こんにちは!元公務員のHiroshiです。
本記事ではそんな疑問に答えていきます。
本記事の内容
- 公務員の初任給(総支給額や手取り額についても)はいくらか
- 公務員の初任給はいつもらえるのか(4月から満額もらえる?)
元県庁職員である筆者がくわしく解説していきますので、公務員の初任給事情が知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
※動画でもお話ししているので、あわせてご覧ください!
公務員の初任給に関する考え方【手当や手取り、引かれる金額について】
公務員の初任給の話に入る前に、前提となることを整理していきます。
いわゆる「初任給」と言われるものは、基本となる給料にすぎません。
「初任給」に各種手当が加算された額が「月給」であり、公務員になって初めてもらえる給料の総額になるのでご注意を。
なお、初任給に加算される手当としては…
- 地域手当
- 扶養手当
- 住宅手当(上限27,000円のところが多い)
- 通勤手当
- 時間外勤務手当
といったものがあります。
しかし、初任給の段階で扶養手当をもらう方はごく少数でしょうし、住宅手当・通勤手当・時間外勤務手当は人によって金額がバラバラです。
そのため本記事では、初任給の総支給額には地域手当のみを加算することにします。
ちなみに、地域手当の加算割合は場所によって大きく異なるのですが、平均値をとって以下のようにしました。
- 国家公務員:20%(本省勤務と仮定)
- 特別区:20%
- 政令市:10%
- 県庁:5%
- 市役所:4%
- 町村:1%
初任給から引かれる金額は所得税(5000円程度)くらいしかありません。
そのため本記事では、総支給額(初任給+地域手当)から5,000円を引いた額を手取り額として記載しています。
なお、5月の給料からは「年金」や「健康保険料」で合計3万円が引かれますので、手取り額は下がります。
さらに、5月の給料では4月分の年金・健康保険料が上乗せされて引かれるので、手取り額は非常に落ち込むのでご注意を。
※4月分の給料から年金・健康保険料を引く自治体もあります。
国家公務員の初任給は?【手当や手取りをふまえて解説】
平成30年人事院勧告のデータより算出した結果は以下のとおりです。
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
総合職(院卒) | 211,500円 | 253,800円 | 248,800円 |
総合職(大卒) | 185,200円 | 222,240円 | 217,240円 |
一般職(大卒) | 180,700円 | 216,840円 | 211,840円 |
一般職(高卒) | 148,600円 | 178,320円 | 173,320円 |
※本府省勤務と仮定し、総支給額には地域手当20%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
なお、上の金額に通勤手当や住宅手当、時間外勤務手当がさらに加算されるので、実際にもらえる金額はさらに多くなります。
総合職は昔でいう「国家一種」、いわゆる「官僚」です。
上の金額を見るとわかるように、総合職でも一般職でも、最初の給料はさほど変わりません。
ただ、総合職で入省した方は、本省の課長になることはほぼ間違いないので、年収1,000万円超は約束されています。
一方で、一般職で入省した方で本省の課長になる方は本当にまれです。
つまり、一般職で年収1,000万円以上は非常に難しいといえるでしょう。
本府省(霞ヶ関)勤務の方を想定して、地域手当20%を含んだ金額を算出しました。
国家公務員は全国の庁舎(税務署や法務局など)にいるので、勤務している場所によって地域手当の金額が異なります。
例えば、5級地(京都市や広島市)勤務の国家公務員だと、地域手当が10%になるので、金額的には上の数値よりも低くなります。
地方公務員の初任給は?【手当や手取りをふまえて解説】
地方公務員(一般行政職)の初任給や手取り額について、自治体タイプごとに見ていきます。
いずれも総務省が発表している「平成29年地方公務員給与実態調査結果」をもとに算出しましたので、信頼性にのある数値になっています。
ちなみに、前述したように通勤手当や住宅手当が加算されるので、実際にはこれよりも多い金額をもらうことができますよ。
都道府県庁職員の初任給・手取り
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
大卒 | 183,554円 | 192,731円 | 187,731円 |
短大卒 | 163,043円 | 171,195円 | 166,105円 |
高卒 | 149,603円 | 157,083円 | 152,083円 |
※総支給額には地域手当5%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
政令市職員の初任給・手取り
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
大卒 | 179,720円 | 197,692円 | 192,692円 |
短大卒 | 159,630円 | 175,593円 | 170,593円 |
高卒 | 147,187円 | 161,905円 | 156,905円 |
※総支給額には地域手当10%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
特別区職員の初任給・手取り
令和元年度特別区人事委員会採用試験情報より算出。
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
Ⅰ類 | 183,667円 | 220,400円 | 215,400円 |
Ⅲ類 | 147,083円 | 176,500円 | 171,500円 |
※総支給額には地域手当20%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
※特別区は大卒程度がⅠ類、短大卒・高卒程度がⅢ類
市役所職員の初任給・手取り
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
大卒 | 180,637円 | 187,862円 | 182,862円 |
短大卒 | 161,173円 | 167,620円 | 162,620円 |
高卒 | 148,592円 | 154,536円 | 149,536円 |
※総支給額には地域手当4%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
町村役場職員の初任給・手取り
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
大卒 | 178,312円 | 180,095円 | 175,095円 |
短大卒 | 159,306円 | 160,899円 | 155,899円 |
高卒 | 147,011円 | 148,481円 | 143,481円 |
※総支給額には地域手当1%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
公務員の初任給はいつもらえる?全額もらえるの?
