県庁に首席入庁した僕が、2年で公務員を辞めた理由
公務員をやめる理由としてよくある(民間もそうですが)のが、
- 残業が多くてブラック
- 人間関係
- 年功序列の賃金体系が合わない
といったものですね。
しかし、僕が辞めたのはこのような理由からではありません。
そこまで残業が多かったわけではありませんし、人間関係も良好で気にかけてくれる上司や先輩もいました。
年功序列が良いとは思っていませんでしたが、やめる直接的な理由にはなっていません。
そんな僕がなぜ公務員をやめようと思ったのか、それは以下の理由によります。
簡単に言うと、「向いていなかったから」と「新しいことに挑戦したくなったから」ですね。
僕が公務員をやめた理由①:巨大組織で仕事をすることに向いていなかった
僕が公務員を辞めた理由の1つが、「巨大組織に向いていなかったこと」。
公務員のいる行政組織というのは、知事や市長を頂点とするピラミッド型の巨大組織。
巨大組織特有の以下のような特徴が、僕には壊滅的に合いませんでした。
- 上を納得させるためのコストが非常に大きく、仕事の大半が「説明」
- 上の言うことは絶対で、知事や部長が言ったちょっとした発言に振り回される
ちょっと抽象的ですし、所属課によっても異なるので分かりにくいかもしれませんが、とにかく上の人をリスペクトしすぎる文化が合わなかったというところでしょうか。
行政組織は「上の言うことが絶対」という文化が根強かったので、説明する側の下の職員は「どうすれば上が納得するか」を考えます。
でもそうなると、「『県民』ではなく『上』が満足するだけの、自己満の施策しかできないのではないか」と僕はずっと思っていました。
末端の職員がいくら上に説明をしても、上が納得しない限り、自分では「おかしい」「必要ないのに」と思っている仕事もやらないといけません。
組織の中でサラリーマンとして生きるというのはそういうことなのかもしれませんが、僕にはこれが本当に無理でしたね。
僕が公務員をやめた理由②:不毛で意味のわからない仕事が嫌になった
とにかく不毛で、やっている意味の分からない仕事が多くあったことも、僕が公務員を辞めた理由の1つです。
その代表的な例が「議会」。
茶番劇を行うために何時間も答弁調整したり、議員への根回しをしたりというのが本当に意味不明で、「なんのためにやるんだろう?」っていつも感じていました。
(議会の実態については以下の記事でまとめています)
https://public-allabout.com/koumuin-gikai/
議会以外にも不毛で意味不明だと感じる仕事がたくさんあり、「不毛な仕事を普通だと思って受け入れたくない」「もっと生産的なことがしたい」と感じていました。
僕が公務員をやめた理由③:うつになったから
うつ(抑うつ状態)になって休職したことは、僕の中で公務員をやめた最大の理由でした。
「うつになった=公務員の仕事はもうできない」と感じたからではありません。
うつになったのをきっかけに、「自分が人生の中で大事にしたいことは何か」を徹底的に考えた結果、「レールから降りて、自分のやりたいことをやろう」と思うに至ったからです。
上につらつらと辞めた理由を書きましたが、うつにならなかったら、多分この先もずっと県庁で働いていたと思うんですよ。
公務員は安定した給料が毎月振り込まれて、世間体もよくて、福利厚生も充実している仕事なので、つまらない仕事を我慢するだけのメリットはありますからね。
公務員をやめるということは、こういったメリットを全て捨てるということです。
僕は「やりたいこと」は公務員時代からもありましたが、一方で「安定していて、社会的な信用度の高い仕事をすることが大事」だと思っていました。
いま思うと、うつにならなかったら、やりたいことを優先して安定や社会的信頼を捨てる決断はできなかったなと感じます。
でも、うつになったことで価値観が変わりました。
「一度きりの人生なんだから、安定や世間的に縛られてやりたくない仕事をするより、自分のやりたいことをやった方が幸せだ」と思うようになったんです。
今まで自分の頭を支配していた、「安定」や「世間体」という価値観がぶっ壊されたというという感じですね。
その意味で、「うつは創造的自己破壊」なんだなとしみじみと感じます。。。
【公務員をやめたい人へ】上司に退職を伝えるときのたった1つのポイント
この記事を読んでいる方の中には、「公務員を辞めたい」と思っている方もいるでしょう。
そんな方がいざ上司に退職を伝えようとする際、最も迷うのが「なんて言おうかな」ということですよね。
ダルい引き止めにも合わず、なるべくすんなりと退職したいところですが、伝え方を間違うと長期化する可能性があります。
そうならないためのポイントはたった1つ。
それは「仕事が嫌だから辞める」ではなく「やりたいことがあるから辞める」と伝えることです。
「嫌だから辞める」というと、上司の方も「どうやったら嫌じゃなくなるのか」「楽しく仕事をするための解決策を考えよう」というスタンスになりがちです。
こうなると長期化する可能性が高く、結局のところ引き止められてしまうこともあるでしょう。
一方、「やりたいことがあるから公務員を辞める」と言われたら、上司の方も「そうか…それなら頑張れ」「残念だけど、違う道でも頑張れ」となります。
まぁ当然ですよね。その人の人生を決める権利・やりたいことを止める権利を上司は持っていないんですから。
ちなみに僕も、辞める際には「やりたいことがある」「新しいことに挑戦したい」と伝えて、すんなりと円満に退職できました。
本気でやめたいと思っている方は、ぜひ参考にしてください。
公務員を辞めた理由に関するまとめ
本記事の内容をまとめます。
- 「公務員の仕事が合わなかった」のと「新しい事に挑戦したくなった」のが、僕が公務員を辞めた理由
- 退職を上司に伝える際には、「仕事が嫌だから」ではなく「やりたいことができた」と言うのがおすすめ
別に僕は公務員をやめることを推奨しているわけではありませんが、辞めるか続けるかを考える上で少しでも参考になれば幸いです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
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