こんにちは!元公務員のHiroshiです。
面接で言えるような志望動機なんて無いんだけど、どうすればいいんだろう?
上記のような悩みを持つ人向け。
公務員試験を受けるものの、正直「公務員の志望動機がない」方も多いはず。
(何を隠そう、この僕もそうでした笑。)
志望動機がない場合、多くの方が頭を悩ませると思います。
でも、ぶっちゃけそこまで悩まなくて大丈夫ですよ。
今回は「志望動機がない場合の対処法」を取り上げます。
本記事の内容
- 公務員の志望動機がない←全く問題ない理由
- 言ってはいけない志望動機
- 志望動機がない人のための対処法・例文
- 面接で志望動機以上に大切なこと
記事の内容を理解して実践することで、志望動機の悩みをサクッと解決できます。
志望動機よりも大切なことにも触れるので、面接を有利に進められますよ。
この記事を書いている僕は、県庁に首席入庁した経歴のある元公務員です。
国家一般職・特別区にも上位10%以内で受かっているので、記事の信頼性担保につながるかと。
3分ほどで読めるので、ぜひ最後までお付き合いください。
公務員の志望動機・なりたい理由がない←全く問題なし
見出しに書いたとおり、仮に志望動機がなくても全く問題ありません。
面接官は「志望動機だけ」を見て、合否を決めるわけではないからです。
志望動機がなくても全く問題ない理由
公務員試験の面接では、数多くの要素から合否が総合的に判断されます。
- 面接全体での話の内容
- 話し方・話の構成
- 見た目の印象
例えば上記で、志望動機はこの1つの要素にすぎません。
仮に志望動機がなくても、他でカバーすれば問題ないことはイメージできると思います。
また面接官の方も、受験生に大した志望動機がないことくらい分かっています。
公務員の人って、9割くらいの人がつまらさなそうに仕事をしてますからね。
実際の職員も、大半の人が以下のような理由で公務員になって働いています。
- 中の上くらいの水準で安定している
- 福利厚生が充実している
- 土日祝日が休み。有給も取りやすい
- 社会的な信用度が高い
(仕事に対してかなり割り切ったスタンスの人が多いです)
現実がこれなんですから、受験生も同じような人が集まるのが当然ですよね。
むしろ受験生にだけ、仕事への情熱や高尚な志望動機を求める方が明らかに変です…
例:僕の県庁の志望動機について
参考程度に、僕が県庁の面接カードで書いた志望動機を紹介しておきます。
- 地元である〇〇県の発展に貢献したいと思い、志望しました。
- 〇〇県は豊かな自然に加え、〜等の産業が盛んな県であり、大きな発展可能性を秘めています。
- しかし、△△という課題もあります。
- そこで私は、幅広い業務ができる県職員の仕事を通じて、〇〇県の抱える問題の解決に貢献し、県の発展を支えたいと思っています。
こんな感じ。
読めばすぐに分かりますが、全然大したこと書いてないですよね。
この程度の志望動機でもトップで入庁できたわけです。
(国会一般職・特別区の志望動機もありきたりなことしか言っていません)
自ずと、志望動機がさほど重要視されていないことが分かると思います。
しかし、なくても別に焦る必要はないですよ。
公務員の志望動機がない場合でも、これだけは絶対に言ってはいけない
前述のように、公務員の志望動機にはそこまで頭を悩ませる必要はありません。
しかし、絶対に言ってはいけない志望動機があるので要注意です。
①:安定や休日などに触れる
- 公務員は安定している
- 土日祝日が休みな上、有給も取りやすい
- 福利厚生が充実している
志望動機でこれらに触れるのはNGです。
確かに安定や休日面は公務員のメリットです。
志望動機の本音がここにあるのは面接官も分かっています。
でもそれを本番で言うのは全く別の話です。
「本音と建前」が使い分けられない=使えないと思われますよ。
公務員は割と忖度が必要な職業なので、余計なこと・本当のことをすぐ言う人はかなり嫌がられる印象があります。
(余計なことを言うと、上が説明する・他の人の仕事が増えるので)
また、単純にモチベーションが一切感じられませんよね。
以下の2人の受験生がいた場合、あなたはどっちを採用したいか考えて見てください。
- 土日祝日休めるから公務員になりたい人
- 市民の役に立ちたいから公務員になりたい人
自分が面接官だったら、絶対後者を選びますよね。
面接官的にも、情熱のある人を採用したいと思うのが自然です。
安定や休暇を志望動機で言ってしまうと、当然評価は相対的に低くなります。
