メンタル辛い…公務員にうつ病が多い7つの理由
まずは、公務員にうつ病が多い理由を7つご紹介していきます。
①:公務員は真面目な人が多い
そもそも、真面目な人ほどうつ病になりやすいと言われています。
そして公務員は真面目な人が本当に多いです。
「公務員=約1年も受験勉強をしっかりやった人」です。
普通よりは圧倒的に真面目であることは容易に想像できます。
真面目だからこそ仕事をたくさん抱えてしまい、同時にストレスも溜め込んでしまうんですよね…
そのストレスをうまく吐き出せず、うつ病になってしまう公務員も少なくありません。
②:住民からのバッシング
公務員は、税金から給料を得ている人間です。
そのため、納税者である住民の方から心無い声を浴びせられることが少なくありません。
こんな感じで、人格否定にも近い攻撃的な発言を受けることも。
そして言い返すことは許されないので、言われっぱなしです…
特に住民対応を行う部署だと、住民の方から強いバッシングを受けることもあります。
公務員である前に1人の人間です。
どんな職員でも罵声を浴びせられたら心が弱ってしまいますよね…
強いバッシングを受け続けたことで、精神を病んでうつ病になってしまう方もいます。
③:人間関係
職場の人間関係が原因でうつになってしまう場合もあります。
- 周りの職員が助けてくれず、自分ひとりで仕事を抱え込んでしまう
- 分からないことを上司に聞いても答えが返ってこず、自分なりに進めると結果として怒られる
- 職場の中で気軽に相談できる人がいない
- 閉鎖的な人間関係に疲弊する
職場の人間関係が悪いことが原因で、精神を病んでしまう方も少なくありません。
公務員は異動が多いので、人間関係については完全な運ゲー。
また良い上司に出会えたと思っても、すぐに自分か上司が異動することも普通です。
こんな人間関係・環境に適応できず、気づくとメンタルが疲弊することも考えられます…
④:上司からのパワハラ
基本的に公務員は、おだやかでまじめな人が大半です。
しかし、中にはパワハラをするような上司もいます。
- 優秀である
- 激務に耐えて出世してきた
- これからもさらに出世したい
特徴としては上記です。
こんな上司の人は、部下に対しても厳しく接することも多いです。
長時間労働を強いてきたり、時には「やる気あるのか!」等と叱責することも。
厳しく接されることで、部下側はどんどんストレスが溜まります。
そのうちにうつ病に追い込まれることも少なくありません…
パワハラによるうつ病は、上司と部下の温度差に由来することが結構あるように感じます。
- 上司はどんどん出世したい
→部下にも「仕事をやれ」と言って結果を求めてくる - 部下は出世欲もなく、あまり大変な仕事はやりたくない
部下が結果を出すと、その上司の評価も上がる=上司のさらなる出世につながります。
部下も上司も上を目指していれば良いのですが、皆がみんな出世欲が高いわけではありません…
このように、パワハラ上司と部下の間にある温度差が原因で仕事が嫌になり、精神的に追い込まれる方もいます。
⑤:異動が多く、環境に適応できない
公務員は異動が非常に多いです。
3年程度で異動する場合が普通で、1年〜2年くらいで異動になるパターンも決して珍しくありません。
異動すると、環境がガラリと変わります。
- 人間関係をイチから作る必要がある
- 仕事が激変→覚え直すことが大量にある
異動先で人間関係がうまく作れるか、また仕事が自分に合うかは本当に運ゲーです。
新しい環境に適応できないと、それが大きなストレスになり、結果としてうつ病になる場合もあります。
そんなイベントが頻繁に訪れるわけですから、適応できずに苦しむ方も一定数出ますよね…
また、公務員の仕事は本当に様々なので、一般的な「公務員」のイメージとはかけ離れた仕事をすることも。
特に、建設関係や廃棄物関係の部署は、仕事の中で非常にコワイ方々とも接する機会が多く、メンタルがエグられる方もいます。
⑥:残業が多く、激務である
公務員は、「毎日定時で帰れる」と思われがちです。
