こんにちは!元公務員のHiroshiです。
安定職のイメージが強い「公務員」は、新卒の大学生の就職先として、また民間企業にいる社会人の転職先として常に人気のあります。
しかし、メリットの多い公務員という仕事にも、実はリスクが潜んでいるのをご存知ですか?
このリスクについて知っておかないと、いざ公務員になったときに後悔するかもしれませんよ。
本記事では、元公務員(県庁職員)の僕が「公務員に潜む5つのリスク」について書いていきます。
大学生も社会人も、今後の職業選びの参考にしてください!
リスクの前に…公務員になるメリット

公務員になるリスクの前に、公務員になるメリットを整理しておきます。
- 年功序列で上がる、安定した給料
- 確実に出るボーナス
- リストラや減給がない=雇用の安定
- 土日祝日が休み(カレンダー通りの休暇)
- 休暇制度が整っている(有給・夏季休暇など)
- 産休・育休・時短勤務など、子育てがしやすい
- 遠方への転勤がない
- 社会的な信頼が高い
元公務員の僕が思う、公務員になるメリットはこんな感じ。
一般的に言われているものも多いですが、やはり公務員になるメリットはたくさんありますね。
ただ注意点として、公務員の給料は決して高くはありません。
国家総合職を除くと、30歳で年収500万円弱・40歳で年収650万円程度です。
決して少なくはありませんが、取り立てて高いわけではありませんね。
まぁ「中の中〜中の上」といったところでしょう。

ただ総じて、「それなりに豊かな暮らしが安定的にできること」が公務員のメリット。
これを魅力に感じて公務員になりたいという方が多いのだと思います。
試験前・転職前に知っておきたい、公務員になる5つのリスク

「安定的にそこそこ豊かに暮らせる」というメリットがある公務員という仕事。
しかし、公務員になることにはリスクも存在します。
これから紹介する5つのリスクについては、新卒にしても一般企業からの転職にせよ、必ず知っておくべき。
公務員のリスク①:長期的に見ると安定の水準が下がる
「安定」が魅力の公務員ですが、実は長期的に考えると安定していません。
その主な理由は、「人口減少」です。
誰もが知っているように、日本人の人口は将来的に減り続けます。
となると、公務員の給料の財源である「税収」が減るので、現在ほどの給料の水準を維持することはできなくなりますよね。
また、人口減少は経済の衰退を招き、経済が衰退すると民間企業の平均年収も減ります。
公務員の給料は民間企業の給料の金額を基準にしているので、その面でも年収が今より減るのは明らかでしょう。
つまり、人口が減ることによって、「税収減」と「民間企業の給料減」というダブルパンチを食らうことになるんです。
となると、「安定した給料」という公務員のウマミが、将来的に少しずつ失われていく可能性が高いのは言うまでもありません。
(まぁ全体が下がるので、「中の上」くらいの立ち位置は変わりませんが)
給料面以外の「クビにならない」等の安定性は失われないと思いますが、やっぱりお金って大事ですよね。
お金の面の安定性が減退していくのはやっぱりデカイでしょう。
公務員のリスク②:副業禁止
お金の安定性が失われる可能性が高いとなると、「副業をしよう!」と考える人が多いと思いますが、公務員は副業が禁止です。
つまり、給料の減少分を自分の力で補填することが許されていないということ。
これはかなり大きなリスクですよね。
公務員としての給与所得1本しか収入源がないんですから。
いまの時代は、安定の定義が「安定した身分を得る」から「複数の収入源を持ってリスクヘッジをする」に変わってきています。
そんな中、公務員は「複数の収入源を持つという選択肢すら許されていない」職業なので、時代を考えるとリスキーであることは否めません。
まぁ公務員にも副業解禁の動きもありますし(例:生駒市や神戸市)、ぶっちゃけバレない副業もたくさんあります。
ただ、法律上(地方公務員法・国家公務員法)は禁止ですし、バレたら結構大変ですね。
公務員のリスク③:仕事の中でスキルが身につかない
公務員の仕事はスキルが全く身につきません。
せいぜい身につくのは、「役所の中での調整能力」「上の意向を汲み取るスキル」「組織の中での立ち振る舞い」くらい。
もちろんこれらのスキルが生きるのは組織内部だけで、市場においては全く評価されません。
公務員は異動が多いので、1つの分野の専門性を高めることはできません。
基本的に仕事は前例踏襲で、前任者の仕事のファイルを見れば誰でもできるようになっています。
そのため、仕事をしている中で、市場で評価される普遍的なスキルが身につくことはあり得ないんです。
また、公務員はクビにならない&給料が安定している&副業禁止なので、自分で勉強をしてスキルを身につけようというインセンティブも働きません。
将来を見越している一部の公務員の中には、プログラミング等を勉強してスキルアップに励んでいる方もいますが…
公務員のリスク④:仕事がつまらない
断言しますが、基本的に公務員の仕事はつまらないです。
なぜなら、仕事の大半が「上への説明」と「仕事のための仕事」だから。
「てにをは」等の言い回しにめちゃくちゃこだわったり、内部の手続き的なことにばかり時間をかけたりします。
そんな中では、「自分の仕事が何らかの価値を提供した」という実感を得ることができないので、仕事へのやりがいを感じるのは非常に難しいです。
そして、あまりのつまらなさに嫌気が差す可能性も十分高いでしょう。

