こんにちは!元公務員のHiroshiです。
日本は民主主義の国なので、国でも地方でも選挙を通じて選ばれた議員がいます。
その議員は議会(国会・地方議会)の中で、行政側の人間(総理や大臣、知事など)にいろいろ質問をしていきますが、これには公務員も深く関わるのをご存知でしたか?
今回は、公務員の仕事の中で必ずつきまとうと言っても過言ではない「議会・議員対応」について、リアルな実情を書いていきます。
- 議会の流れ(質問から答弁まで)
- 議会の際の公務員の仕事
この2つがメインテーマです。
なお、公務員になる以上、議会・議員対応は仕事の中でも結構な比重を占めるものですので、「公務員になろうかな」と考えている方は必ず読んでください。
公務員と議会対応の関係→議会はただの茶番です
見出しに書きましたが、
議会はすべて茶番です。
どういうことかというと、全て事前にシナリオが出来上がっていて、答弁者(知事や市長など)も質問者(議員)もあらかじめ質問内容・答弁内容が分かっているということ。
そのシナリオを作る過程をふくめて、どういう流れで議会が進んでいくか、また公務員は議会対応としてどのような仕事をするのか解説しますね。
議会の流れ(質問〜答弁)
- どのようなことを質問する予定なのかについて、議会事務局から担当課へ回ってくる
- 担当課と議員の間での勉強会(質問内容や答弁者を誰にするかについてのすり合わせ等を行う)
- 正式な質問内容が担当課へ回ってくる
- 課の担当職員と上司が答弁書と参考資料を作成
- 答弁者(知事や部長)に答弁の内容をレクチャー。OKが出たら答弁書の中身を質問する議員へ
- 議会本番(答弁者も質問者も事前に内容が分かった状態)
議会の流れはこういう感じです。国会でもどの地方議会でもほぼ同じだと思われます。
完全な茶番であることがお分かりいただけたかと(笑)。
ちなみに②の議員との勉強会の際に、議員が質問する内容を担当課で考えてあげることもあります。
あまりに的外れなことを質問すると議員が恥をかきますし、また担当課としても回答しやすい内容にしたいですからね(笑)。
とはいえ、本来の民主主義の図式としては、行政と議会は対立・議論するはずなのに、仲良く一緒に茶番劇を作り上げているのが現状ということです。
公務員は議会対応でどういう仕事をするのか
ちなみに、質問に対する担当課を決める際には、上(課長など)の間でどの課が担当課になるのかで揉めることが多いです。
まぁこんな感じで上どうしでガチャガチャ揉めながら担当課を決定していくのですが、今回は答弁を担当することになった職員がどんな仕事をするのか書きます。
- 議員との勉強会の際に、議員に説明するために使う資料の作成
- 質問に対する答弁書の草稿と参考資料の作成
- 課長・部長などに答弁内容を説明する&答弁者(知事or部長)への事前レクチャー…答弁調整と言う
大きく分けると上の3つです。
中でも、答弁調整が本当にくだらない。
答弁調整では、答弁書の「てにをは」を直したり、「どっちでもいいじゃん…」という言い回し何時間もかけたりするわけですよ。
また、「事業をやります」というと本当にやらないといけなくなるから、「検討してまいります」「努めてまいります」にしようとか、この2つではどっちが良いかとかを延々と議論します。
あとはやたら「等」をつけて、議員の質問内容を暗にほのめかしてごまかすとかですね(笑)。
また、課長に直された答弁書の言い回しが、部長に説明したときに元に戻るなんてことも多々あります。
いかに不毛で無駄な時間が多いかわかるかと。
このように、上手いこと逃げ切れる答弁書を作るために、夜中まで仕事をするんですから、マジで生産性ないですよね。
議会は無駄ばかりで本当に意味がない。てか議員って必要なの?
今の議会は本当に無駄が多くて意味がないと断言できます。
だって本質的なことは何もしていないですもん。
議会の本質って、行政側がしっかりと機能を果たしているかチェックしたり、住民の代表として、議員と行政が議論しながら本当に効果的な政策を実現させたりすることですよね。
でも、議会の実情は前述した通り。
議会は議員と行政が一緒に茶番劇をしているだけですから。
そして、質問の大半がしょーもないというか、ナァナァで終わっているだけです。
また、知事などの行政側の方が圧倒的に優秀なためか、大半の議員は知事や市長が出した条例案や予算案を右から左に受け流すように承認しています。
(改革派の首長のときだと議会はやたら反発しますが笑)
議員のセンセイが普段なにをしているのか分かりませんが、議会で茶番劇を演じるだけ&本質的なことを何もしない人に1,000万円〜2,000万円も税金から報酬を与えるのってマジで無駄だと思いませんか?
公務員はとにかく議員に気を使うので、的外れなことを言われてもしっかりと対応しますし(政策化することも)、とにかく顔を立てようとします。
でもそれによって公務員の仕事の時間がどんどん奪われてしまうんです。
一方、議員を減らせれば、公務員も本当に大切な仕事に集中できる、そして議員に与える報酬(=税金)も少なくできる。
そう考えると、本質的なことができる議員以外はマジで必要ないですし、それができる議会のシステムにしないと意味がないなと感じます。
公務員になるということは、無駄な議会対応を数十年やるということ
ここまで読んで、
- 「議会って無駄じゃん。こんなことしたくないわー」
- 「茶番劇を演出するってくだらないなー」
と感じた方は公務員に向いていません(笑)。
僕は入庁してすぐに「議会ってくだらない」と思い、民主主義に絶望しました(笑)。
公務員の仕事と議会対応は切っても切れない関係があります。
若手の頃はそこまでではないかもしれませんが、年齢とキャリアを重ねるごとに議員との関わりも増えてきます。
つまり、公務員になるということは、この無駄で不毛な議会対応を数十年にわたってやらないといけないということです。
ちなみに地方の場合は1年に4回、国の場合は半年以上も議会対応があります。
「安定」や「福利厚生」といったメリットのみならず、このこともよく考えて、「公務員になる」という選択をしてください。
議会対応をやらない公務員もいるよ!
とはいえ、議会対応をしない公務員も少なからずいます。
- 霞ヶ関以外の国家公務員(例:法務局や労働局)
- 出先機関にいる地方公務員
上にあげた公務員は議会対応がありません。
逆を言うと、国でも地方でも「本庁」の公務員以外は議会対応をやる必要がないということですね。
上に書いたことを踏まえると、このような方の対応策は以下の通り。
- 法務局や税務署、労働局に務める国家公務員になる
- 裁判所事務官や労働基準監督官になる
- 技術職の地方公務員になる(技術職は出先がメイン)
- 仕事にやる気を全く出さず、まったりと出先を渡り歩く地方公務員になる
なお、技術職の地方公務員でも、本庁で行政職(事務職)的な仕事をやらせられることもあるのでそこは要注意。
ですが、上にあげた公務員は議会対応をやることが基本的にはないので、「公務員になりたいけど、議会対応はやりたくない」という方は、ぜひ参考にしてください。
公務員と議会対応に関するまとめ
本記事の内容をまとめておきます。
- 議会は最初からシナリオが用意された茶番である
- 議会対応の中でも「答弁調整」は時間ばかりかかって生産性がない
- 議会対応と公務員は切っても切れない関係にあるが、議会対応をしなくて済む公務員もいる。
公務員の仕事について、結構深いところまで切り込んで書きました。
公務員試験をこれから受けようと考えている方は、ぜひ参考にしてくださいね。
今回は以上になります。ありがとうございました。