しかし、定時で帰れる部署は少なく、中には月に100時間を超えて残業をしている公務員もいるほど。
月に80時間が過労死ラインと言われることからも、長時間の残業がいかにメンタルを壊していくかは分かります。
(僕の場合はそこまで残業が多かったわけではなかったですが)
実際に、公務員の中には激務によってうつ病になってしまう方も少なくありません。
そして残業代には予算があるので、満額は出ないケースが多いです
上記を踏まえると、かなり疲労やストレスが溜まりやすいと考えられます…
⑦:巨大組織特有の無駄な仕事・つまらない仕事
公務員の仕事は、無駄・つまらないと感じてしまう業務が非常に多いです。
- どんな些細なことで起案→決裁:個人の裁量なし
- 文書は「てにをは」まで細かく修正
- 上や議員への忖度
具体例を出したらキリがありませんが、上記のようなものですね。
つまらない業務・やりがいのない仕事を日々行ううちに、思い悩むケースも多々あります。
- 自分の人生は本当にこのままで良いのか
- もっと生産的なこと・やりたい仕事がしたい
- 組織で仕事をするのが向いていない・つらい
そして悩みが深くなるうちに、自分で自分を追い込んでしまい、うつ病に至ることも十分考えられますね…
メンタルに不調を感じた公務員はとにかく休むべき【休む方法の解説】
- 自分はうつ病にならない
- 自分はストレスには強い
- うまくストレスを発散しながら仕事ができる
自分では上記のように思っている方でも、うつ病になるときはなります。
かく言う僕もそうでした。
僕は職場の人間関係もよく、「自分はうつにはならない」と思っていましたが、急にベッドから出られなくなりました。
僕の場合、「これはまずい」と感じ、すぐに療養休暇を取得。
そして今ではすっかり回復しましたが、「あのまま無理に仕事をしていたら…」と思うとゾッとします。
産業医や心療内科の先生も言っていましたが、休まないと絶対に回復しません。
そして休まずに無理をすればするほど、回復まで時間がかかります
体と心は本当に正直です
健康でいることは、何よりも大事です。
メンタル的にきついなと感じた公務員の方は、早めに心療内科を受診して休みましょう…
うつ病になった公務員の休み方(病気休暇・休職)
最初の3ヶ月は病気休暇(療養休暇)、その後の期間(3年まで)は休職という形でお休みすることができます。
療養休暇の取り方・休職の仕方は、非常に簡単。
心療内科を受診して診断書をもらう→部署の総務担当に提出
これだけで完了します。
ちなみに休職の方がハードルが高いです。
- 病気休暇:診断書1枚でOK
- 休職:診断書2枚が必要
僕のいた県庁では上記の感じでした。
つまり、休職するためには主治医以外の医師からの診断書も必要になります。
※病気休暇の取り方・診断書のもらい方は、以下の記事でくわしく解説しています
病気休暇・休職期間中の給料事情←3年はクビにならない
公務員は病気休暇・休職の期間においても給料が出ます。
どれくらい給料が出るかは以下の通りです。
期間 | 給料 | |
病気休暇 (療養休暇) |
3ヶ月 | 満額 |
休職 (合計3年) |
1年 | 80% |
1年6ヶ月 | 2/3 | |
6ヶ月 | 無給 |
上の表を見るとわかるように、3年弱の間はお金をもらいながら休めるんですね。
なお、休職期間が3年を超えると分限免職(=クビ)になります。
とはいえ、お金をもらいつつじっくりと休めるのは非常にありがたいことです。
公務員の病気休暇・休職制度については批判も多いですが、一切気にせずに休みましょう。
病気休暇・休職は、公務員を守るために法律や条例で認められた権利です。
また、公務員試験に合格した=こうした権利を享受する資格を得たことと同義。
意図的に繰り返す等の悪用はNGだと思いますが、自分の体調と相談しながら、焦らずじっくりと回復を待ちましょう。
うつ病による公務員の休職に関するQ&A【出世・異動など】
うつ病による病気休暇・休職に際して、疑問が多いポイントは以下の3点だと思います。
- 出世はできるのか
- 異動はどうなるのか
- 病気休暇取得中・休職中は何をして過ごせばよいのか