でも、嫌気がさして「やりたくないなー」と思ったとしても、公務員を辞めるという選択肢をとる人はごく少数派。
嫌な仕事・つまらない仕事を定年まで続けるのは苦行に近いものがあるので、「仕事がつまらない」のは大きなリスクですね。
公務員のリスク⑤:頑張っても給料が上がらない
公務員の給料は年功序列。
超優秀な若手職員よりも、ぐーたらしているオジサン職員の方が給料が高いんです。
こんなことも普通にあり得ます。
また、公務員の仕事は成果が数字で見えづらいため、出世は「上司からどう思われるか」が全てです。
つまり、給与体系・評価方法のいずれにしても、頑張ったからといって給料が上がらない仕組みになっているんです。
転職・新卒問わず、リスクも考えて公務員になる決断をすべき

「公務員」というと、メリットばかりが先行して捉えられがちです。
しかし、デメリットやリスクも存在するので、しっかりと比較しつつ、公務員になるor公務員試験を受けるという決断をすべき。
特に「お金を稼ぎたい」「やりがいのある仕事をしたい」という人には、公務員はマジで勧めません。
長期的に見たらジリ貧なのは目に見えてますし、前述のようにやりがいを見出すのは難しいので。
「親が勧めてきた」等の理由で公務員試験を受ける決断をするのはやめましょうね。
ただ、公務員の多くは満足している!?
ただ、僕の経験から参考までにお伝えしておくと、公務員の多くは満足しているような印象を受けました。
- 毎月安定した給料が振り込まれる&ボーナスが出る
- 年功序列のおかげで、成果を出さなくても給料がアップする
→精神的なプレッシャーが少ない - 子育てがしやすい
公務員になりたい人って、「県を変えたい!」という高い意識を持っている人よりも「仕事にやりがいは求めない」という人が多いですからね。
となると、やりがい以外のメリットが大きい公務員の満足度が高いのは必然かもしれません。
特に、民間企業から公務員に転職した方々の大半が、「精神的なプレッシャーがない」ことに大きなメリットを感じていた印象。
まぁ公務員は成果を出す必要がない分、あまりギスギスした雰囲気にもなりづらいです。
メンタル的なゆとりを持って仕事をすることはできます。

公務員試験を受ける大学生・社会人の方へ

公務員になるメリットのみならず、リスクまでしっかり考えましたか?
いろいろと考えた末に「公務員試験を受ける!」と決めたら、行うべきは「情報収集」と「勉強」です。
公務員試験を受ける学生の方へ
公務員試験を受けるにあたっては、何はともあれ勉強をしないといけません。
勉強方法は「筆記」と「独学」があるのですが、まずはそれを決めるところからですね。
ご自身の性格・向き不向きにあわせて決めてください。
公務員予備校の比較記事

独学者向けの記事

なお、独学の場合は学習の指針がないと落ちるので要注意。
以下のnoteでは、県庁に独学で首席入庁した僕のノウハウを公開しています。
「いつ何をすべきか」を時系列的に解説するとともに、具体的な問題集の活用法なども詳しく書いているので、「独学で落ちたくない」という方はぜひ。
公務員に転職したい社会人の方へ
公務員試験に合格したい社会人の方は、まず「社会人のための公務員転職ガイドブック」を読むのがおすすめ。

このガイドブックは、クレアールという公務員予備校が無料で出しているもの。
社会人が公務員試験を受ける上で把握しておきたい内容が網羅的に記載されています。
無料なので、持っておいて損はないかと思いますね。
くわしい記載内容は以下の記事でまとめているので、気になる方はぜひご覧ください。

なお、以下のリンクから請求することも可能です。
(電話番号の入力が任意であり、しつこい勧誘等も一切ないので安心です)
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