②:民間企業を否定する
民間を否定して公務員の魅力を話す人もいますが、絶対NGです。
そもそも資本主義社会なんですから、利益追求を否定するのはおかしな話です。
そして民間企業も社会に幅広く価値を提供しており、人々の生活を豊かにしています。
(民間企業は、価値提供をした対価として金銭を得ています。)
また民間企業は、売上の一部を税金として納めてくれています。
売上に応じて法人税がかかりますし、民間企業が社員に支払った給料からも所得税・住民税等が徴収されています。
税金がなかったら、行政は事業・サービスを実施できません。
また当然ですが、公務員の人件費も税金です。
民間企業を否定したら、公務員は生きられなくなりますよね。
上記のような背景・理由から、面接の中で民間を否定するのは絶対NGです。
一気に印象が悪くなります。
(僕が面接官なら、嫌味ったらしくめちゃくちゃ掘って聞きます笑)
違いを踏まえるのはOK
民間と公務員の違いを踏まえて「公務員になりたい」と言うなら問題ありません。
- 民間:財やサービスを提供することで利益を得る
- 公務員:広く公益になる業務を行う。民間企業などの事業者のサポートをすることも
「公務員の立場から〇〇がしたい」等と言えればOKですね。
【公務員の志望動機がないor安定の人へ】志望動機の具体的な例文←無難でOK
ここまで見たとおり、公務員の志望動機の特徴は以下です。
- 志望動機はぶっちゃけそこまで重要ではない
- とはいえ、安定などの待遇に触れたり、民間企業をディスったりするのはNG
つまり、志望動機は②のポイントを避けつつ、無難に仕上げれば問題ありません。
以上を踏まえて、無難に使える志望動機を例文つきで2パターン紹介します。
①:その自治体が好きなことをアピールする
1つ目が「自治体が好きな気持ちを伝える+発展に貢献したい旨をアピール」する方法。
僕の県庁の志望動機はこれですね。
(もう一度出しておきます)
- 地元である〇〇県の発展に貢献したいと思い、志望しました。
- 〇〇県は豊かな自然に加え、〜等の産業が盛んな県であり、大きな発展可能性を秘めています。
- しかし、△△という課題もあります。
- そこで私は、幅広い業務ができる県職員の仕事を通じて、〇〇県の抱える問題の解決に貢献し、県の発展を支えたいと思っています。
「その自治体が好きで貢献したい」という気持ちは、シンプルに熱意を伝えやすいです。
そして熱意が伝われば、面接官的にも十分及第点なはず。
この方法は、地元自治体を受ける場合にはかなり使いやすいかと。
ただ、地元でない自治体を受ける場合でも問題ありません。
好きになったきっかけ等の具体的なエピソードを交えれば、より説得力が増すはずです。
②:やりたいことを明示し、自分が貢献できるとアピール
2つ目が「自分のやりたいことを挙げて志望動機にする」方法です。
こちらも無難ではありますが、十分及第点に到達する方法かと。
具体的には以下のような感じです。
- 自分は公務員として〇〇がやりたいと思い、志望しました。
- 仕事をする上で、自分には△△という強みがある
- 〇〇の仕事の中で、その強みを〜の形で生かして、自治体の発展に貢献したい
やりたい仕事や自分の強みに、オリジナルのエピソードや理由を交えると効果的ですね。
ちなみに僕は、特別区の面接試験でこのパターンの志望動機を採用しました。
特別区の面接カードに書いた内容が以下です。
- 私の強みは、様々な人の意見を聞いて幅広い視野で柔軟に物事を考え、実行することができる点
→具体的なエピソード - その強みを生かして、特別区の災害対策に取り組みたい
- 特別区は日本の中心地にある基礎自治体であり、住民の声を反映させるきめ細かな施策が可能
- 持ち前の傾聴力を生かして、住民目線から災害対策におけるソフト面の充実に従事したい
こんな感じ。
全然大したことは言ってないですが、まぁ無難に仕上がっています。
「あなたの強みは何ですか?また、それを活かしてどのような仕事に挑戦したいか、特別区の志望動機も含めて具体的に」
が当時の特別区の面接カードの問いでしたので、書きぶりが通常と違っています。
やりたい仕事を言う場合の注意点
この「やりたい仕事」は、ちゃんと実現可能なものにして下さい。
当然ですが、国・県・市町村では業務の内容が違います。
それを考慮せずに「やりたい仕事」を言うと、面接官としては良い印象はありません。
この受験生は勉強不足だねー
業務内容の違いを理解できていないと、マイナス評価の可能性が高くなります。
