こんにちは!元公務員のHiroshiです。
いまは色々と不透明な時代だけど、公務員の安定ってこの先もずっと続いていくのかな?
公務員を考えている方・若手公務員の方の中には、「公務員の将来性」が気になる人も多くいると思います。
昨今は「公務員の安定神話は幻想」「公務員はオワコン」などとネット上で煽られることもあるので尚更ですね。
そこで今回は、公務員の将来性について取り上げていきたいと思います。
ちなみにこの記事を書いている僕は、県庁に勤めていた経験を持つ元公務員です。
県庁で働いてきた経験をふまえ、中立的かつ冷静に将来性について書いていきます。
本記事を読むことで、公務員の将来性が分かり、今後のご自身の選択に役立てることができるはずです。
なお先に結論を少し言うと、将来性としては「良くて現状維持」といったところかなと思います。
公務員の将来性は?→現状維持〜やや右肩下がり

見出しにもあるとおり、公務員の将来性は「現状維持〜やや右肩下がり」といったところ。
つまり、「今後も公務員の安定は続くけれど、水準はやや落ちるかも」という感じです。
その理由として、以下の2つが挙げられます。
- 給与水準はゆるやかに下がっていく
- でも今後もリストラはされない
この2つを総合的に考えた結果が、「現状維持〜右肩下がり」という表現です。
人口減少で公務員の給与水準は下がる
公務員の給与水準は、将来的に確実に下がります。
その理由は「人口減少」です。
人口が減ると、一般的に以下が起こります。
- 人口が減る→消費や労働力が減る→経済が停滞
- 経済の停滞→民間企業の衰退・給与水準の低下
公務員の給料は、従業員50人以上の民間企業の平均にならって決定されます。
つまり、人口減少によって民間企業が衰退すれば、それにならって公務員の給与水準も下がるわけです。
ただ、全体が下がっている以上、公務員の全体的な立ち位置(=中の上くらい)というのは変わりません。
その意味で、「右肩下がりではあるけど同時に現状維持でもある」と言えます。
今後においてもリストラは多分ない
ネット等では、「公務員は将来的にリストラされる」との意見もよく見ます。
- 人口減少・少子高齢化で財政状況が悪化
- AIが台頭し、公務員がいらなくなる
公務員のリストラを語る理屈としては、だいたい上記です。
しかし、将来的にも公務員がリストラされる可能性は非常に低いと考えられます。
確かに、人口減少・財政悪化で公務員が減らされると考えるのは妥当な意見です。
とはいえ、全体を減らす際は、既存の職員ではなく新規採用職員を減らすのがセオリーです。
また、「AIによって公務員はいらなくなる」との意見もあります。
AIが入れば、正直公務員の業務のかなり多くの部分が代替できるので、これは確かにその通り。
しかし、公務員の身分が保証されていることは法に規定されています。
そしてその法の条文を作っているのは、基本的に「公務員自身」です。
自分で自分の首を絞めることは、普通に考えてしませんよね。
とはいえ、議員も行政の公務員を敵に回したくはないので、その可能性もかなり低いと思われます。
もちろん、今後財政が本当に厳しくなれば、その時はもしかしたらリストラもあり得るかもしれません。
とはいえ、公務員は基本的に「守られた存在」なので、そこにメスが入ることは考えにくいです。
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補足:地方公務員の場合、自治体間で格差が大きくなる
「将来性」という観点では、地方公務員は自治体間で格差が大きくなる可能性が高いです(すでにそうですが)。
- 地方の小さな町村:急激な人口減少→財政悪化の可能性あり
- 都市部の自治体:人口の減少がゆるやか。財政状況は比較的良好
上のことが言えます。
財政が極端に悪化して破綻してしまうと、人件費などにメスを入れざるを得なくなります。
(北海道夕張市が良い例です。大幅な給与カットと人員削減が行われました)
日本全体の人口が減っている以上、自治体間での人口にもどんどん差がついていくことが予想されます。
必然的に、特に地方の町村役場などは、財政的に厳しくなることが十分あり得るでしょう。
一方で、都会の自治体は財源が比較的豊かなので、安定性がより長く維持される可能性が高いです。
「公務員の将来性」と一言でいっても、自治体間で異なる部分が多いのは覚えておくべきですね。
公務員は今後もある意味「安泰」だけど…

