こんにちは!元公務員のHiroshiです。
今日は公務員試験の最重要科目ともいえる「数的処理」、つまり「数的推理」「判断推理」の勉強法について書いていきます。
数的処理は苦手な方も多く、この科目の出来が合否を左右するといっても過言ではない科目ですので、しっかりと勉強法をマスターしましょう!
【公務員試験】数的処理(数的推理・判断推理)って?
数的処理は、公務員試験の教養試験において出題される、物事の判断能力や数学的な思考力を問う問題のことです。
数的推理が中学校〜高校1年生程度の数学を少し応用したような問題、判断推理がややパズルのような問題というイメージですね。
といっても非常に抽象的なため、実際の問題を見ていきましょう。
数的推理の例題
Aが持っている時計は1分間に4秒ずつ進むことがわかっている。
Aはある日の朝、時計を正しい時刻に合わせた後、Aの時計で午前10時8分に自宅を出て徒歩でBの家に向かった。
Bの家に着いたのはBの時計で午前10時30分であった。AがBの家を徒歩で出たのはBの時計で午後3時、Aが自宅に着いたのはAの時計で午後4時であった。Bの時計は正確な時刻を示しており、Aは往復とも同じ経路を同じ速さで歩いたものとすると、Aが自宅に帰り着いたときの正確な時刻として正しいものはどれか。
- 1. 午後3時28分
- 2. 午後3時30分
- 3. 午後3時32分
- 4. 午後3時34分
- 5. 午後3時36分
数的推理の問題は以上のような数学的な問題が出題されます(解答が気になる方はリンクから飛んでください)。
出題内容としては、
- 数(最小公倍数・n進法・約数など)
- 方程式(速さ・濃度など)
- 場合の数と確率
という感じですね。
範囲的には数ⅠAくらいまでなので、そこまで難しい数学の知識を使うわけではありません。
判断推理の例題
A〜Dの4人が、中間点で折り返すコースで長距離走を行った。
これについて次にア〜ウのことがわかっているとき、正しいのはどれか。ア Aは2番目にBとすれ違った。
イ BとCの順位は連続していなかった。
ウ Dは1位ではなかった1 1位はAである。
2 1位はBである。
3 2位はAである。
4 2位はCである。
5 3位はDである。
判断推理の問題はこんな感じです(解答が気になる方はリンクから飛んでください)。
例題からわかるように、数学的な知識を使うわけではなく、思考力を問うパズルのような問題が出題されるのが判断推理の特徴です。
学校で習うような問題ではないので、数学に苦手意識がある方でも安心して取り組むことができます。
数的処理(数的推理・判断推理)は公務員試験でどれくらい出題されるの?
公務員試験において、数的推理と判断推理はどれくらい出題されるのか見ていきます。
- 国家総合職:14問/40問(数的7・判断7)
- 国家一般職:13問/40問(数的4・判断9)
- 特別区Ⅰ類:15問/40問(数的5・判断10)
- 地方上級 :15問/50問(数的6・判断9)
※地方上級は全国型(関東型等では、数的処理は12問/40問出題)
上の枠内を見るとわかるように、数的処理は配点が非常に大きく、教養試験全体の3割〜4割を占めます。
また、教養試験の他の問題と違って全問必須解答なので、数的処理を勉強せずに筆記試験を突破するのはほぼ不可能と言えるでしょう。
ただ、数的処理についてもポイントをしっかり押さえて勉強していけば何も怖くありません。
【公務員試験】数的処理(数的推理・判断推理)の勉強法
数的処理(数的推理・判断推理)をまとめます。
数的処理は、数学的な力や思考力を問う問題ということで、「センスがないとできない」「思考力をつけないと!」と考える方もいらっしゃるでしょう。
しかし、数的処理の勉強方法は「暗記」です。
解法を覚える
教養試験では、2時間〜2時間半で40問〜50問を解きます。
つまり、1問あたりにかけられる時間は3分程度しかありません。
知識分野を解くのに3分もかからないとしても、数的処理にかけられる時間は1問あたりせいぜい5分くらいですよね。
その限られた時間の中で、解放を考えて一から解いていくなんて普通に考えて不可能です。
そのため、問題を見ただけで正解までの道筋が想像できるようになるまで、解法の暗記に努める必要があります。
数的処理のおすすめの参考書
まずは数的処理(数的推理・判断推理)にはどのような問題が出るのか、どのような解法を使えばよいのかというところのインプットから始めます。
おすすめは「畑中敦子の数的推理 ザ・ベストプラス」と「畑中敦子の判断推理 ザ・ベストプラス」です。
この参考書は、公務員試験頻出の問題が非常に丁寧に解説されているので、解法を覚えるのに最適。
何周も繰り返し読んで、数的処理の解法や考え方を頭の中にたたき込みましょう。
