こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員試験の受験を考えている人の中には、自分が公務員に向いているか悩んでいる人も多いはず。
そんな方のために、本記事では「公務員に向いている人・向いていない人の特徴」を取り上げます。
本記事の内容
- 【向いている・向いていないの前に】公務員の仕事の特徴
- 公務員に向いている人の特徴
- 公務員に向いていない人の特徴
- 公務員に向いているor向いていないを考えても無駄
ちなみにこの記事を書いている僕は、県庁職員(行政職)として働いていた元公務員です。
その経験を元に書いていきますので、ぜひ参考にしてくださいね。
【向いている・向いていないの前に】公務員の仕事の特徴
向いているor向いていないを考える前に、公務員の仕事の特徴について見ていきます。
特徴がわからないのに、向いているor向いていないを判断することはできないですからね。
公務員の仕事の特徴
- 前例踏襲→変化を嫌う
- 調整が多い
- 形式主義
- 成功を求めるよりも失敗を避ける傾向
- 年功序列・横並び
①前例踏襲
公務員の仕事の特徴としてまず揚げられるのが、「前例踏襲」です。
前年度までのファイルを見て、それを参考にしながら同じように業務を行なっていけば、普通に仕事がこなせるようになっています。
なぜ公務員組織に前例踏襲の色が強いのかというと、「議員や関係団体との関係」と「異動」に関係があります。
前例踏襲をやめ、改革をする(既存の事業を壊す)となると、議員などの関係各所から反発が起きますよね。
そうなるとめちゃくちゃダルいので、誰もやりたがりません。
そして、自ずと議員や団体に対して説明がついている既存の事業を継続する方向(=前提踏襲)になるんです。
また、公務員は異動が多く、3年くらいのスパンで仕事内容が変わります。
1つの仕事に従事する期間が短いため、何か新しいアクションを起こすほどその分野に関するノウハウや知識も蓄積しませんよね。
となると、無難に業務をこなして、次の異動を待つ人が圧倒的に多くなります。
まぁ公務員の場合は、何か抜本的な仕事をしたところで給料が大して変わりませんしね。
②調整が多い
「調整」が多いのも公務員の仕事の特徴。
まぁこの「調整」といってもピンとこないかもしれませんが、具体的には次のようなものです。
- 関係部署との交渉(例:財政課への予算要求)
- 上(部長や課長)への説明
- 議員への根回し
要は、円滑に仕事を進めていくための業務全般が「調整」といえます。
まぁ調整ってすごく大事な仕事ではあるんですが、それ自体は特に価値を生みません。
なお、公務員の場合はとにかく身分が上の人(上司や議員)をリスペクトする傾向が強いので、調整のために資料をめちゃくちゃ作ります。
③形式主義
公務員は、正しい形式や手続きに則った仕事のやり方を重視します。
例えば、どんなに小さい仕事であっても起案→決済の手続きをしないと仕事が進められませんし、担当者の裁量が小さく、その場で決断をすることができません(上の判断が必要)。
また、中には「ここまでこだわるの?」というくらい、細かいところまで気をつけないといけない仕事もありますね。
また、仕事の中で「こんなの時間の無駄でしょ」と思うようなことがあっても、基本的に仕事のやり方はすべて決められているので、それを独自の方法に変えることはNGです。
④失敗を避ける傾向が強い
とにかく失敗を避けようとする傾向が強いのも、公務員の仕事の特徴の1つ。
行政組織の財源は税金なので、失敗をして損失を出してしまうと各方面から叩かれる可能性がありますので。
そのため、とにかくミスなく仕事を遂行することが求められます。
また、失敗を嫌うということは、「リスクはあるけれど成功する可能性もある」選択肢をとらないことでもあります。
そのため、他で前例がない事業を提案したところで、「成果が出る根拠が薄い」として、財政課で潰される可能性が非常に高いですね。
⑤年功序列・横並びで昇格
公務員は基本的に40歳くらいまでは同期が横並びで昇格していきます。
仕事の出来不出来に関係なく、安定して給料と役職が上がっていくイメージですね。
40歳を過ぎた頃からある程度の差はつきますが、それでも差は非常に小さいです。
部長級(同期トップ)まで出世しても年収1,000万円強、全然出世しない場合でも最終的に年収800万円くらいには到達するので。
公務員に向いている人の特徴
公務員の仕事の特徴をふまえた上で、公務員に向いているのは以下のような人です。
- 言われたことを忠実に実行できる
- ルールや手続きそのものに疑問を持たない
- ケアレスミスが少ない
- 出世欲がさほどなく、横並びで昇給していくのが良いという価値観
- 社会的信用や体裁を求める
- 人とのコミュニケーションが苦じゃない
- 仕事とプライベートを完全に分けて考える