僕の経験をもとに回答していきます。
①:うつ病になった人の出世について
うつ病で休職した公務員がいざ復帰したとして、出世は難しいと言えます。
「若手のうちに少しだけ病気休暇をとった」程度ならば分かりませんが、現実としてハードワークに耐えてきた方々が出世している印象なので。
とはいえ、ぶっちゃけ公務員が出世するメリットはあまりないので、さほど気にする必要はないかと。
激務に耐えて、私生活を犠牲にしてまで出世しても、給料はそこまで大きく変わりませんからね。
②:復帰後の部署・その後の異動について
うつで休職した方が復帰する際には、とりあえず元の所属に一度は戻ることになります。
しかし、年度末の異動でラクな部署に行ける可能性がグッと高くなるはず。
休職経験者やママさん公務員が無理なく働ける部署があり、その辺に異動できる場合が多いかと。
何課かは自治体によります(出先機関である場合も多い)が、ほぼ定時で帰れるはず。
復帰後の数年はのんびり働けて、かつ激務部署の同期と給料は変わらないので、かなりお得です。
③:病気休暇取得中・休職中の過ごし方
まず前提として、まずは病気休暇を3ヶ月間マックスで取得するべきです。
- うつの治療には時間がかかる(最低3ヶ月は必要)
- 無理して仕事をすると、再発の可能性が高くなる
- 3ヶ月は給料が満額出るので、安心して休める
理由は上記の3点です。
(僕も3ヶ月間フルで休みました)
過ごし方ですが、基本的には自分をいたわりつつ、好きに過ごせばOKです。
多分最初は何も気力が湧いてこないと思いますが、そんな自分を許すのが大事。
なるべくストレスを溜めないように過ごしていた記憶があります。
なお、詳しくはうつ病で病気休暇・休職中の公務員の過ごし方!3ヶ月しっかり休もうで書いています。
うつ病になった方に、元公務員の僕が伝えたいこと
本記事を読んでいる方には、メンタルが辛い・うつ病になった公務員の方もいると思います。
そんな方に僕がお伝えしたいのは、うつは「創造的破壊」であることです。
うつは本当につらいのですが、休んでいる時間で自分と徹底的に向き合うことになります。
そしてその中で、今まで自分が持っていた価値観が良い意味で壊れ、新しい考えを持つことができるんですよね。
例えば僕は、うつになる前までは「安定」や「世間体」を重視する価値観でした。
しかし、うつで自分が一度ボロボロになったことが、間違いなく自分の人生を見つめ直す機会になりました。
自分を見つめ直す中で最も考えたのが、「自分にとっての幸せとは何か」です。
好きなことをやって楽しく生きることが、僕にとっての幸せだと感じました
僕にとって、公務員の仕事をするのは全く幸せではないなと思い、レールを降りる決断をしたわけです。
僕はうつ病になったことで、自分が人生の中で大事にしたい価値観を再発見できました。
また、自分が苦しんでいる時には周りの人に本当に支えられたので、より感謝のできる人間にもなれた気がします。
その意味で、うつによって間違いなく僕は大きく成長できたんですよね。
休職をして復帰するのか、そのまま退職するのかはもちろん自由です。
ただ、いずれにしても「自分が知らなかった自分」に出会うことができ、人間として大きく、より魅力的になれるはず。
うつの時は本当に辛く、苦しいですが、乗り越えた先には新しい自分がいます。
思い悩むなと言っても難しいでしょうが、より大きな自分になるための痛みだと思って、気負わず付き合っていきましょう。
公務員のうつ病事情に関するまとめ
公務員のうつ病事情について書きました。
公務員は楽なイメージを持たれがちですが、実際はうつ病になりやすいです。
もしもうつ病になってしまった、メンタルが辛いと思ったら、とにかく休むのが大事です。
健康のことを考えても、また仕事のことを考えても、メリットしかありませんよ。
本記事は以上になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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