【悲報】「国家一般職」単体の年収・給料・ボーナスは公表されていない
まず始めに言っておかないといけないのが、「国家一般職職員」単体での給料データは公表されていないということです。
国家公務員の「一般行政職」というくくりで公表はされているものの、これは国家総合職と国家一般職をまとめた給料データになります。
(以下の記事でくわしく書いています)
まぁ総合職と一般職では出世のスピードはケタ違いなのですが、同じ俸給表が適応されるので、厳密に分けられないんですよね。
でもだからといって、「国家一般職の年収データは分かりませんでした」で終わっては、この記事を書く意味がありません(笑)。
本記事では、国が発表している最新の人事院勧告資料をもとに、国家一般職の職員単体での給料について徹底的に調査し、推計しました。
推計なのでおおよその金額にはなってしまいますが、国の統計資料をもとにしていることもあり、1つの指標にはなりますので、ぜひ参考にしてください。
国家公務員のモデル年収は公表されているが…
一応、国が公表している国家公務員のモデル年収(内閣人事局令和元年版パンフレットより抜粋)があるので、それを見ておきます。
これは国家総合職の公務員の含んでいるので、国家一般職は「25歳係員」「35歳係長」「50歳地方機関課長」あたりになります。
まぁ国家一般職の給料を知る上での一応の目安にはなるかと思いますが、あまりにもざっくりしていて分かりづらいですよね。
また、上の金額には地域手当や時間外勤務手当(残業代)が含まれていないので、実際にもらえる金額よりも給料・年収がだいぶ安くなっています。
本記事ではなるべく分かりやすいように、より細かく年齢ごとに分けるとともに、地域手当や残業代についても加味した金額を記載しています。
国家一般職の給料事情が知りたい方は、ぜひ以下を見ていただけると嬉しいです。
国家一般職の公務員の年収・給料・ボーナスを徹底調査!【年齢・出世した役職ごと】
最新の人事院勧告資料から推計した、国家一般職の給料は以下の表のとおりです。
時間外手当(残業代)や地域手当などを考慮しているので、かなりリアリティのある金額になっているかと。
年収 | 給料 | ボーナス | |
25歳 | 444万円 | 290,657円 | 95万円 |
30歳 | 514万円 | 334,443円 | 113万円 |
35歳 | 631万円 | 407,156円 | 142万円 |
40歳 | 726万円 | 466,793円 | 166万円 |
45歳 | 760万円 | 488,949円 | 174万円 |
50歳 | 788万円 | 506,039円 | 181万円 |
- 給料は「俸給+地域手当+扶養手当+残業代」で計算
- 俸給は平均的な出世を想定し、25歳=1級・30歳=2級・35歳=3級・40歳=4級・45歳=5級・50歳=6級の平均給与額で計算
- 地域手当は平均額(=42,546円)を一律上乗せ
- 扶養手当は平均額(=10,649円)を一律上乗せ
- 時間外手当は、H30年人事院勧告資料に記載の国家公務員の平均残業時間=19時間/月より算出した、残業代52,744円を一律上乗せ
- ボーナスは基本給(俸給+地域手当+扶養手当)×4で算出
なお、毎月総支給額の75〜80%ほどが手取りになるので、それぞれの年齢ごとに手取り額を出してみると…
- 25歳:約23万円
- 30歳:約26万円
- 35歳:約32万円
- 40歳:約37万円
- 45歳:約38万円
- 50歳:約40万円
という感じです。
ちなみに、上の表は人事院勧告資料にあった数値をもとに、地域手当などを一律に計算しているので、霞ヶ関勤務の方は上の金額よりも多め、逆に地方勤務の方は少なめになります。
また、住居手当や通勤手当などは加味していないので、給料にさらに手当額がプラスされる場合も。
年齢ごとの給料事情について、以下でさらに詳しく解説していきます!
国家公務員一般職1年目の初任給・年収は?
