こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今日は公務員試験における「人文科学」の勉強法について書いていきます。
人文科学は教養試験で出題される科目であり、範囲が膨大なので対策がしづらい科目ですので、人文科学の勉強に迷っている方はぜひ参考にしてみてください。
公務員試験の「人文科学」って?
- 日本史
- 世界史
- 地理
- 思想
- 文学・芸術
この5科目のことを公務員試験では「人文科学」と呼びます。
日本史・世界史・地理はそれぞれ、高校の日本史B・世界史B・地理Bの範囲に相当しますね。
ただ一方、思想と文学・芸術は高校の世界史Bと重複する範囲もありますが、独自の対策が必要となる科目です。
高校で地歴を勉強した方も多いと思いますが、地歴のB科目は1科目だけでも範囲が膨大ですよね。
人文科学では、このB科目が3つとプラスアルファがあるので、範囲が非常に広いということがお分かりいただけるかと思います。
公務員試験の「人文科学」の出題数は?
各公務員試験における「人文科学」の出題数は以下のようになっています。
- 国家総合職:4問(全40問)
- 国家一般職:4問(全40問)
- 東京都Ⅰ類:4問(全40問)
- 特別区Ⅰ類:4問(48問中10問回答)
- 地方上級:7〜9問
※地方上級は自治体によって異なる
なお、国家総合職・国家一般職・東京都Ⅰ類・特別区Ⅰ類では、日本史・世界史・地理・思想が1問ずつ出題されています。
地方上級だと自治体にもよりますが、日本史と世界史が2〜3問ずつ、地理が2問、文学・芸術が1問程度という出題です。
公務員試験における人文科学の勉強方法
上で見た通り、人文科学は範囲が膨大はわりに出題数が少なく、対策が非常に難しい科目と言えるでしょう。
とはいえ、出題数が少ないといっても教養科目の出題数の1割〜2割を占めているので、全て捨てるのはリスクが大きいかと。
特に数的処理などが苦手な受験者にとっては得点源になり得る科目でもありますし。
そんな人文科学の対策法について、県庁に首席入庁した僕がどのような勉強をしたのかを踏まえて書いていきます。
科目を厳選して日本史と世界史を勉強しよう
人文科学の勉強をしっかりとやってしまうと、他の科目を勉強する時間がなくなってしまいます。
あくまで人文科学はサブ的な科目。
ということで、科目を厳選(2科目)して勉強するようにしましょう。
その中でも、日本史と世界史の勉強をするのがおすすめです(もちろん地理が得意な人は地理でもOK)。
行政職の公務員試験受験者の多くは文系の方だと思われるので、日本史と世界史は中学・高校時代に触れた経験があり、割と取り組みやすいでしょう。
また、日本史と世界史は政治学等の他の科目との関連も深いので、専門試験の問題を解く上でも活きる科目。
政治学の知識だけで解けてしまう問題が出題される場合もあります。
国家公務員や東京都、特別区に関しては、人文科学はどの科目も1点ずつの配点ですが、地方上級では日本史と世界史だけが配点が大きいので、その意味でも勉強しておくべきです。
人文科学(日本史・世界史)の具体的な対策法
「日本史と世界史を勉強しておくべき」とはいっても、膨大な範囲をすべて学習していたら時間が足らなくなります。
人文科学よりも優先すべき科目はいくらでもありますからね。
そのため、重要事項を効率よく頭に入れることを意識して勉強するのがおすすめです。
おすすめの勉強手順は以下の通りです。ちなみに僕はこれだけの対策で試験に臨みました。
- 「光速マスター 人文科学」で頻出事項のインプット
- 「過去問500」で問題演習を行う
- 模試で実際の出題形式に慣れる
「光速マスター 人文科学」で知識のインプット
まず、日本史・世界史の勉強でおすすめしたい参考書が「光速マスター 人文科学」です。
こちらは日本史・世界史のみならず人文科学の全科目の頻出事項がまとまっているハンディータイプの本。
これを何回も読んで、頻出の知識のインプットに努めます。
なお、この「光速マスター 人文科学」は地理や思想の分野も載っているので、余裕があれば日本史・世界史以外も見ておくと良いでしょう。
過去問500で問題演習
知識をインプットしたら今度はアウトプットが必要です。
しかし人文科学のような科目の場合、他の科目のように「スーパー過去問ゼミ」をガッツリやる時間はあまりないのではないでしょうか?