これをしっかりとマスターすれば、数的処理の基本はほぼ完璧といっても過言ではありません。
「畑中敦子のザ・ベストプラス」で解法を一通りインプットできたら、次には「スーパー過去問ゼミ」でより実践的な演習に移ります。
知識をインプットしても、それを使えなかったら意味がないですからね。
スー過去は難しい問題も多いですが、実践演習には最適。
「畑中敦子のザ・ベストプラス」でマスターした解法を実際にどう使っていくのかを意識しながら、繰り返し解いていきましょう。
数的処理は早めに対策を始める
数的処理はマスターするまでに時間のかかる科目です。
コツコツと続けていくことで解ける問題が増えていきますが、逆に時間をかけないとできるようになりません。
そのため数的処理は、公務員試験の勉強を始めるに際して、最初に取り掛かるべき科目だと言えます。
直前期には時間を図って解く
仕上げの時期(3月〜6月くらい)の話にはなりますが、数的処理は時間を図って解くようにしましょう。
前述のように、教養試験は時間にシビアなので、数的処理1問にかけられる時間はせいぜい5分程度。
「正解できたけれど解くのに10分かかった」という状況では、合格は難しいです。
そのため、直前期には時間を決めて問題を解くようにしましょう。
また正直なところ、分からない問題を10分以上考えても無駄です。
考えることは重要ですが、考えてみて分からなかった問題は、答えを見て理解した方がはるかに効率的かと。
実際の時間配分をイメージするために、模試を積極的に受けるのもおすすめです。
公務員試験の数的処理は半分できればOK
「数的処理は暗記科目」とはいうものの、公務員試験受験者には文系の方が非常に多く、数的処理に苦手意識を持っている方も多いでしょう。
また、「解法のインプットはできたけれど、その使い方がイマイチ分からない…」と悩む方もいらっしゃると思います。
実際に僕もそうで、数的処理はなかなかできるようになりませんでした。
でもぶっちゃけ、数的処理は半分できればOKなので、焦る必要は全くないかと。
公務員試験の教養試験は6割〜7割できれば合格するので、数的処理が大きく足を引っ張らない限り、そこまで大きなダメージになりません。
実際に僕も、県庁の試験では教養で8割とったのですが、数的処理は体感で5割〜6割程度しかできませんでした。
数的処理を全く捨ててしまうのはNGですが、周りがみんな苦手としている分、他の科目でカバーすればOKです。
「勉強しているのになかなかできるようにならない…」
「数的処理が苦手で、公務員試験に受かるかどうか不安だ…」
という方も、決して悲観的にならずに「自分ができる問題を少しでも増やしていこう」というスタンスで勉強していきましょう。
まとめ
数的処理(数的推理・判断推理)の勉強法についてまとめていきます。
- 数的処理は教養試験の3割〜4割を占める重要科目
- 数的処理は「解法の暗記」である
- まずは解法をマスターし、あとは実践として問題演習を繰り返すのがおすすめ
- 数的処理は時間がかかる科目なので、早めに勉強を始める
- 公務員試験は時間にシビアな試験なので、直前期には時間を図って解く
- 数的処理は半分できればOK
苦手としている人の多い数的処理ですが、コツコツと対策をすればそこそこできるようになります。
今回は以上になります。ありがとうございました。
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→時期別にやるべき内容を記載
このnoteのミソは、時系列でやることを記載しているところ。
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なお、このロードマップは県庁に独学で合格した僕の体験から書いているので、他のサイト等とは説得力が違うと自負しています。
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あわせて読みたい記事
有料noteのほか、公務員試験に関する情報は当ブログでも多数発信しています。
数的処理を含む「教養科目」の勉強法については、以下の記事にてくわしくまとめています。
独学で勉強をする方向けに書いた、勉強・対策法のまとめ記事はこちら(ぶっちゃけこっちでも十分有益です)。
なお、本記事や当ブログの他の記事を読んでみて、「独学は厳しそうだな」と感じた方向けに、予備校比較の記事も用意しています。
予備校か独学かは「ツール」に過ぎず、「公務員試験合格」というゴールは同じ。
独学にこだわりすぎて勉強がうまく進まず、結果として落ちてしまったら本末転倒なので、独学の自信がない方は必ず予備校も視野に入れましょう。