する科目としては、日本史と世界史がおすすめ。
日本史と世界史は、出題数も比較的多めで、なおかつ行政系科目などの他の科目とかぶる部分があるから。
中学・高校で勉強してきた方も多いと思うので、取り掛かりやすいでしょう。
人文科学の詳しい対策法については、以下の記事を参照してください。
なお、理系の方などで、「数的処理や自然科学で点が取れる」という方に関しては、人文科学は捨ててもOKです。
前述の通り、公務員試験は6割〜7割程度得点できればOKの試験なので、他でカバーできるのであれば、無理に勉強する必要はありません。
自分が得意な分野、勉強していて苦じゃない分野を重点的にやるという選択肢も、科目によっては可能です。
【公務員試験】教養試験の勉強の手順は?
と疑問に思う受験者もいるでしょう。
教養試験の対策については…
- 〜1月・2月:数的推理・判断推理のみでOK
- それ以降:他の科目も徐々に進める
という感じがおすすめ。
とにかく大事なのが数的処理なので、数的処理を継続的に勉強しましょう。
他の科目については後回しで大丈夫です。
あまり早くから勉強をしても忘れてしまいますからね。
まずは専門試験&数的処理の勉強をして、試験が近くなってきたら他の科目に手を出すというイメージで対策を進めましょう。
まとめ
今回の内容をまとめておきます。
- 教養試験対策では、まず数的処理の勉強を重点的に行う
- その他の科目については、年明け以降の対策でOK
- 勉強法としては、知識のインプットとアウトプットを徹底的に繰り返すこと
- 公務員試験は6割程度の得点率でOKなので、文系の方は自然科学、理系の方は人文科学は捨てるのがおすすめ
公務員試験に独学で上位合格を果たした僕のノウハウをすべて詰め込みましたので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
今回は以上になります。ありがとうございました。
独学で公務員試験の勉強をする方へ【学習ロードマップ公開中】
独学で勉強をしていると、
「いつ何をすれば良いのかわからない」
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- 合格のために必要なマインド【公務員試験の事実から】
- 独学での試験対策における全体の基本方針・戦略
- 1日の勉強のスケジュールの立て方
- 試験対策として使うべき参考書・問題集
- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
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あわせて読みたい記事
有料noteのほか、公務員試験に関する情報については当ブログでも発信しています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(ぶっちゃけこっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。