公務員の出世・キャリア

地方公務員の出世コース。有望な職員はこの部署に異動!【県庁・市役所等】

【県庁・市役所ほか】地方公務員の出世コースの特徴

【県庁・市役所ほか】地方公務員の出世コースの特徴

県庁や市役所といった地方公務員の場合、出世コースとなる部署は、基本的に「中央(=トップ)に近く、大きな権限を持っている」という特徴があります。

大手の民間企業の場合は、地方への転勤を経ながら出世していくのが普通ですが、公務員の場合は逆で、優秀で出世が期待される職員ほど中央に集められるということ。

なお、自治体運営の中核を担う部署が暇なわけはないので、出世コースと言われる部署は自ずと激務になります。

つまり、出世コースを勝ち抜き、上の役職に就くためには、激務に耐えながら仕事をこなしていく必要があるのです。

出世する公務員とは

参考までに、出世コースを渡り歩く公務員がどんな人かにも触れておきましょう。

激務に耐えられる「タフさ」のほか、以下のような特徴を持ちます。

  • 周りの人が仕事をしやすいように気を遣う「調整能力」がある
  • 業務量や残業が増えるのをいとわず、高い成果を求める「向上心」がある
  • 論理的に説明・交渉をしたり、上に対しても適切な意見が言える「コミュニケーション能力」がある

以下の記事にて、詳しく書いているので、気になる方はあわせてご覧ください。

【県庁ほか】出世する公務員の3つの特徴【将来有望な公務員とは】出世する公務員の特徴が知りたいですか?本記事では、元公務員の筆者の目線で「出世する公務員が持つ3つの特徴」についてまとめています。公務員の王道の出世コースについても触れているので、特に地方公務員の出世について知りたい方は必見です。...

地方公務員の出世コース・部署はこの6つ【県庁・市役所】

地方公務員の出世コース・部署はこの6つ【県庁・市役所】

将来が期待されている、出世が見込まれる公務員が所属する「出世コース」は、以下の6つです。

  • 財政課
  • 人事課
  • 企画課(総合計画課)←名前は自治体によって異なる
  • 秘書課
  • 自治体の目玉事業を担当している課
  • 国・民間企業への出向

それぞれについて詳しく書いていきます。

地方公務員の出世コース①財政課

一番の出世コースはやはり「財政課」ですね。

自治体の事業の予算は全て財政課の査定を経て決められるので、財政課が持つ権限は相当強いです。

「どの事業にいくらのお金(税金)を使うか」の決定権を持つ部署なので、責任も非常に重大であり、将来出世が期待されるエリートが集まりますね。

 

なお、財政課はめちゃくちゃ大変です。

財政課の予算担当者(20代〜30代)は、担当する部局の予算を一人ですべて見る(Aさんは保健福祉部局・Bさんは商工部局など)ので、予算編成の時期には深夜残業が連日続きます。

それでいて、各事業・予算をしっかりと理解して上に説明していかなければならないのですから、相当なタフさと優秀さがないと務まりません。

それを考えると、財政課経験者が出世の階段を登っていくのは当然ですね。

財政課の仕事をこなせるだけの「体力」と「頭の良さ」を持っているのですから。

地方公務員の出世コース②人事課

財政課と並ぶ出世コースが「人事課」ですね。

人事課はその名の通り、自治体の「人事」を担当する部署。

要は、「誰をどこの部署に配置するか」を決めているわけですから、これも非常に大きな権限ですよね。

適材適所に人を配置しないと、自治体運営が機能不全になる可能性がありますから、財政課同様に責任も重大です。

 

ただ、財政課よりは激務度は低いかなと思います。

確かに、人事異動の時期(年明け〜年度末)は連日残業ですが、それ以外の時期は比較的落ち着いている印象です。

 

どの組織でも「ヒト」と「カネ」を握っている部署は強いので、人事課と財政課は自ずと出世コースになります。

ちなみに多くの自治体で、財政課と人事課は他の部署に比べて一段上の扱いになっているようです。

Hiroshi
Hiroshi
僕のいた県庁でも、財政課長と人事課長は「課長級」ではなく、一段階上の「次長級」の職員が担当していました。

地方公務員の出世コース③企画課

財政課・人事課の次点の出世コースが、「企画課」です。

企画課は自治体の総合計画や基本方針を決めている部署のこと。

総合計画・基本方針は自治体の未来を左右するものという認識なので、非常に重要視されており、それらを作る企画課も大きな力を持っています。

また、計画にはトップ(知事や市長)の意向が大きく反映されるということで、中核にも非常に近いところにいると言えるでしょう。

そのため、企画課にも優秀で、将来的に出世が期待される職員が集められますね。

Hiroshi
Hiroshi
必ずしも「企画課」という名前ではなく、「総合政策課」「総合企画課」「総合計画課」など、自治体によって課名は様々です。

地方公務員の出世コース④秘書課

知事や副知事、市長や副市長といったトップの秘書業務を行う「秘書課」も出世コースです。

行政組織はとにかく上をリスペクトするので、トップに日常的に接する職員の配置には人一倍気を遣います。

秘書課は知事・副知事の側近みたいなものですから、庁内の中でも優秀で、かつ将来的な出世が見込まれる人が配属される傾向にありますね。

 