上では触れていなかったのですが、国家一般職の初任給についても解説します。
霞ヶ関の本府省勤務だと想定すると、国家一般職1年目の初任給は以下のとおり。
初任給 | 総支給額 | 手取り | |
大卒 | 180,700円 | 216,840円 | 211,840円 |
(高卒) | 148,600円 | 178,320円 | 173,320円 |
※本府省勤務と仮定し、総支給額には地域手当20%を含む
※手取り額は「総支給額ー5,000円」で算出
(最初は引かれる額が少ないため)
上の金額に通勤手当や住宅手当、時間外勤務手当がさらに加算されるので、実際にもらえる金額はさらに多くなります。
ちなみに、上に記載した金額は初月の給料なので、2ヶ月目以降はドバッと引かれる金額が大きくなるので要注意です。
ボーナスに関しては、ざっくり夏(6月)は10万〜15万円ほど、冬(12月)は満額の40万円ほどもらえます。
そう考えると、国家公務員1年目の年収は、
310万円+α(残業代・諸手当)
くらいになる計算です。
25歳国家公務員一般職の年収(1級=係員級)
大卒3〜4年目の25歳くらいだと、国家公務員一般職の俸給は1級係員級です(最初と同じ)。
年収は合計で400万円〜450万円が見込まれます。
(本省or出先、残業代などで前後する)
総合職だと、大卒4年目ではすでに係長級になるので、出世のスピードはやはり違いますね。
30歳国家公務員一般職の年収(2級=係員級)
30歳くらいになると、階級が1つ上がって2級職になります。
年収は500万円ほどです。
なお、ここでは1級職と同じ「係員級」と記載しましたが、省庁や期間によって「主任級」ということもあります。
35歳国家公務員一般職の年収(3級=係長級)
35歳くらいで、係長級の3級職に出世するのが一般的です。
トータルの年収は600万円を超えてきます。
一般職が10年以上かけて到達する役職に、総合職は4年程度で就くのですから、やはり出世には圧倒的な差がありますね。
40歳国家公務員一般職の年収(4級=係長級)
40歳くらいになると、4級に昇進します。
年収は700万円以上になりますね。
なお、本省の4級は「係長級」ですが、地方機関(例:法務局・労働局など)の4級職は「課長補佐級」なので要注意。
地方自治体と同様に一定以上の役職になると、本省と出先で役職の名前が変わってきます。
45歳国家公務員一般職の年収(5級=課長補佐級)
45歳くらいで、5級職に出世するのが標準的なようです。
年収でいうと750万円以上になります。
5級というと、本府省の課長補佐級・地方機関の課長級に相当します。
50歳国家公務員一般職の年収(6級=課長補佐級)
50代に入ると、6級(=本省の課長補佐級・地方機関の課長級)になります。
年収的には800万円弱です。
ただ、6級職までは残業代が出て(それ以上は「管理職手当」が支給)、なおかつ残業代の時間単価も高いので、実際にはより高い年収も可能です。
ちなみに、大半の国家公務員一般職は出世してもここまで。
昇格することがなくなり、毎年少しずつ昇給していくだけになるので、国家一般職の定年前の年収は800万円強という方が大半です。
国家一般職の中でも一部のエリートは、50代以降にさらに出世する
大半の国家一般職は6級職(本府省の課長補佐級・地方機関の課長)で定年を迎えます。
しかし、国家一般職の中でも一部のエリートは、7・8級職(本省の室長・地方機関の長)に出世し、さらに選ばれし者は9・10級職(本省の課長)になれるんです。
ここまでくると年収は1,000万円超。
国家総合職の官僚と肩を並べるといっても過言ではありません。
このように考えている方は、本省の課室長、または地方機関のトップを目指して頑張りましょう!
国家一般職の公務員の年収が魅力!公務員になりたい!と思った方へ
国家一般職の年収について書きましたが、ここまで読んで「公務員になりたい!」と思った方は、ぜひ以下の記事を参考にしてください。
公務員試験の勉強法・予備校の選び方についてまとめた記事
公務員試験を受験するにあたっては、まず独学で勉強するか、予備校に通うかを決めないといけません。
以下の記事を参考に、ご自身に合った方を選んでください。
社会人から公務員に転職したい方はまずはこちら
社会人の方が公務員に転職しようと考えた場合、以下の記事で紹介しているガイドブック(無料)は必読です。
国家一般職の年収に関するまとめ
本記事の内容をまとめます。
- 国家公務員一般職の年収は、係員級で〜500万円・係長級で600〜700万円強・課長補佐級で700〜800万円ほど
- 大半の国家一般職の方が課長補佐級で定年を迎えるため、年収は800万円強で頭打ちとなる
- 国家一般職でも、一部のエリート公務員は本省の課室長クラス・地方機関の長クラスにまで出世し、年収1,000万円以上を達成できる。
国家一般職にのみフォーカスしたデータはないため、国家一般職の出世や給料事情が知りたい方は、ぜひ本記事を参考にしていただけたらと思います。
行政職公務員(国家・地方)の給料に関する完全まとめはこちら