こんにちは!元公務員のHiroshiです。
難関と言われる公務員試験。
公務員試験を受ける人は「公務員1本」に絞っているのが多数派なので、なるべく併願をしておきたいと思いますよね。
そこで今回は、上のような疑問・悩みに答えるために「公務員試験の併願」というテーマで書いていきます。
ちなみに僕は、県庁に独学で首席入庁を果たした経歴を持つ元公務員(県庁職員)です。
僕自身の体験なども踏まえて書いていくので、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
公務員試験で併願先を増やすと陥る落とし穴【デメリットを解説】
よく他のサイトでは、「公務員試験はなるべくたくさん受験するようにしましょう」と言っています。
たくさん併願して受験すると、持ち駒が増える
→全落ちのリスクが小さくなる
という理屈でしょうね。
全落ちを避けるために、少しでも多く受けるというのは一見すると理にかなっています。
しかし、この考え方には大きな落とし穴があります。
それは、併願先を増やすに従って、1つの受験先に合格する可能性が低くなるということです。
公務員試験の併願先を増やす=各試験の合格率が下がる
なぜなら、単純に1つの受験先に割くことのできる労力・時間が減るからです。
このことは、併願のデメリットを考えればすぐに分かります。
- 勉強する科目が増える=負担増
→試験種によって試験科目が一部異なる - 勉強する時間が減る
→試験当日は勉強ができない - 十分な面接対策ができなくなる
→受験先1つ1つに対して面接カードの作成・想定問答集・志望動機づくり等をする必要性が出る
つまり、筆記試験でも面接試験でも、併願先を増やすと、同時にやることが増えてしまうので、結果として1つの受験先に対して注げるリソースが減るんです。
何かを達成したいことがある時、その物事に対して100%の時間を使うのと、50%の時間を使うのとでは、前者の方が達成する可能性が高まりますよね。
それと同じで、リスク回避のつもりで併願先を増やしても、1つ1つの受験先に合格する確率は確実に下がることを頭に入れておいてください。
【公務員試験】併願先は3〜4つに絞るべき
とはいえ、「1つの試験種・自治体しか受けない」というのは不安ですよね。
自分の時間・労力のリソースを100%使えるので、確かに万全の対策はできるでしょうが、メンタル的に不安定になる可能性があります。
そこで、公務員試験では第一志望を含めて3〜4つ併願するのがおすすめ。
なぜなら、3つ〜4つであれば、1つの受験先に対して十分な労力・時間を割ける上に、「持ち駒」という面でメンタル的に安定しやすいからです。
ちなみに僕は、県庁・国家一般職・特別区を受けたのですが、3つに絞ったおかげで、面接を含めていずれもしっかりと対策ができました。
その結果、以下のような良い結果を残しましたよ。
- 県庁:首席入庁(受験者約1,000人)
- 特別区:上位合格(12,000人中100位程度)
- 国家一般職:上位合格(13,000人中500位程度)
僕の体感では、プラス1つ、つまり併願先4つであればギリギリ対応できた気がしますが、それ以上になると手が回らなくなったと思います。
1つ1つの公務員試験の合格率を損なわずに、全落ちのリスクを下げたいという方は、3〜4つくらいに併願先を絞るのがおすすめです。
公務員試験の併願先を決める際の方針について
「併願先は3〜4つに絞るべし」と書きましたが、それに収めればなんでも良いというわけではありません。
併願先を決める際には、「スケジュール」と「第一志望」をベースに考えてください。
併願先の方針①:スケジュール
当たり前ですが、受験日が被っている試験を併願することはできません。
そのため、併願先を決めるにあたっては、まず試験のスケジュールをチェックするのがマストです。
ちなみに、2019年の行政職の公務員試験(1次試験=筆記)は以下のようなスケジュール感で実施されました。
4/28(日) | 国家公務員総合職 |
5/5(日) | 東京都Ⅰ類B・特別区Ⅰ類 |
5/11(土) | 裁判所事務官 |
6/9(日) | 国税専門官・財務専門官・労働基準監督官など |
6/16(日) | 国家一般職 |
6/23(日) | 地方上級(道府県庁・政令市ほか) |
なお、公務員試験の日程は年度によって異なるのですが、日程には以下のような法則性・決まりがあります。
- 都庁と特別区は同日開催=併願不可
- 国税・財務・労基は同日開催=併願不可
- 国家一般職の次の週に地方上級
そのため、日程が出揃っていない段階でも、併願先の指針を決めることは可能です。
注意点として、筆記試験の日程が異なっていても、面接の日程が被ることがあります(例:国家一般職の人事院面接と県庁の2次試験の面接がバッティング)。
とはいえ、面接の日程は当然ながら受験前には分からないために考えても無駄なので、とりあえず筆記の日程だけチェックすればOKです。
