こんにちは!元公務員のHiroshiです。
公務員試験は、よく「女性有利」「女尊男卑」と言われます。
このことは、公務員になりたい方、特に男性受験生にとっては大きな不安要素ですよね。
そこで今回は「公務員は女性有利なのか」をテーマに取り上げます。
本記事の内容
- 公務員試験は女性有利なのか?実際のデータから読み解く
- 【経験から語る】公務員試験で女性が受かりやすい理由
この記事を書いている僕は、県庁に首席入庁した経歴を持つ元公務員です。
また、最後には受験生向けに「女性有利な公務員試験を受ける上でのマインド」にも触れています。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員試験は女性有利?本当に優遇されているかデータで検証
実際の採用試験の男女別合格者数・倍率のデータから、女性が公務員試験で優遇されているかを見ていきます。
(1次試験の筆記は上から合格するので、女性有利に働く余地がありません)
なお最初に言っておくと、データを見ると女性優遇に感じられます。
①:裁判所事務官・大卒一般職←かなり女性有利
2次受験者 | 最終合格 | 倍率 | |
男性 | 1,954 | 519 | 3.8倍 |
女性 | 1,661 | 736 | 2.3倍 |
裁判所事務官と言えば、女性が受かりやすいことで有名な試験ですね。
数字を見ると分かるように、男女でかなり倍率に開きがあります…
②:国家一般職(行政区分・大卒)
2次受験者 | 最終合格 | 倍率 | |
男性 | 4,939 | 3,295 | 1.5倍 |
女性 | 3,086 | 2,380 | 1.3倍 |
国家一般職は男女の倍率の違いはそこまでありません。
ただ、やはり女性の方が倍率が低く、「男性よりもやや受かりやすい」とは言えそうです。
③:東京都庁Ⅰ類B(行政)
2次受験者 | 最終合格 | 倍率 | |
男性 | 487 | 210 | 2.3倍 |
女性 | 310 | 193 | 1.6倍 |
都庁も男女の間で倍率になかなかの差があります。
2倍超と1.5倍程度では、数字のインパクトに違いを感じますよね。
④:特別区Ⅰ類(事務)
2次受験者 | 最終合格 | 倍率 | |
男性 | 2,421 | 1,306 | 1.9倍 |
女性 | 1,391 | 1,065 | 1.3倍 |
特別区は令和元年より男女別の受験者・合格者を公表していないので、平成30年のデータになります。
ご覧の通り、特別区も女性の方が倍率が低めです。
男性の倍率が2倍近くあるのに対し、女性は1.3倍なので受かりやすいと言えそうですね。
その他:大阪府や名古屋市など←非公表
その他については、男女別の受験者・合格者などを公表していない自治体が大半でした。
なにか政策的な意図があるのか、もしくは公表すると色々言われるのが面倒なのか…
この辺はご想像にお任せしますが、上記のとおり全体として女性の方が倍率が低いです。
なので、男女別の試験結果を公表していない自治体に関しても、同様の傾向にある可能性が高いかと。
女尊男卑?公務員試験に女性が受かりやすい理由
こんなの逆差別にしか思えない!不当だ!!
ここまで読んで、特に男性受験生の中にはこう思った人も結構いるのではないでしょうか?
確かに数字だけを見ると、女性には何らかの優遇措置がされていると感じるでしょう。
でも正直、僕が実際に公務員として働いた経験から言うと、採用段階で女性が有利になっている印象はあまり受けませんでしたね。
また「女性を優遇している」等と、証拠のないことを言っても無意味です。
そこで、データと僕自身の経験から、僕が感じる「女性が公務員試験に受かりやすい理由」を挙げました。
- 面接官の多くが「おじさん」だから
- 単純に女性の方が優秀だから
- 公務員試験は本当の意味で平等だから
それぞれ詳しく話します!
理由①:面接官の多くが「おじさん」だから
事実として、面接官の多くがおじさん世代の男性職員です(女性もいるが少ない)。
面接官といっても人間ですから、若い女性を高く評価してしまう可能性はあるでしょう。
極論を言うと、面接は「一緒に働きたいか」で合否が決まるものです。
仮に面接の内容が同じでも、冴えない感じの男性と綺麗な女性がいたら…
無意識的に、おじさん面接官は女性に高い得点をつけるのは容易に想像できますよね。
理由②:単純に女性の方が優秀だから
あくまで僕の知る限りですが、女性受験者には真面目で優秀な方が多い印象です。
学歴だけでは判断できない部分もありますが、良い大学を出ている方も多いですね。
また、たとえ非常に聡明であっても、人生設計を考えて公務員を選ぶ女性も数多くいます。
女性にとって、公務員は非常に魅力的な職業です
一方で優秀な男性は、公務員ではなく民間を選ぶ傾向がより強いです。
つまり、女性と男性とでは、そもそもの受験者レベルに差が生じている可能性があるわけですね。
さらに、女性の方が面接で評価される「優秀さ」を持っている印象があります。
- コミュニケーション能力
- 明るさ・にこやかさ
- 人当たりの良さ・話の上手さ
例えば上記ですね。
正直、この辺の要素を持っている=仕事ができるわけではないですが、面接なんて20分くらいで行われるものです。
必然的に、「印象の良い人」の評価が高くなるので、女性の方が受かりやすいでしょう。
理由③:本当の意味で「平等」だから
3つ目に考えられる理由が、公務員試験が本当に「平等」だから。
全体の傾向として、女性の方がコミュ力があって空気が読めて、気が利く方が多いと思います。
面接の評価で採用を決めたら、女性ばかりになる
民間の採用試験でも、上記のことがよく言われており、女性の評価はかなり高いです。
しかし、民間の総合職採用は圧倒的に男性が多いですよね。
理由として考えられるのが、女性は産休・育休を取る可能性が高いこと。
企業側にとって女性を増やすことはリスクとも捉えられるので、たとえ優秀でも採用されないケースもまだ普通にあります。
一方、公務員試験は「平等」な試験です。
産休や育休、結婚による退職などを考慮せず、上から合格させていく形式になっています。
そして前述のように、女性の受験生には総じて優秀な方が多いです。
上から順に合格を決める→女性が多くなる→女性の倍率が低くなる
必然的に、上記のような流れになりますよね。
よく「女性合格者が多い=差別だ」と言う人がいますが、それは少し短絡的。
平等に試験を行った結果、女性の合格者が多くなったとも考えられるわけです。
公務員試験で、「女性有利」「男性は不利」と不満を言っても無駄です
上記のとおり、女性が受かりやすい理由を僕なりに考えてみました。
しかし、面接はブラックボックスなので、もしかしたら何らかの優遇措置があるのかもしれません。
「官が民の手本になる」意味でも…
特に裁判所事務官レベルだと、なかなか露骨です。笑
ただ、仮に女性有利であっても、その現状は変えられません。
それでも公務員になりたいのであれば、誰よりも努力をすれば良いだけの話です。
「女性に有利だ」「アファーマティブアクションだ」と不満を言っても、何も生まれないので、かなり無駄ですよね。
文句を言う暇があるなら、努力した方がよほど生産的です。
男性でも受かる人はいますし、女性でも落ちる人はいるわけなので。
男性・女性問わず、とにかく頑張ることが大事ですよ。
※別に僕はフェミニストではありません。笑
ぶっちゃけ、「公務員試験は女尊男卑」と言っている人の大半は、落ちた人だと思います。
そして落ちた原因は、おそらく差別されたことではなく、単純に努力不足でしょう…
これから公務員試験を受ける人は、そんな「ダサい人」にならないよう、精一杯努力してください!
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