- 説明や根回し、調整が得意
簡単にいうと、優等生タイプ・縁の下の力持ちタイプの人は公務員に向いています。
自分でアクションを起こすのではなく、与えられた自分の仕事を決められた方法・手続きに則って淡々とこなせるような人ですね。
また、公務員は仕事の特性上、やりがいを見出すのはどうしても難しい部分があるので、仕事を「お金を稼ぐための手段」と割り切ることも重要かなと思います。
公務員に向いていない人の特徴
逆に公務員に向いていないのはこんな人ですね。
- 自分で主体的に仕事をしたい
- 仕事の中で価値を提供したい
- 新しいことにどんどんチャレンジしたい
- 年齢ではなく能力や実績に応じて役職や給料が決まるべきという価値観
- 無駄なこと手続きや慣例に縛られたくない
- 人とコミュニケーションを取るのではなく、とにかく自分の仕事に没頭したい
簡単にいうと、チャレンジングで上昇志向のある性格の人は公務員に向いていません。
前述のように、公務員はどうしても変化を嫌いますし、手続きに則った仕事が求められるので。
担当者の裁量も小さいですし、既存のルールや枠組みの中でしか仕事が行えないので、チャレンジングな性格の人にとっては息苦しさを感じてしまうでしょうね。
【結論】公務員に向いているor向いていないを考えても無駄です
公務員に向いている人・向いていない人について触れました。
あえて分けるならば、向いているのは「ワーク・ライフ・バランス型」の人で、向いていないのは「ワーク・アズ・ライフ型」の人ですね。
ただ、ぶっちゃけ向いているor向いていないを考えても無駄です。
なぜなら、実際に仕事をしてみないと向いているor向いていないなんて絶対に分からないから。
あ、ちなみに「適職診断」的なやつもあんまり意味ないかなと。
仕事をしていく中で価値観なんていくらでも変わりますし、自分でも気づけなかった自分でに出会うこともあります。
特に新卒の大学生なんかは尚更ですね。
まだ働いたこともないのに、自分の仕事に対する価値観なんて分かるはずもなく、すべて想像に過ぎません。
元公務員Hiroshiの例
少しだけ僕の話をさせてください。
僕は学生時代、以下のような価値観を持っていました。
- 仕事なんてお金を稼ぐための手段だから、別にやりがいは求めない。それなりの収入と休日があれば良い
- 出世競争とかもそんなに興味ない。年功序列で給料が増えていけばOK
- 自分は多分「優等生タイプ」だから言われたことを忠実にできる自信がある
完全に「公務員に向いている人」ですよね。
ワーク・ライフ・バランスが整っていればOKという価値観でした。
でも、公務員として仕事をしていく中で変わっていきました。
- 自分の中でやりがいを感じられる仕事がしたい
- スキルを身につけて世の中に価値を提供したい
- 自由な働き方がしたい
- チャレンジがしてみたい
- 年功序列はやっぱりおかしい
一気に「公務員に向いていない人」になりましたね(笑)。
このことから僕は、「実際に働いてみないと分からないんだな」と感じたんです。
その他の公務員の例
もちろん僕以外にも、このような例はいくらでもあります。
僕の1年上に入った先輩は民間からの転職組だったのですが、元々はメガバンクでバリバリ働いていた方でした。
でも、メガバンクで働く中で価値観が変わり、公務員に転職したとのこと。
また、僕が一緒に仕事をしていた同じ課の30代の上司は、新卒で公務員になった方でしたが、仕事のやりがいを見出し、既存の枠組みの中でチャレンジをしていました。
上にもしっかりと意見を言っていましたし、新しい事業をどんどん提案していた印象が残っています。
その方は「仕事が好きだ」と言っており、既存の枠組みや決められたルールの中でも、楽しみながら仕事を行っていましたね。
公務員になりたいなら、向いている・向いていないを気にせずに行動すべき
公務員に向いている人・向いていない人の特徴について解説していきましたが、これはあくまで「一般論」に過ぎません。
向いていると思って公務員になったものの、実は向いていなかったり、逆に向いていない性格だったのに、いざ公務員として働いてみたら案外合っていたなんてことも十分あり得ます。
前述したように、実際に働いてみないと分からない部分が非常に大きいんです。
したがって、もしもあなたが「公務員になろうかな」と思っているのであれば、とにかく行動を始めてください。
「公務員が気になるけど、自分に向いているのかな」なんて悩んでいても何も始まりません。その時間がマジで無駄です。
公務員になってみて自分に合っていたら結果的にOKですし、合わなかったら辞めて方向転換すれば良いだけですからね。
なお、具体的な行動としては、勉強を開始したり、色々と情報収集をしたりすることです。
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