結論から言うと、
- 国家公務員は4月16日〜18日前後
- 地方公務員は4月21日前後
です。
国家公務員だと毎月16日〜18日、地方公務員だと毎月21日が給料日であることが多いので、他の職員と同じようにその日にもらえますよ。
給料日は省庁や自治体によって「毎月〜日」というのが決まっているのですが、給料日が土日祝日にぶつかると、その前の平日に前倒しにされます。
ちなみに、最初から全額もらえます。
4月は月の半分程度しか働いていないのに全額もらえるんです。実質的に前払いしてもらえるイメージですね。
民間企業だと、締め日の関係で4月は給料が出なかったり、出ても金額が少なかったりするので、これは非常にうれしいでしょう。
【公務員の初任給】1年目のボーナスについて
民間だと夏のボーナスはもらえないことがあるみたいだけど、公務員はどうなんだろう。
結論を言うと、公務員の場合は1年目からボーナスがもらえます。
ボーナスの支給日
- 夏:6月30日
- 冬:12月10日
ちなみに、ボーナス支給日が土日祝日になる場合は、その前の平日に支給日がズレます。
夏のボーナスは12万円程度・冬は満額支給
ただ注意点として、1年目の場合だと夏のボーナスは満額もらえません。
その理由は「在職期間」にあります。
1年目は4月入庁ですから、夏のボーナスの支給日までに3ヶ月ほどしか勤務していませんよね。
なので、その分だけボーナスの支給額がちょっと少なくなるわけです。
なお、参考程度に僕の1年目のボーナスの金額を紹介すると…
- 夏:12万円ほど(満額もらえる場合の1/3以下)
- 冬:43万円ほど
という感じ。
1年目はちょっと少なめですが、公務員の場合は基本給(俸給+地域手当+扶養手当)の4ヶ月分ほどが、年間のボーナスとして支給されます。
ちなみにここから税金などが引かれるので、手取りは8割くらいです。
まぁ最初のボーナスが少ないのは少し寂しいですが、民間では新卒は6月のボーナスがゼロのところもあるので、ありがたいとは感じますね。
公務員の初任給はどこも大差ない。金額の差は地域手当が左右する
同じ「公務員」といっても、もらえる金額に結構な違いがありますよね。
最も多い特別区の手取りは21万円を超えるのに対し、町村役場の職員は17万5,000円ほど。
しかし、よく見るとわかるように、実は「初任給」自体の金額に大きな差はありません。
金額を決めるカギになるのは地域手当額です。
以下は大卒公務員の初任給まとめた表です。
初任給 | 地域手当 | 総支給 | |
国家一般職 | 180,700円 | 36,140円 | 216,840円 |
都道府県庁 | 183,554円 | 9,177円 | 192,731円 |
政令市 | 179,720円 | 17,972円 | 197,692円 |
特別区 | 183,667円 | 36,733円 | 220,400円 |
市 | 180,637円 | 7,225円 | 187,862円 |
町村 | 178,312円 | 1,783円 | 180,095円 |
初任給はどこも18万円前後に落ち着いていますが、地域手当はかなり差がありますよね。
この「地域手当」の金額の大小は、ボーナスの金額や時間外勤務手当(残業代)の額にも影響してきます。
公務員の給料を考える上で、「地域手当」の存在というのは非常に大きいです。
これから公務員になろうという方は、そのあたりまで含めて「どこの自治体にするか」を考えましょう。
公務員の初任給が魅力!公務員になりたい!と思った方へ
公務員の初任給について書きましたが、ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
以下の記事を参考に、ご自身に合った方を選んでください。
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社会人の方が公務員に転職しようと考えた場合、以下の記事で紹介しているガイドブック(無料)は必読です。
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