上で見たとおり、公務員は「給与水準はやや下がるけど、リストラはされない」と僕は踏んでいます。
今は大企業でもどうなるか分からない時代です。
その中で、公務員は「雇用の安定性」が抜群に高く、非常に守られている=安泰なのは間違いありません。
しかし、安定志向だけで公務員を目指すのはあまりおすすめしません。
「安定志向で公務員」は辞めたほうが良い
「安定しているから公務員になる」と考える方もいると思います。
しかし、公務員の仕事も普通に厳しいので、「安定したい」という動機だけではやっていけない可能性も十分あります。
良い例が、2020年のコロナ対応です。
コロナ関連で業務が増え、連日深夜まで残業。住民からは不条理なまでのバッシング…
僕の知り合いの公務員の方も、非常に大変でキツいと言っていました…
「安定したい」なんて気持ちだけでは、正直心が折れて超ツラいと思います…
この県を良くしたい・地元に貢献したい等の前向きな気持ちがないと厳しいでしょう
また、公務員になってある程度の年齢(30代くらい)になると、転職が難しくなります。
公務員は仕事の中でスキルが身につかず、民間では「使えない」と見なされるからです。
となると、安定思考で公務員になり、そのまま時が経った場合。
この時に「公務員が嫌だ」と思っても、他の選択肢が取ることが難しくなります。
必然的に、定年まで嫌でも公務員にしがみつくしかなくなる可能性も…
公務員になっても勉強することは必須
また、公務員になってからも勉強を継続していくのは必須かなと。
その理由は以下です。
- 将来的には公務員の中でも格差が広がる
→例:AIを使う人/AIに仕事を取られる人 - 公務員以外の選択肢を残すため
→専門スキル等があれば、他の選択肢がとりやすくなる(公務員の仕事に活かせることも)
人口が減っている中で、行政運営は間違いなく過渡期にありますし、自治体はどこも独自性を出す必要が出ています。
その中で、自分で勉強をしてクリエイティブな仕事ができる公務員は、やはり確実に重宝されるようになるはず。
また、勉強をしてスキルを習得すれば、公務員以外の選択肢を持つことにもつながります。
公務員として活躍するにせよ、他の世界への可能性を広げるにせよ、勉強は必須です。
とりあえずダラダラ仕事してればOKでしょ
時代の変化を考えると、こんなマインドだと今後は間違いなく厳しいですよ。。
今のうちから、スキルアップのための勉強に励むべきです。

【まとめ】公務員の将来性は、自分次第なところもある

公務員の将来性について書きました。
本記事のとおり、公務員の将来性は総じて「現状維持〜右肩下がり」と言ったところです。
とはいえ、公務員になってからの自分の努力次第でいくらでも変わると思います。
- ちゃんと勉強した人
→公務員としても活躍できる/他の選択肢も残せる - 勉強しない人
→AIに淘汰/嫌でも続けるしかない
本記事で見たとおり、公務員は将来的にもリストラの可能性は低いです。
守られているわけですから、ある意味で自分次第で色々な挑戦ができることでもあります。
おそらく従来のような安定思考の姿勢であれば、間違いなく公務員はオワコンです。
しかし、勉強やスキルアップに取り組めば、価値の高い&活躍できる公務員になれるはず。
公務員を目指している方にせよ、現役の職員にせよ、ぜひ勉強をする姿勢を持ち続けて欲しいなと思います。
(偉そうで申し訳ないですが…)
今回は以上にします。ありがとうございました。
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