そのため、「過去問500」でサクッと問題演習をしましょう。
過去問500には、日本史と世界史の問題も記載されているので、これで問題演習をしておくのがおすすめです。
模試で実際の出題形式に慣れる
過去問500での問題演習の延長戦上なのですが、LECなどの大手予備校の模試を受けて、実際の出題傾向に慣れましょう。
大手予備校の模試は過去問から頻出事項を厳選して出題しているので良問が多く、勉強する上での良いテキストになってくれます。
過去問500の演習量だとやや心もとないので、予備校の模試を何回か受けておくのがおすすめです。
日本史・世界史の初学者の場合は…
日本史にしても世界史にしても、タテやヨコのつながりやストーリーがわかっていた方が圧倒的に頭に入りやすいです。
そのため、初学者の場合は入門のための本を読んで、歴史の流れをつかむようにしましょう。
時間がない場合は勉強する範囲を絞る
このような受験生もいるでしょう。
ちなみに僕も人文科学の勉強はかなり後回しにしていたので、このような感じでした。
そのような方は、「頻出事項に絞って効率よく勉強する」ようにしましょう。
公務員試験の日本史・世界史は近現代から出題されることが多いです。
近現代というと、日本史ならば明治維新以降、市民革命以降ですね。
これ以外のところは出題される可能性が低めなので、思い切って勉強しないのもアリかと。
数的処理が得意な人or理系出身者は捨ててもOK
公務員試験は6割〜7割程度で突破できる試験です。
そのため他で得点を稼げるのであれば、コスパの悪い科目である人文科学を勉強する必要はさほどありません。
つまり、配点の大きな数的処理が得意な人や、「自然科学」ができる理系出身者などについては、人文科学を捨ててもOKかと。
中途半端に勉強したところで、それが身についていないと本番では得点できないので、思い切って捨てて、他の科目の勉強に時間を回すのも立派な戦略です。
実際に、人文科学をほぼ勉強せずに筆記試験を突破する方もいます。
ちなみに僕も自然科学は全て捨てましたが、受験した公務員試験には全て上位合格しました。
ただ、この戦略は他の科目でしっかりと得点できることが前提なので、捨て科目を作る際は慎重に。
【公務員試験】人文科学の勉強は3月くらいからでOK
「人文科学の勉強をどのタイミングで始めればよいのか」と迷う受験者も多いですよね。
結論からいうと、「試験の年の3月くらいから始めればOK」です。
その理由としては以下の2つ。
- 人文科学よりも他の科目の方が重要
- 早くから勉強しても忘れてしまう
人文科学はあくまでサブ的な科目なので、まずは主要な科目(憲法・民法・行政法・経済原論・数的処理)の勉強が最優先です。
人文科学はこれらの勉強がひと段落してから取り掛かれば十分かと。
また、早い時期から人文科学の勉強をはじめてもどうせ忘れてしまいます。
人間は忘れる生き物ですからね。
そのため、直前期に知識を頭の中に詰め込んで、試験が終わるとともに忘れるという感じが効果的です。
まとめ
人文科学の勉強法についてまとめておきます。
- 人文科学は日本史・世界史・地理・思想・文学芸術の5つの科目からなる、教養試験の科目
- 人文科学は範囲が膨大なわりに出題数が少なく、対策が難しい
- 人文科学は科目を厳選して対策するのがおすすめ。
特に日本史と世界史は比較的出題数も多く、また専門試験の科目との関連性も高い - 日本史と世界史は「光速マスター 人文科学」で知識のインプット、「過去問500」や模試で問題演習を行う
- 時間がない場合は勉強の範囲を絞って勉強する。
特に近現代以降がよく出題されるので、この範囲のみ勉強するのも効果的 - 人文科学の勉強は3月くらいに始めればOK
- 他で得点が期待できるのであれば、人文科学を捨てても大丈夫。
ただ他で点を稼ぐことが前提なので、捨て科目を作る際は慎重に。
人文科学は勉強をしても、出題数が少ないために成果が見えづらい科目なので、勉強するモチベーションを保ちづらいでしょう。
しかし、数的処理が苦手な人にとっては重要な得点源になる科目ですので、最低限の対策はするのがおすすめです。
今回は以上になります。ありがとうございました。
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- 僕が実践していた勉強法・スー過去の使い方
- 独学で公務員試験に合格するためのロードマップ【筆記・論文・面接】
→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
「どの時期に何をすればよいのか」を詳細に紹介しているので、独学での対策をする上では非常に参考になるかと。
なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
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あわせて読みたい記事
有料noteのほか、公務員試験に関する情報は当ブログでも多数発信しています。
人文科学を含む「教養科目」の勉強法については、以下の記事にてくわしくまとめています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(ぶっちゃけこっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。