なお、知事や市長は出張が非常に多く、知事秘書・市長秘書はその出張1つ1つに全て随行するため、めちゃくちゃハードです。

また、ただ随行するだけではなく、知事・市長の出張の調整・導線の確認などもあわせて行うので、1年を通じて超激務な印象があります。

地方公務員の出世コース⑤目玉事業の担当課

ここからは自治体によって異なるのですが、その自治体が推している事業の担当課も出世コースですね。

  • ロボット関連の事業を目玉としている自治体
    →科学技術関係の部署も出世コース
  • 観光を目玉としている自治体
    →観光課も出世コース

という感じ。

なお、「目玉の事業」というのは知事や市長の方針が大きく影響するので、トップが変われば目玉事業が変わる、つまり出世コースも変わるのが普通です。

 

知事の肝入りの超重要事業などがある場合には、その事業を担当させる職員をヘッドハンティングするなんてこともありますよ。

地方公務員の出世コース⑥国・民間企業等への出向

上に書いた「自治体の組織内の出世コース」のほか、国や民間企業等の外部への出向も間違いなく出世コースです。

出向は「将来的に出世させたい職員を外に出す」という意味合いが強いものなので。

実際に、出世している職員(課長以上)や昇進が早い職員は、ほぼ全員出向を経験していますからね。

その意味で、出向はある意味「武者修行」とも言えるでしょう。

Hiroshi
Hiroshi
「国への出向から戻ったら財政課に配属」など、決まったコースが用意されている場合もあります

 

なお、出向は一応「公募制」で、誰でも希望は出すことができますが、そもそも優秀な人でないと、国や民間に出向することは認めてもらえません。

まぁ希望する人は非常に少ないので、大半が上司や人事課から打診があるのですが。

出世している職員は、この6つのほか「保健福祉関係部局」を経験している方が多いです。

これはおそらく、出世に不可欠な「タフさ」を見極める意味合いがあるのだと思われます。

保健福祉部局自体は出世コースではありませんが、仕事がとにかく大変で、体力・忍耐力が要求されますので。




【地方公務員】出世する職員の異動の仕方

【地方公務員】出世する職員の異動の仕方

公務員といえば、3年に1回くらいの割合で異動があります。

出世コースの次は、「出世する公務員」はどんな異動の仕方をするのかについて、以下で踏み込んでいきますね。

出先はほぼ行かず、ずっと本庁

前述のように、公務員は優秀な人ほど中央に集められるので、出世が見込まれる公務員はずっと本庁にいます。

若手のうちは出先を経験させる方針の自治体が大半(教育のため)ですが、出世する公務員に関しては、出先に行くのは1回くらいでしょう。

出先を1回経験したら、あとはひたすら本庁の部署(or国・民間)をぐるぐるします。

逆に、出先に複数回異動になるようだと(特に30代以降)、あまり出世は見込まれていないと考えるのが自然ですね。

優秀な公務員は出世部署をぐるぐる回る

将来的に出世が見込まれる公務員は、上に書いた出世コースの部署をぐるぐる回ります。

だいたいの目安でいうと…

  • 異動3回のうち出世部署が「2回」
    →トップクラスに期待されている
  • 異動3回のうち出世部署が「1回」
    →期待度高め(次点)

という感じですね。

「3回続けて出世コースの部署に配属」というのはなかなか聞いたことがありませんね。

まぁ出世コースというのは基本的に「激務」なので、3回連続出世コースとなると、約10年間激務ということです。

人事課の方も「さすがにそれは可哀想」という感じで、休憩ができる部署を少し挟んでくれるのかもしれません。

 

なお、それを踏まえて出世が期待されている人の異動を考えると…

財政課(3年)→産業政策課(3年)→秘書課(3年)

という例がありますね。

ちなみにこれは、実際に僕がいた県庁の異動であった例になります。

産業政策課などの商工系の部署は、財政課や秘書課などに比べると激務度は低めなので、ここで少し休憩をしてもらうという意味合いも少なからずあるのでしょう。

 

そして、出世コースを中心に異動をしていった公務員は、課長・次長・部長へと順々にステップアップしていきます。

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【さいごに】県庁等の地方公務員が出世するメリットはあまりない

【さいごに】県庁等の地方公務員が出世するメリットはあまりない

ここまで、県庁等の地方公務員の出世コースや出世が期待される職員の異動について見ていきましたが、ぶっちゃけ公務員が出世するメリットってあまり無いんですよね…

出世するということは、激務に耐えないといけませんし、給料的にそこまで差がつくわけでもありません。

  • 出世コースを中心にめぐって激務に耐え、最後には部長になる
    →最終的に年収1,000万円ちょっと
  • 出先中心のまったりコース。最後は出先の係長級・課長補佐級
    →最終的に年収700万円〜800万円ほど

公務員の給与体系的に上のような感じなので、出世しても見返りは本当に少ないんですよね。

そう考えると、公務員の場合は手を抜きつつ、まったりと仕事をした方がコスパが良いとも言えてしまいます。

そのためか、「出世したくない」と言っている公務員も非常に多いです。

 

強いて言えば、公務員が出世するメリットは「名誉」ですかね。。

まぁ価値観は人それぞれなので、出世を目指す方はぜひ頑張っていただきたいなと思います。

 

今回は以上です。ありがとうございました。

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