併願先の方針②:第一志望をベースにする
併願先を決める際には、とにかく「第一志望」をベースにしてください。
つまり、第一志望の勉強範囲で筆記試験に対応できるかどうかを念頭に併願先を決めるということです。
例えば、地方上級(県庁)が第一志望だった場合を考えます。
そのときに併願先として都庁を選んでしまうと、「専門記述」の勉強が必要になりますよね。
これでは勉強の負担が増えてしまい、県庁の専門試験対策(択一式)の時間が十分に取れなくなるため、県庁の合格率が下がってしまいます。
なので、県庁が第一志望の方の場合は、勉強の負担が増える都庁ではなく、県庁と同様の範囲で対応できる(=専門試験が択一式)特別区をチョイスしましょう。
併願先を受験するために勉強する範囲が増えて、その結果として第一志望のための勉強がおろそかになったら元も子もありません。
併願先を決める際には、ベースを第一志望に据えて、あまり負担の増えない受験先をチョイスするのがコツです。
併願パターンの例【地方上級で考える】
上でも少し触れましたが、地方上級が第一志望の方を例に併願パターンを考えてみます。
- 5月:特別区
- 6月2週目:国税専門官←できたら
- 6月3周目:国家一般職
- 6月4周目:地方上級
上記のとおり。
現実的に対応できるのは3〜4つと前述したとおり、4つに絞りました。
基本的には、第一志望の地方上級と同じ試験範囲で受けられるところは受けましょう。
国税専門官を入れたのは、国税ならば普通の行政職とほぼ同じ範囲で対応できるから。
(国税は専門記述が1問のみで、憲法や民法で受けられるので、他と比べて負担は軽め)
もちろん、無理に受ける必要はありませんよ。
負担が軽いとはいえ、あくまで県庁に合格することを最優先に考えていたので、択一式の問題をガチで解いていました。
公務員の併願先として民間ってあり?←アリ。面接に生かせる
めっちゃアリです。
正直、公務員の併願先をやたらと増やすくらいなら民間を受けるべきですね。
なぜなら、確かに民間との併願は負担も大きいですが、得るものも非常に大きいから。
- 民間を受けておくことで、公務員の面接の練習にもなる
- 民間を見ることで、公務員の面接における志望動機の差別化にもつながる
- 民間の内定があれば、余裕を持って公務員試験の面接に挑める
→大半の受験生は公務員1本なので、差別化にもなる
上記のとおり。
公務員の併願って大半の人がやるので、それだと他の受験生に埋もれます。
でも、民間との併願をすれば、試験官への印象でも志望動機でも他の受験生と差別化できますね。
民間との併願ならば、公務員の併願を増やすのと違って筆記試験の勉強科目が増えることもありません。
民間就活をして公務員の勉強は間に合う?
やり方次第です。
公務員試験の勉強を早くからしっかりと行うのは大前提としても、普通の就活ではまず無理でしょう。
※普通の就活は以下のようなものです。
- 就活サイトに登録
- 自分で行きたい業界・企業を探してエントリー
- エントリーした会社の説明会に参加
- 企業にESを提出し、面接を受ける
- 内定
しかし、今ではかなり便利な就活サービスが多数あります。
例えば、「就活エージェント」や「スカウト型求人サイト」ですね。
就活エージェント
「就活エージェント」とは、エージェントとの面談をもとにあなたの希望・適性にあった企業を紹介してくれるサービスのこと。
企業の紹介に加えて、面接やESの指導も行ってくれるので、かなり効率的な就活ができます。
スカウト型求人サイト
「スカウト型求人サイト」とは、サイトに登録して自己PRを記載しておくと、企業からあなたにスカウトが送られるサービスです。
自分で企業を探す必要がない上、通常課せられるフローを飛ばせるので、選考がサクサク進みます。
登録して待つだけでかなり効率的な就活ができるので、公務員との併願にはこれ以上ないサービスかと。
正直、公務員の併願先を増やすよりも負担は小さいですね。
なお、【無料】公務員試験受験者におすすめの民間就活サイト5選にて詳しく紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
公務員試験の併願に関するまとめ
「併願先はなるべく増やそう」というサイト・ブログが多いですが、それを信じてしまうとかなり危険です。
「たくさん受ける→合格の可能性が高まる」というのはあまりに短絡的すぎますよ。
むやみに受験先を増やすよりも、受験先を自分が対応できる範囲に絞って、1つ1つの対策を万全にした方が確実に合格率は高まります。
受験先を広げるくらいなら、民間を受けた方がよほどメリットがありますし、効率も良いです。
本記事を参考に、一人でも多くの方がご自分にとってベストな併願の選択ができることを願っています。
今回は以上になります。ありがとうございました。