民間と公務員の違い、国・県・市町村の業務の違いをしっかり調べておきましょう。
公務員試験の面接で、志望動機以上に大事なこと
記事の前半で「志望動機はそこまで重要ではない」と書きました。
ぶっちゃけ本音ではみんな「安定」とかですからね。
面接官的にもそこまで重視するポイントではないです。
(オリジナルの志望動機で差別化できれば高ポイントかもですが)
ここまで書いたこと&僕の経験をふまえると、志望動機よりも重視すべきことがあります。
- 話し方や見た目
- 論理的な会話
上記2点がしっかりできれば、面接も問題なく通過できると思います。
①:話し方や見た目
超重要なのが、話し方や見た目です。
公務員試験の面接は、せいぜい15分〜20分くらいで行われるもの。
となると、話し方・見た目・表情などによる「第一印象」の影響が半端なく大きいです。
アメリカで発表されたメラビアンの法則では、以下のことが実証されています。
- 第一印象は出会ってから数秒で決まる
- 話し手が聞き手に与える影響は「言語情報」「聴覚情報」「視覚情報」の3つから構成される
- それぞれの影響力は「言語情報:7%」「聴覚情報:38%」「視覚情報:55%」
見た目や話し方による影響が90%を超えており、印象が非常に重要であることを物語っています
面接の時間はごく短いので、受験生の人間性などを全て把握するのはまず不可能です。
となると、見た目や話し方の印象が良い人が高得点→合格しやすくなるのは自然ですよね。
見た目・仕草・口調などが、第一印象にかなり残るはずです。
そして、第一印象は自分の意識や努力がいくらでも良くなります。
- 髪型を整える
- 清潔感のある服装にする
- 声のトーンを少し上げて、明るく話す
- 面接中はニコニコ笑顔
これでOKです。
志望動機よりも、見た目の影響の方が正直大きいと思われます。
上で書いた通り、僕は超平凡な志望動機でした。
でも本番では清潔感のある見た目にし、笑顔で会話をしたら上位合格できたので。
②:論理的に会話をすること
「論理的に会話をすること」も超重要。
「聞かれたことに対して適切な返答をする」のは、極めて基本的なことだからです。
にもかかわらず、できない人が意外と多いので、必ず意識して練習すべきです。
ちなみに、ここで言う「会話」とは、具体的には以下のような感じ。
- Yes/Noの質問には、まずはYes or Noで答える
- 理由を聞かれたら、理由を答える
- 手段を聞かれたら、手段を答える
最初に結論を答えつつ、理由や具体的なエピソードを話せればOKです。
公務員の面接は和やかで、かつネガティブチェックの傾向が強いのが特徴的。
基本を押さえて話せれば問題ありません。
話していてストレスがない人の方が、当然評価は高くなりますよね。
※結論が最初にない人の話は、何を言っているのかわからない=超ストレスです。
なお自己分析をして、アピールポイントに一貫性を持たせることは心がけて下さい。
アピールに一貫性がないと、面接官としても印象がブレます。
となると、面接官にあなたの良さが伝わらず、高得点が難しくなりますよ。
自己分析をふまえた面接対策の方法は、公務員試験の面接は怖くない!面接のヒミツと対策法を完全解説で書いています。
面接で高得点を取るには、しっかり準備することが必須です。
公務員の志望動機がない時の対処法に関するまとめ
志望動機って結構クローズアップされがちですが、数ある質問内容の1つに過ぎません。
別に身構える必要はないですし、面接官も本音の部分は分かっています。
無難に仕上げればOKなので、ビビる必要はないです。
また志望動機だけが立派でも、他がショボかったら得点は高くなりません。
「志望動機でアピールしよう」と考えすぎるのはおすすめしません。
他の質問を含めた面接全体で、自分の長所や公務員として貢献したい気持ちを伝えるべきです。
大そうな志望動機がなくても、面接全体でしっかりアピールできれば問題ないです。
そして自分をアピールするためにも、とにかく自己分析をしっかり行って下さい。
- 自己分析で自分の長所を明確にする
- 具体的なエピソードとともに、長所を論理的に伝える
上記ができれば、志望動機がショボくても十二分に合格圏内に達します。
面接官も深掘りしてくれるので、良い会話ができる→自分のアピールにつながるでしょう。
(もちろん見た目を整えるのも必須です)
こちらの記事にて面接対策のやり方をまとめているので、あわせてご覧ください。